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大破局 デリバティブという「怪物」にカモられる日本
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大破局 デリバティブという「怪物」にカモられる日本

フランクパートノイ(著者), 森下賢一(訳者)

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大破局 デリバティブという「怪物」にカモられる日本

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店/徳間書店
発売年月日 1998/02/28
JAN 9784198608156

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商品レビュー

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2022/11/16

ウォール街や投資銀行がどのような金融商品を誰にどのように売っているのか知れる本。 読後の感想として、なんだかよくわからない注意事項がたくさん記載されている債権などおよそ素人が買うものではないというのがよくわかった。複雑な金融商品は売り手しか正確に理解できないようなリスクを多分に...

ウォール街や投資銀行がどのような金融商品を誰にどのように売っているのか知れる本。 読後の感想として、なんだかよくわからない注意事項がたくさん記載されている債権などおよそ素人が買うものではないというのがよくわかった。複雑な金融商品は売り手しか正確に理解できないようなリスクを多分に含んでおり、買い手がそのリスクを知るのはリスクが発現し損失を被ったあとである。 先物、オプション、スワップがどういうものか知っているとより実感を持って読める。

Posted by ブクログ

2012/05/20

【入手元】 図書館で借りた 【概要】 ・他の本でも読んだが、今も昔も金融業界のもうかる仕組みは以下のとおりということが分かった  (1)リスクが高く、リターンもいい商品をデリバティブを使ってリスクが低いように見せかける  (2)(1)の商品を債券に組み込んだ後、債券に無理やりA...

【入手元】 図書館で借りた 【概要】 ・他の本でも読んだが、今も昔も金融業界のもうかる仕組みは以下のとおりということが分かった  (1)リスクが高く、リターンもいい商品をデリバティブを使ってリスクが低いように見せかける  (2)(1)の商品を債券に組み込んだ後、債券に無理やりAAAを取得する  (3)よく理解していない投資家に高い手数料で売りつける  (4)投資家は、どうせ自分が働いている間は損失は表面化しないと思い、こういうインチキ商品を買いまくる ・90年代のことを書いた本だが、本題の本質はサブプライムローンでもほとんど変わってないと思った。

Posted by ブクログ

2011/09/20

90年代中盤に、モルガンスタンレー(以下MS)でデリバティブのセールスを担当していた著者が、当時のビジネスや職場の在り様を赤裸々に綴った本。 単に私の知識不足かも知れないが、どうもウォール街のインサイダーが書いた一般向けの金融本というのは、プロップトレーダーかクオンツの視点から...

90年代中盤に、モルガンスタンレー(以下MS)でデリバティブのセールスを担当していた著者が、当時のビジネスや職場の在り様を赤裸々に綴った本。 単に私の知識不足かも知れないが、どうもウォール街のインサイダーが書いた一般向けの金融本というのは、プロップトレーダーかクオンツの視点から書かれたものが多く、セールスの視点で描かれたものが少ない(Liar's Pokerくらい?)。 恐らく、トレーダーやクオンツが著者自身の倫理的問題を避けながら事象を記述できるのに対し、セールスはどうしても「はい、危ないと分かってて売りましたが、何か?」と、倫理的に開き直らない限り面白い読み物は書けないからだと、個人的に邪推している。 何はともあれ、本書はそのセールスの視点から書かれた、非常に貴重な本。 で、本書で記述される職場の在り様は、やはりと言うべきか、「客の面の皮をひん剥いてやった」ことを誇りとし、的を顧客に見立てたクレー射撃大会に全員で出向く、そんな社員で構成される集団。 80年代にソロモンやドレクセルバーナムが金融革命を起こし創り上げた攻撃的なスタイルに、保守的で知られていたMSも取り組み、花開き、黄金期を迎えていた時代が、良く描写されている(やたらと馴れ馴れしい語り口が若干鼻につくが)。 しかし上記は、この手の金融関連書籍を読めば良く出てくる話で、特筆すべきものはない。それよりも興味深いのは、当時のデリバティブビジネスが、セールスの視点で細かく描写されている点。 プロップトレーダーと違い、手数料ビジネスであるセールスは、如何に利幅のあるデカい案件を締結するか、が勝負になる。そのためには、①とにかく複雑な商品を作り、②顧客から手数料となるスプレッドとリスクを見えづらくする一方で、③格付け機関から高格付けを取りつけ、④さも安全かつ魅力的な商品であるかのように見せて、⑤後で訴えられないように説明責任をぎりぎり満たしつつ売りつける、という5点が重要になる(そう、リーマンショックを引き起こした住宅ローンビジネスと基本は全く同じ!)。 著者は、この5点を如何に巧妙にやったか、事細かに記している。一例をあげると: ・PLUSノート バメナックスというメキシコの銀行の要望に応えて作られた仕組み債。 バメナックスの要望は: ①誰も欲しがらない、無価値になったインフレ・リンク型のジャンクボンド(以下ボノス)を ②損失を計上することなく ③売却し、その資金で新しい投資を行えるようにする という、中々困難なものであった。 MSはこれを以下の形で実現した: ①バミューダの慈善事業団体の下にペーパーカンパニー(以下新会社)を作る ②ボノスを、支払い優先度の高い部分と、低い部分の2つに分ける ③支払い優先度の高い部分だけ、S&Pに格付けしてもらう ④ペソ払いをドル払いに変換する外貨取引を付与する ⑤契約書に「格付けはドル/ペソ間の為替リスクは反映していない」と小さく記載する ⑥バメナックスがボノスの20%、新会社が80%(全て格付け有り)を保有する ⑦新会社のボノスを米国の投資家に売る 理由は本書を参照してほしいが、上記プロセスを踏むことで、誰もが敬遠する無価値なジャンクボンドが、魅力的なAAクラス債券に早変わりし、利回りと格付けしか見ない米国の機関投資家に飛ぶように売れた。MSはこれを、様々なメキシコの銀行と米国機関投資家の間で取り行い、10億ドル儲けた。 そして数年後、メキシコ通貨危機が起こった時、メキシコの銀行と米機関投資家は仲良く火だるまになった。 と、上記のような様々な取引が詳解に綴られており、デリバティブのセールスが如何に、利回りと格付けしか見ない怠惰な顧客を騙くらかして荒稼ぎしたかが、非常に良く分かる。前述したように、本質的な部分は今もほとんど変わっておらず、複雑な金融商品のセールスが、どういった点に立脚し、どのような手法の下実行されるのかを知る上で、本書はかなりお勧め。

Posted by ブクログ

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