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日本幻想文学集成(12)
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日本幻想文学集成(12)
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久生十蘭 1902.4.6-1957.10.6(函館生、55歳没、食道癌) 「母子像」 昭和27年、16歳の少年は、女装、泥酔、放火で補導されたが、学校の先生はいい子なのだという。少年は、美しい母に首をしめられた、サイパン玉砕の生き残りだった。子供のある日、母を美しいと思い、この母が喜ぶならなんでもする、という少年。「母と息子」の組み合わせで、男性作家によって生まれる小説だと思った。「母と娘」では成り立たない。 編者は橋本治。本集のテーマは「残酷」だという。 「母がどういう人なのか、というのは、”子”の側にだけ意味があって、母の側には、関係のないことなのである。片思いは永遠に美しく、美しくなってしまった片思いは永遠に残酷なままだ、というだけである。」との橋本氏の解説。 「母子像」:昭和29年、ニューヨークの新聞「ヘラルド・トリビューン」主催の国際短編コンクールで1位に なった。日本での初出は昭和28年7月「読売新聞」 筒井康隆にも「母子像」という短編があったが、これとはまるきり違う内容。 1992.3.25初版第1刷 図書館
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