蝶のかたみ
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蝶のかたみ

福島次郎(著者)

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蝶のかたみ

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商品詳細

内容紹介 内容:蝶のかたみ. バスタオル
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1998/11/30
JAN 9784163181509

蝶のかたみ

¥3,960

商品レビュー

3.4

10件のお客様レビュー

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2026/03/20

表題作の他に「バスタオル」を収録。 中年期を超えた兄弟、というより兄の弟に対する一方的な愛憎や同族嫌悪を描いた「蝶のかたみ」。 教師と生徒の短期間ながら濃密で、だが結局何も生み出さなかった関係を描いた「バスタオル」。 いわゆるBLで描かれるような若々しさ・美しさ・純真さなど...

表題作の他に「バスタオル」を収録。 中年期を超えた兄弟、というより兄の弟に対する一方的な愛憎や同族嫌悪を描いた「蝶のかたみ」。 教師と生徒の短期間ながら濃密で、だが結局何も生み出さなかった関係を描いた「バスタオル」。 いわゆるBLで描かれるような若々しさ・美しさ・純真さなどは皆無。ホモ(ゲイ)であることをひたすらに隠し、同胞としての親しみと異端としての毛嫌いが綯い交ぜとなり、どうしようもなくズルズルと爛れる男どもを描いている。醜く、穢らわしく、惨めで、愚かだ。 読後には体液を顔や体に浴びせかけられたような不快感と、何とも言えない哀切感を抱く。男の、また人間の嫌な部分をこれでもかと味わった。これは作者の空想か、経験を基にした私小説か?

Posted by ブクログ

2025/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「蝶のかたみ」のみ読了 父親の違う兄弟姉妹を生み、育て方に格差をもうけた主人公達の母親は毒親だと思う。主人公は弟と自分の境遇の違いを淡々と描きながら、母親への情を語る描写は少ない。1000万円の保険金の受取人を母親にしたのは、生い立ちなど小説の材料を提供してもらうためだったのではないか。 自分は刑事の息子であるが、弟はヤクザの息子だった。生い立ちの明暗が人生を大きく分けたというのに、字の読めない弟を慮ることもなく真実を告げてしまう主人公の無神経さ。弟を食い物にしたホストの方が雛人形やセックスを与えてくれた分、情があると思う。

Posted by ブクログ

2020/06/17

※ネタバレ※ まずは読みたかった「バスタオル」から読みました。もうまず最初のあたりから墨田の容姿についての形容と彼を見る主人公兵藤の精神描写の熱感が物凄い。すごく情念を感じる。 自身の性的指向を受け入れきれない苦しみと社会の目に雁字搦めにされた自意識のせいで息苦しく送る人生の...

※ネタバレ※ まずは読みたかった「バスタオル」から読みました。もうまず最初のあたりから墨田の容姿についての形容と彼を見る主人公兵藤の精神描写の熱感が物凄い。すごく情念を感じる。 自身の性的指向を受け入れきれない苦しみと社会の目に雁字搦めにされた自意識のせいで息苦しく送る人生の描写、それと対比される、墨田との春のように花ほころぶ精神、みずみずしい青春のようなもの、湿気と熱と精がないまぜになった情交の描写。この二者の落差が本当に最高。 これだけでも本当に素敵なのにあのラスト!!ラストが最高すぎる。水に浸けられた精の染み込んだバスタオルと美しくかわいらしい赤子をそんなふうに対比させる!?異性愛と同性愛をバスタオルと赤子の比喩で語ることによって主人公の中にある自意識を強烈に表現するその感性が本当に本当に大天才だなと思った。この直前に墨田と過ごすかけがえのない時間により生まれ直すことができたとさえ思っていた主人公の存在も相まって本当に大天才すぎる。 初めて福島次郎氏の文章を読んだのですが、情景描写が本当にすごい。脳内に自然と映像が流れてくるほどに滑らかな文章でありながら、美しさや性的に惹かれている部分への描写は非常にねっとりとしていて重みがずっしりとある。終盤の墨田との小旅行の場面なんて全てが輝いて楽しいのだということが文章からキラキラと読み手に飛んでくるようだった。感情や情景を描く最高の作家だと思った。 続いて「蝶のかたみ」 冒頭の大きな感情と光景にガツンと導入されてからは、情感も特にないサバサバとした語り口で物語が綴られていく。バスタオルと違って感情が主体の恋愛小説ではなかったので、へぇーと思いながら文章を読み進めていった。昭和から平成にかけて記されていく主人公と主人公の弟との交流をふーんと思って読み進めていったが、終盤の弟の部屋の描写でまた頭をガツンとやられる。読みやすく端正な文章だと思って読んでいたけれど、情念がこもる場面の描写が段違いにすさまじい。清濁、美醜を生々しく描くその力が最強すぎる。夢とその脆さ、栄光と虚飾、美しい雛壇がゴミ屋敷の一角に配置されていること、それを見て弟は幸福に浸っていたこと…この部屋のシーンが本当に最高だった。 そしてラスト。着るのだろうなと思っていたらやっぱり着るのだ。弟の生き方や人生を否定し受容できず、寄り添おうとしてもどこかで一線を引いてきた弟という存在を、ようやく受け入れられたのだろうと思った。弟のように生きたいとは思ったことのないだろう兄が、弟の残した着物を着たいと思って着る。そこでやっと兄と弟が交差したように思った。 福島次郎最高です。ありがとうございました。

Posted by ブクログ

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