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詩集 人はかつて樹だった
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房/みすず書房 |
発売年月日 | 2006/07/10 |
JAN | 9784622072294 |
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9件のお客様レビュー
タイトルに惹かれて。あとがきの”人はかつて樹だった。だが、今日はもはや、人は根のない木か、伐られた木か、さもなければ流木のような存在でしかなくなっているのではないだろうか。”という言葉が印象に残った。長田弘の詩や言葉は静かに、けれどはっきりと問いかけてくるものが多く、読むたびにい...
タイトルに惹かれて。あとがきの”人はかつて樹だった。だが、今日はもはや、人は根のない木か、伐られた木か、さもなければ流木のような存在でしかなくなっているのではないだろうか。”という言葉が印象に残った。長田弘の詩や言葉は静かに、けれどはっきりと問いかけてくるものが多く、読むたびにいまの自分を見つめ直すことができる。収められている二十一篇の中で一番好きだった詩は下記。 地球という星の上で 朝の、光。 窓の外の、静けさ。 おはよう。一日の最初の、ことば。 ゆっくりとゆっくりと、目覚めてくるもの。 熱い一杯の、カプチーノ。 やわらかな午前の、陽差し。 遠く移ってゆく季節の、気配。 花に、水。 眠っている、猫。 正午のとても短い、影。 窓のカーテンを揺らす、微風。 〈わたし〉の椅子。〈わたし〉の机。 忘れられた価値を思いだす、本。 龍やかいじゅうたちの、絵本。 パンの神の午後の、音楽。 樹上の鳥の鋭い、声。 高い、青い、空。 沈む陽の、箭。 すべて昏れてゆくまでの、一刻。 夜のための小さな、明かり。 月下の仄かな、闇。 住まうとは幸福な一日を追求することだと 〈わたし〉は思う。〈あなた〉は?
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フェリシモの復刻版を購入しました。 TVや雑踏の騒がしい中にいても、長田弘さんの本を読んでいると、私は静寂シールドに包まれます。 いったいどういうカラクリで 文字を読むだけでこんな不思議な感覚になれるのか。 特にこれは詩集なので ことばが少ない分 世界感に集中するし 集中...
フェリシモの復刻版を購入しました。 TVや雑踏の騒がしい中にいても、長田弘さんの本を読んでいると、私は静寂シールドに包まれます。 いったいどういうカラクリで 文字を読むだけでこんな不思議な感覚になれるのか。 特にこれは詩集なので ことばが少ない分 世界感に集中するし 集中すればするほど静寂シールドが大きく膨らみます。 このゴージャス感がもったいなくてチビチビ読んでいましたが読み終わっちゃった…。 また無人島に行くなら、この本を持って行こうと思います。
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表紙の絵は「孤独な木(朝陽のあたる村)」というドイツの画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒという方の描いた絵。 この表紙の絵と、図書館の窓辺に座って見上げる木とをそれぞれ見ながら読んだ時のに感じる静かな時の流れがたいそう心地良かった。 ==== 今年も、緑が濃くなった。 見上...
表紙の絵は「孤独な木(朝陽のあたる村)」というドイツの画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒという方の描いた絵。 この表紙の絵と、図書館の窓辺に座って見上げる木とをそれぞれ見ながら読んだ時のに感じる静かな時の流れがたいそう心地良かった。 ==== 今年も、緑が濃くなった。 見上げると、 碧い空を背景に、 高い木々の枝々が、 そびえる緑の塔のようだ。 風が不意に舞いこんで、 無数の葉の影が降ってきた。 (緑の子ども、p.54)
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