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朽ちていった命 被曝治療83日間の記録 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
| 発売年月日 | 2006/09/28 |
| JAN | 9784101295510 |

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朽ちていった命
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商品レビュー
4.4
207件のお客様レビュー
言葉にするのが難しい。 読んでいて苦しくて苦しくて堪らなかった。 大内さんは本当に苦しかったろう、医療従事者の人たちも本当に苦しかったろうと思う。 正直、読みながらこんな苦しみからは早く解放してあげた方が良いのではないかと感じていた。 でも、心臓マッサージで一度蘇生したのを知...
言葉にするのが難しい。 読んでいて苦しくて苦しくて堪らなかった。 大内さんは本当に苦しかったろう、医療従事者の人たちも本当に苦しかったろうと思う。 正直、読みながらこんな苦しみからは早く解放してあげた方が良いのではないかと感じていた。 でも、心臓マッサージで一度蘇生したのを知り、大内さんのご家族が希望を最後まで捨てなかったように、大内さんご自身も苦しみの中で生きようとされていたのかなと思い、解放してあげてほしいと一方的に判断したことを後悔した。 司法解剖にあたった三澤先生が唯一美しいままだった心臓を見て、そこに「生きたい」という意志をみたと話しているのを見ても、そうなのかなと。 大内さんががんばったこと、医療従事者の方たちが悩み苦しみの中で必死で向き合ったことが伝わり、命のあり方、終わらせ方を色々と考えさせられる一冊だった。 最後に。 日本は唯一の被爆国で、核兵器の恐ろしさは小さいころから理解しているつもりだった。 けれど、この本を読んでその恐ろしさを今やっと、理解したように思う。なんというものを生み出したのだろう。 もう二度とこのようなことが日本のみならず、世界でも起きないことを祈る。
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国内初の臨界事故、当時の最先端の医療での治療記録。文庫本200ページほどなのに内容はものすごく重い。 放射線の恐ろしさはもちろん、命とは、生きること、死ぬこと…医師や看護師たちの苦悩、患者や家族の思いなどを考えると読み進めるのがしんどかった。
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1999年9月に核燃料の加工中に臨界事故が起きた。事故により大量の放射線を浴びてしまった作業員の治療は、東大病院で行なわれた。医師や看護師の懸命な努力と、回復することなく朽ちるように亡くなってしまった作業員の病状が詳細に記録されている。 読みすすめるのがつらかった。被ばくした大...
1999年9月に核燃料の加工中に臨界事故が起きた。事故により大量の放射線を浴びてしまった作業員の治療は、東大病院で行なわれた。医師や看護師の懸命な努力と、回復することなく朽ちるように亡くなってしまった作業員の病状が詳細に記録されている。 読みすすめるのがつらかった。被ばくした大内さんの不安な気持ちや、体をおそう激しい痛みが伝わってくる内容だった。ほんの一瞬、放射線にさらされただけで体中の染色体が壊れてしまう。細胞が二度と分裂することがなく、寿命の短い皮膚のような箇所から壊死していく、その苦しみはいかほどだっただろう。 入院中に心臓が停止してしまった大内さんを蘇生させるため、心臓マッサージが行なわれる場面では、「もうこのままそっと逝かせてあげてほしいと強く願いながらページをめくっていた。蘇生にかかわったスタッフは、「大内さんも、戻ってきたかったんだ」と感じたらしいのだが、自分にはそうは思えなかった。これほどの状態でも生きつづけなければならないのだろうか。 もちろん、医師や看護師の献身的な処置を批判したいわけではない。みんな大内さんのことを心から考えて行動していたのだから。
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