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ディック傑作集(4) まだ人間じゃない ハヤカワ文庫SF
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ディック傑作集(4) まだ人間じゃない ハヤカワ文庫SF

フィリップ・K.ディック【著】, 浅倉久志【ほか訳】

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ディック傑作集(4) まだ人間じゃない ハヤカワ文庫SF

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商品詳細

内容紹介 内容:フヌ-ルとの戦い.最後の支配者.干渉する者.運のないゲ-ム.CM地獄.かけがえのない人造物.小さな町.まだ人間じゃない
販売会社/発売会社 早川書房/
発売年月日 1992/04/30
JAN 9784150109691

ディック傑作集(4)

¥495

商品レビュー

3.6

11件のお客様レビュー

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2010/05/28

 人間は生まれながら…

 人間は生まれながらに人間ではない。倫理・道徳を教育され善悪の判断がつくようになって初めて人間だと言えるのかもしれない。人間ほど成人するのが遅い動物はいない。私たちはゆっくりと人間になる

文庫OFF

2010/05/28

「CM地獄」などの秀…

「CM地獄」などの秀作中短篇8篇をおさめたほか、詳細な自作解説や、孤高の天才ディックが心情を赤裸々につづり、作品世界への鍵となる貴重なエッセイも併録した決定版ディック傑作集第四巻。

文庫OFF

2025/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[フヌールとの戦い The War with the Fnools]  まあ、一種の馬鹿話。こんな間抜けな奴らに侵略される方もされるほう。2フィートしかない侵略者が、酒や煙草など初めての経験をすると背が大きくなるというアイディアを考えたら、もっとシリアスなパニック小説だって書けるのに。逆にこのアイディアで短編しか書かないってところがディックなのかもしれないけど。後で長編化するつもりだったりして。  ワルシャワとかの伏線が、結局何の意味もないところがさすが(^^;)。 [最後の支配者 The Last of the Masters]  ディックの短編としてはいまいちかな。せっかく戦争をなくすために世界中の政府を打ち倒したアナーキスト連盟と、自分の知識を総動員して統制された社会を維持しようとする前時代のロボット、という図式を用意したのに平凡な展開だし、オチもありきたり。  ただディックが解説で、自分がロボットを信用するのはアンドロイドと違って自分の姿を偽ろうとしないないからだ、と言っているのは興味深い。 [干渉する者 Meddler]  未来に探査機を送り込んだ影響で、未来で戦争が起こる。その問題に干渉しようとした試みは全て逆に悪影響を及ぼしてしまい、ついには未来の世界に人間がいなくなってしまう。そこで探査機の専門家が原因調査のために未来へと送り込まれる、といういかにもSFらしい出だしで始まる短編。オチはありがちだけど、この頃の方が典型的なSFを描いてたんだなあ。 [運のないゲーム A Game of Unchance]  アメリカ人はなんかサーカスに特別な思い入れがあるのかな。レイ・ブラッドベリとかクーンツとか、アメリカのサーカスってよっぽど不気味なんだろうか。そういえばこの短編、ブラッドベリっぽい。  サーカスのゲームに勝って、やっと取った景品で異星人に侵略され、それを捕まえる罠を別のサーカスが持ってきたけど、それもひょっとしたら仕組まれているのでは・・・。なんか星新一かシェクリィみたいだな。 [CM地獄 Sales Pitch]  なんかいまいちパッとしないなあ。自分で自分を売り込む商品というアイディアと現実から逃れたがっている主人公という組み合わせも、結末が悲劇的なことも悪いわけじゃないんだけど。なんかとんがった部分がないからかな。  奥さんと主人公の人物設定がなんか「トータル・リコール」を思い出させた。 [かけがいのない人造物 Precious Arcifact]  そうか、そういうことか。ディックの小説でシュミラクラが何を象徴しているのか、なんとなく分かった気がする。うーん、こうなってくると「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」も、もう一度読み返さないといけないかな。  自動販売機のところとか、火星の植物が枯れてしまうところとか、現実は見た目通りではない、と気がつくときの不安な雰囲気が、いかにもディックらしくていいっす。やっと著者らしい短編が読めてよかった。 [小さな町 Small Town]  これは話としてはけっこうあるよな。別にディックでなくてもいいって感じ。ただ、ハスケルが消えたときに、彼は自分の世界に行ってしまったんだ、って精神科医があっさり納得するのがちょっと変ではある。 [まだ人間じゃない The Pre-Persons]  これ、これ。これを待ってたんだよ。こういうとんがった攻撃的な短編が読みたかった。生まれても十二歳になるまでは、両親が望めば堕胎されてしまう社会。この設定だけでOK。中絶という問題をこの設定に持って行けるとこがやっぱ並の作家じゃない。  まあ、せっかくこの設定を考えたのにその後の展開があんまりぱっとしないのと、ラストも中途半端に終わっちゃうのは残念だけど。もしウォルターが十二歳以前に設定されていたら、かなり凄い短編になりそうな気がするなあ。  「男たちの知らない女」を書いたときのティプトリーだったら、これにどんな感想を持つんだろうか?やっぱ俺個人としては、自分が男だからってのもあるけど、ディック側。

Posted by ブクログ