主君「押込」の構造 近世大名と家臣団 講談社学術文庫1785

笠谷和比古【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2006/10/12
• JAN: 9784061597853

商品レビュー

2021/12/13

江戸時代の半ば以降の政治家の頭の中って、けっこう現在までつながってる感じがした。読むの大変だったけども面白かった。

2019/05/21

江戸時代の大名は、専制君主ではなく、家臣団をないがしろにすると、家臣団によって幽閉、蟄居などというハメになることがあった、という話。真面目な歴史書。
「フォトリーディング」した。

2014/06/10

「愛国・民主・革命」に出てきて面白そうだったので。

「押込」と聞いて何を思い浮かべるだろう？
「押込み強盗」なんて物騒な言葉もある。
しかし、私が思い浮かべたのは、
親戚の子供たちが、法事で田舎の大きな家に集まり、
使われていない押し入れで遊んでいるうちに、
無理やり押し込められた子が泣き出し、
それぞれの親に怒られる、そんな昭和の光景だ。
それゆえ、「押込」と聞いて、くすっと笑ってしまった。

実際には、
主君の「押込」には、暗殺の懸念が伴う場合もあったらしいし、
「押込」から復活した主君に復讐されて命を絶たれることもあったようだが、
西洋の近世が、
ルネサンス、宗教革命から産業革命までの血なまぐさい時代だったのに対して、
家老他の合議で、家のためにならない主君の隠居を迫る「押込」の、なんとのどかなこと。
さすが、鬼をも福と成す国、日本。

前半は、
家老が言うこときかないから、後継ぎもいないのに隠居すると脅かす殿様やら、
藩主に反意を示すために正月の儀式を一斉に欠席する藩士やら、
面白い話が満載だった。

後半はちょっと難しくなってしまったが、
まじめに読む人には面白いと思う。