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民藝とは何か 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 2006/09/10 |
JAN | 9784061597792 |
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民藝とは何か
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商品レビュー
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22件のお客様レビュー
そもそも高価な貴族的な品物の、ほとんどすべてに見られる通有の欠点は、一つに意識の超過により、一つに自我の跳梁によるのです。一言で言えば工夫作為の弊なのです。
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日本の民藝についての第一人者である柳宗悦による美の論説。本書で語られる柳の主張は、一切の反論の余地も与えないようなものでは確かにない。例えば創意工夫が美を損ずるとか、僅少で高価であることはそれ自体が不完全であるとか、絶対にそうとは言えないのでは、とその論理づけにおいて指摘したくな...
日本の民藝についての第一人者である柳宗悦による美の論説。本書で語られる柳の主張は、一切の反論の余地も与えないようなものでは確かにない。例えば創意工夫が美を損ずるとか、僅少で高価であることはそれ自体が不完全であるとか、絶対にそうとは言えないのでは、とその論理づけにおいて指摘したくなる部分は少なからずあった。 しかし柳の功績は貴族趣味的なものばかりがやたら有り難がられて、日用品が工芸品として評価されていなかった風潮に待ったをかけて、用の美というキーフレーズでいわゆるクラフトの価値を土俵に上がるところまでに押し上げたところにあると思う。現に日本のクラフトデザインの歴史を柳抜きに語ることはできないであろう。有銘の作と無銘の作とに対する目線に、当時の社会としてあまりに極端なアンバランスがあったとすれば、本書の柳の論調もそのカウンターパンチ的な意味があったのではないかとも思う。 絶対的な肯定ができないように思われる部分もままあるなかで、個人的に全くその通りだなと思ったのが、美と道徳の関係について言及されていた箇所である。道徳の欠けたものに美が見出せないのは美学的にも裏付けられるところだと思うし、独りよがりの表現よりも、公の観点で多くのものを救い出そうとする視点を美しいとすることに何の異論があろうかと思う。そういう意味で、最近公衆に蔓延る表現に美しいものが少ないなと思うのは、まさに時代が下って美意識がどんどん欠落している現実だなと思った。
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まさに「民藝」の入門書として、提唱者の柳宗悦より平易な表現で、分かり易く解説されている。 「民藝」は、明治近代化の中でしばしば登場する概念であり、その影響力から、言葉としては認識していたが、体系的に理解できたことは収穫。 このように原則論を読んでいると、時代を超えた普遍性があり、...
まさに「民藝」の入門書として、提唱者の柳宗悦より平易な表現で、分かり易く解説されている。 「民藝」は、明治近代化の中でしばしば登場する概念であり、その影響力から、言葉としては認識していたが、体系的に理解できたことは収穫。 このように原則論を読んでいると、時代を超えた普遍性があり、現代においても意識すべき概念ではないかと思う。 以下抜粋~ ・用が生命であるため、用を果たす時、器は一層美しくなってきます。作り立ての器より、使い古したものはさらに美しいのではありませんか。 ・廉価であるということが、実に美を増す大きな基礎なのです。安いものであるから、強いて美を盛ろうとは工夫していません。 ・無銘の作に心が惹かれるのは、そこに一個性よりさらに大きな衆生の美があるからです。 ・民藝品が特に注意されねばならない大事な理由の一つは民族性や国民性が一番素直にこの領域に現れてくるからです。 民藝こそは国民生活の一番偽りなき反映なのです。 ・ご承知の通り産業革命以来、工藝は二分野に分かれ、機械製品と手工藝とが対立するに至りました。 前者はある意味では進歩した道ではありますが、不幸にも貪欲な商業主義と深く結合したため、品物を粗悪にしました。 ・民藝の美の特質 1実用性 2常に多量に作られることと、廉価であること 3平常性 4健康性 5単純性 6協力性 ・かくして私は民藝品の最後のまた最も重要な特色について語る場合に来ました。 それは国民性ということです。 民藝は直ちにその国民の生活を反映するものですから、ここに国民性が最も鮮やかに示されてくるのです。 地方的工藝の存在は重大な意義を有ってくるのです。 地方こそは特殊な材料の所有者であり、また独特な伝統の保持者なのです。国民的伝統の上にこそ、強固な国民的美が発露されるのです。
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