1,800円以上の注文で送料無料

人間学とは何か 哲学教科書シリーズ
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

人間学とは何か 哲学教科書シリーズ

菅野盾樹(著者)

追加する に追加する

人間学とは何か 哲学教科書シリーズ

定価 ¥2,640

770 定価より1,870円(70%)おトク

獲得ポイント7P

残り1点 ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 産業図書
発売年月日 1999/05/28
JAN 9784782802076

人間学とは何か

¥770

残り1点
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

3

1件のお客様レビュー

レビューを投稿

2011/05/08

M・シェーラーらの哲学的人間学の思想にも言及されているが、著者自身の人間についての考察が中心を占めている。 人間についての経験科学的考察はさまざまな学問領域でなされている。だが、それらによって人間とは何かが完全に明らかになるのだろうか。著者は、人間はみずからを「人間」と自称する...

M・シェーラーらの哲学的人間学の思想にも言及されているが、著者自身の人間についての考察が中心を占めている。 人間についての経験科学的考察はさまざまな学問領域でなされている。だが、それらによって人間とは何かが完全に明らかになるのだろうか。著者は、人間はみずからを「人間」と自称することによって、まさしく「人間」と呼ばれる存在者を創出する発話行為をおこなっているという。そうした仕方で人間は人間自身となることは、単に対象としての「人間」を経験科学的に研究することによっては明らかにできない。著者は、こうした人間の「自覚」に人間学の出発点を置く。つまり「人間学」とは、私たちがこの通り人間としての自覚を持って生きていることの知的表現にほかならないのである。 さて、著者はこの自覚的なあり方をしている人間を探求するに当たって、「自然主義」(naturalism)の立場を標榜する。この「自然主義」はもちろん、経験科学、とりわけ自然科学的探求によってのみ人間とは何かが解明されるという立場ではない。それは、人間についての本質主義的な見方を退けて、人間の本質が私たちによって「生きられている」ということを重視する立場である。このことは、事実と価値の二分法を採らないということを意味する。 とはいえ、著者は事実と価値が渾然一体となって生きられた神秘的な「生命」を押し出す形而上学的主張に与するのではない。反対に、著者は経験科学との「リエゾン」を重視しており、現代の認知科学の成果を参照する必要を訴えている。 著者は現代の認知科学や哲学だけでなく、メルロ=ポンティの哲学にも造詣が深いことで知られるが、本書における著者の探求の姿勢は、メルロ=ポンティのそれに通じるところがあるように思う。ただしそれは、後期のメルロ=ポンティではなく、初期の『行動の構造』を書いたメルロ=ポンティだろう。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品