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ねぼけ人生 ちくま文庫
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ねぼけ人生 ちくま文庫

水木しげる(著者)

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ねぼけ人生 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 1999/07/22
JAN 9784480034991

ねぼけ人生

¥330

商品レビュー

3.9

29件のお客様レビュー

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2010/05/28

漫画も良いですけど、…

漫画も良いですけど、エッセイも良いですよ!

文庫OFF

2025/12/03

境港の水木しげる記念館を訪問し、せっかくだからということで読んでみた。記念館で水木しげるの人生については一通り見ていたが、それでも幼い頃からの水木ファンとしては、長年の疑問が解けるうれしい本だった。 まず何より、「ゲゲゲの鬼太郎」のルーツについて。戦前の紙芝居『ハカバキタロー』...

境港の水木しげる記念館を訪問し、せっかくだからということで読んでみた。記念館で水木しげるの人生については一通り見ていたが、それでも幼い頃からの水木ファンとしては、長年の疑問が解けるうれしい本だった。 まず何より、「ゲゲゲの鬼太郎」のルーツについて。戦前の紙芝居『ハカバキタロー』が元になったというのは何かで読んだことがあったが、どこまでそれを踏襲していて、どこからが水木御大のオリジナルなのかは定かでなかった。 この本によれば、そもそも紙芝居というものは印刷をしない原本限り、そのため御大も「ハカバキタロー」を直接見たことはなく、話に聞いただけ。それも怪談の「飴屋の幽霊」のようなよくある話だったとのことで、それなら鬼太郎は100%御大のオリジナルだ。 鬼太郎はひょっとすると御大の作ったキャラクターではないのかも、などというのは幼い頃の僕の杞憂だったようでほっとした。 (他方で、血液銀行に血を売る鬼太郎の母や目玉の親父のルーツが「飴屋の幽霊」にあるというのは成程だ。これまた興味深い気づきだった) それから、南方の「土人」との帰国後の交流について。これも子供の頃に、人気漫画家になった後の御大がラバウルの「土人」集落の親友トペトロにトラクターを贈った、と読んで首を捻ったことがある。御大は南方の、アクセクしないのどかさに惹かれたはずなのに、自分が豊かになったからってトラクター買ってあげるってのはなんか違うんじゃないの。幼いながらにそんなようなことを思っていた。 これもこの本を読んで謎が解けた。御大がようやく再訪したラバウルは様変わりしていたそうだ。腹が膨れればそれで充分、というかつての呑気さは影を潜め、資本主義経済に飲み込まれたかつての「土人」たちはより良い暮らしのため金儲けに走るようになってしまっていたとか。 御大の落胆は推して知るべしだが、それでも命の恩人である彼らを見限ることはできない。きっとそんな葛藤の末、トラクターを贈ったのだろう。 かくして南方という「地上の楽園」を永遠に失った御大はいう。「ぼくにとって、空想の世界だけが、本当の生きる世界なのだ。」 ニーチェの「それでもなお」にも似た、悲壮でありながら気高い決意。「ねぼけ人生」なんてとぼけた書名には似合わないが、僕にはそう思えて仕方がない。

Posted by ブクログ

2025/09/13

水木しげるの昭和史(全4巻のうち、まだ一冊目だけど)が面白くて、ほかの自伝的作品が知りたくて手を出した。 こちらはほぼ文のみ、+少しの写真。 作者の率直な語り口が楽しい。 なお、私が図書館で借りたのはこの文庫ではなく、オリジナルぽいハードカバーでしたが、ブクログには見当たらないの...

水木しげるの昭和史(全4巻のうち、まだ一冊目だけど)が面白くて、ほかの自伝的作品が知りたくて手を出した。 こちらはほぼ文のみ、+少しの写真。 作者の率直な語り口が楽しい。 なお、私が図書館で借りたのはこの文庫ではなく、オリジナルぽいハードカバーでしたが、ブクログには見当たらないのでこちらで登録しておきます。 (表紙は和田誠、作者のあとがき付き) タイトルとは裏腹に、本当に本当に苦労した方だなあと思った。 作者のあとがきによれば、タイトルは編集者が付けたらしいが。 鳥取での、食欲と妖怪と好奇心と競争心でいっぱいの子供時代。 マイペースすぎて就職には苦労し、さらにはもっと適性のない軍隊生活。 上官を怒らせたあげくの南方前線送りだったんですね…絶句。 どこかで見かけた、水木しげるの漫画ではビンタシーンに、ビーーーン…(?)という擬音がかかれており、これは紛れもなく、殴られたことのある側に聞こえる音だ、というのを思い出した。 戦争での恐怖の体験は、総員玉砕せよ、で十分味わったのでヒヤヒヤしたが、この本ではわりとアッサリしていた。 空腹、マラリアの恐怖、生き残ったことを責められる理不尽に、爆撃で失った左手の傷を抱えつつも現地のひととのあたたかい交流を心から楽しむ様子が印象的だ。(シンシンという祭りは、有吉佐和子の《女二人のニューギニア》にも出てきたなあ) もはやニューギニアに永住する気でいた、そのほうが多分本人には幸せだったとは思うけど、とりあえず一度帰国して家族と相談してから、とのことで、帰国。結果的に我々は大きな漫画家を失わずにすんだ、かもしれない。 復員後、神戸の水木荘(今の水木通りってめちゃくちゃ大きいところですよ)での謎の住民たちとの交流からの紙芝居業界、貸本業界での並々ならぬ労苦と極貧。 私には、一番読みでのあるところは本書ではここでした。 ヒット作を少し出すも、戦後すぐの出版業界はどこもめちゃくちゃで、編集者側が蒸発したり、病気したりですぐ倒産したり破談したり、原稿料もなかなかまともにもらえず。 あののんびり屋が、左手を失ったひとが、人並みどころが人の何倍も働いて…、それでも貧乏は悪魔のように貼り付いて、なかなか生活は向上しない。 数年前に読んだ、ゲゲゲの女房でも、妻がこのころ、赤ん坊のミルク代が無くなって、もう完全に困窮が極まっていた、と書いてたなあ。 生きるか死ぬか、常にギリギリで行きてきた水木サン。 この辺りで、さいとう・たかを、手塚治虫らの名前がときおり紙面に出るが、おそらくあまりにも違う世界だったのだろうな…。 それでも鬼太郎人気に助けられ、だんだん売れてきて、今度はアシスタントも大量に抱えて、寝る間も惜しんで働く生活へ。 これもまたしんどそう。 アシスタントとしての池上遼一とつげ義春、ちらっと登場する東北弁の銀行員・のちの矢口高雄など、そのあたりの関係が読んでいてとても楽しかった。 ハードワークすぎて倒れそうなところに、かつての上官と再会し、本当に再びのニューギニア訪問。 感動したのもつかのま、その数年後に再訪したらニューギニアにも貨幣経済が迫り、彼らののんびりした生活は変わり果ててしまった。 なんともまあ…。 とにかくも、なんと豊富な人生。 残りの昭和史も楽しみだ。 このひとの世界を母語で読める喜びを思う。

Posted by ブクログ