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いつか王子駅で 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/09/01 |
JAN | 9784101294711 |
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いつか王子駅で
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いつか王子駅で
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商品レビュー
3.9
65件のお客様レビュー
『いつか王子駅で』というタイトルを見て、いつか王子駅で誰かと会ったり何かをしたりする話なのかと思ったら、最初から主人公はこの駅のある町で暮らしている。 このタイトルの意味は、最後まで読まないとわからないのだけれど、最後まで読んだとき、「いつか」に込めた想いにはっとさせられた。 ...
『いつか王子駅で』というタイトルを見て、いつか王子駅で誰かと会ったり何かをしたりする話なのかと思ったら、最初から主人公はこの駅のある町で暮らしている。 このタイトルの意味は、最後まで読まないとわからないのだけれど、最後まで読んだとき、「いつか」に込めた想いにはっとさせられた。 これは小説なのだけれど、読んでいる途中なんども「エッセイだったっけ?」と思ってしまうほど、目に見えるものだけではなく、匂いや手触りなどが感じ取れるくらい詳細な文章。 なのにくどくない。 主人公は時間給で雇われた講師や翻訳などで生活しているのだが、その暮らしは楽ではない。 けれどその内面は豊かで、大家さん一家や町工場の職人、古書店主や喫茶店のママなどととりとめのない話をしながらも、周囲をよく見て(時にボーッとして)、心に浮かぶことをじっくり考えることで気づかされる、ささやかだけど大切なこと。 この辺の塩梅が心地いいのだ。 工場の旋盤工についての工場主の評価。 ”林さんの凄いところは、仕上げの腕前ではなく、そこにいたるまでの段取りと部品の粗挽きの丁寧さを忘れないところなのだそうだ。” 心の「のりしろ」について ”最後には隠れてしまう部分に対する敬意” こういう丁寧さが作品全体に溢れていて、優柔不断でかなり頼りない主人公に対しても、「しょうがないなあ」と受け入れてしまうのだ。 だって、こういう人が身近にいたら、きっとそう思うでしょ? 最後、王子駅に行くか行かないかヤキモキしたけれど、彼の判断を嬉しく思いました。
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- ネタバレ
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堀江敏幸さんは初めて。 冒頭の長い文章にああこういう感じかと思った。けっこう好き。 びっくりするようなことは起こらないのだが、不思議といちいち思考を促してくる感じが心地よかった。 咲ちゃんとの交流。 「これから死ぬ気で走ろうっていう女の子に電話で起こしてもらうなんて虫が良すぎる」 おっしゃるとおり。お母さんもこんな感じの人だったのだろうかと想像。 ラストの二次予選。 個人的に応援されている人より、応援している人にグッときてしまう体質なので、とても満足。 しかし、赤い帽子がただひとつなどテスコガビーを知らない人はポカーンとなりそうだが余計な心配か。 他の作品も読んでみようと思いました。
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王子を舞台にした小説。ふとしたきっかけで知り合った人の忘れものを届けに行く場面から始まり、日常での人々との交流が淡々と綴られる。王子周辺の施設がでてくるので、このあたりに住む人にとっては嬉しい物語だろう。個人的には、少し文章のリズムになじめなかったので、★3つ。
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