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生物多様性はなぜ大切か? 地球研叢書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 昭和堂/ |
発売年月日 | 2005/04/10 |
JAN | 9784812205068 |
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生物多様性はなぜ大切か?
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商品レビュー
3.8
4件のお客様レビュー
思えば17,8 年前に、この本の著者の一人で、編者でもある日高敏隆先生に影響を受けて動物行動学に興味を持ったんだった。 その後、興味の対象が同じマクロ系生物学の中でも生態学に移ったので大学の専門は行動生態学なんだけど。 本書の最初の部分を書いている中静先生には、学生の頃に「森...
思えば17,8 年前に、この本の著者の一人で、編者でもある日高敏隆先生に影響を受けて動物行動学に興味を持ったんだった。 その後、興味の対象が同じマクロ系生物学の中でも生態学に移ったので大学の専門は行動生態学なんだけど。 本書の最初の部分を書いている中静先生には、学生の頃に「森林保護学」の講義で教えていただいたりして。 さて、本書はそういう専門向けの本ではなくいわゆる一般向けの本です。 で、この本はすごくいい。かなりやばい。図書館で日高先生の名前に釣られて何気なく借りたけど大ヒットだ。 ハッキリとは書いてないけれど、生物多様性(正確には生物学的多様性)の問題が人間のエゴであることは認めつつ、その視点から卑下にもならず、本書のタイトルを丁寧に論考している。 うさんくさい精神論でもなく、さりとて小難しいアカデミックな話でもなく、地に足のついた良書。おすすめ。
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生物の絶滅スピードと原因、生態系サービス、人類の遺伝的多様性、先史時代の人間の生活、食・田畑・森の多様性の喪失、殺菌による免疫力の低下
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環境破壊、地球温暖化、エネルギー不足など様々な事が人類の存亡に関わる問題として関心を集めているが、これらと密接な関係にある「生物多様性」とは何なのか。それがなぜ重要で我々に取ってどれほど必要なことなのかを知るために読んで欲しい。 内容の紹介、感想など: 2010年10月に生物多...
環境破壊、地球温暖化、エネルギー不足など様々な事が人類の存亡に関わる問題として関心を集めているが、これらと密接な関係にある「生物多様性」とは何なのか。それがなぜ重要で我々に取ってどれほど必要なことなのかを知るために読んで欲しい。 内容の紹介、感想など: 2010年10月に生物多様性条約締結国会議「COP10」が名古屋で開催される。日本が1993年5月に締結しているこの国際条約の3つの目的は下記である。 ・地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全すること ・生物資源を持続可能であるように利用すること ・遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分すること 「生物多様性」とは、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態を言う。また、生物は地球上の様々な環境に対応することで多様に分化してきたのであり、この生態系の多様性も生物多様性の一面である。さらに様々な環境に対応するためには同じ種であっても病気に強い、乾燥に強いなど様々な個性をもつ個体が必要であり、生物多様性とはこの遺伝子の多様性までも含めた幅広い概念である。 生物多様性が失われていくと、人だけではなく周囲にいる動植物の生存や生活にも影響が及び、様々な面で人の生活を危機に陥れる。例えば水、酸素、食料、燃料、木材、薬品などの人間生活にとって重要な資源は生態系がもたらす物質的サービスであり、生態系の維持には生物多様性が特に重要な意味を持つ。また遺伝的多様性を保つことは、病気や環境の変化などによる種の絶滅を回避する為に有効な手段である。さらに生物多様性の減少が問題にされている現在、人間の文化の多様性も失われつつある。生物多様性は生物学のみの問題ではなく、人間の文化にまで関わる問題である。 5章からなる本書は、生命科学、動物行動学、動物集団遺伝学、先史人類学、植物遺伝学を専門とする5人の科学者により執筆されており、それぞれの視点から生物多様性の意義が語られ、その重要性が説かれている。生態系サービスにおける生物多様性、遺伝子的多様性、文化的多様性、身近な生活の中における生物多様性などについて分り易く書かれており大変興味深く、「生物多様性」の重要性が理解でき、同時にCPO10の3つの目的の意義が理解できる。雑誌「Newton」2010年6月号にも特集記事があるので合わせて読むと面白い。
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