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蝶のかたみ
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蝶のかたみ

福島次郎(著者)

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蝶のかたみ

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商品詳細

内容紹介 内容:蝶のかたみ. バスタオル
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1998/11/30
JAN 9784163181509

蝶のかたみ

¥3,960

商品レビュー

3.6

8件のお客様レビュー

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2020/06/17

※ネタバレ※ まずは読みたかった「バスタオル」から読みました。もうまず最初のあたりから墨田の容姿についての形容と彼を見る主人公兵藤の精神描写の熱感が物凄い。すごく情念を感じる。 自身の性的指向を受け入れきれない苦しみと社会の目に雁字搦めにされた自意識のせいで息苦しく送る人生の...

※ネタバレ※ まずは読みたかった「バスタオル」から読みました。もうまず最初のあたりから墨田の容姿についての形容と彼を見る主人公兵藤の精神描写の熱感が物凄い。すごく情念を感じる。 自身の性的指向を受け入れきれない苦しみと社会の目に雁字搦めにされた自意識のせいで息苦しく送る人生の描写、それと対比される、墨田との春のように花ほころぶ精神、みずみずしい青春のようなもの、湿気と熱と精がないまぜになった情交の描写。この二者の落差が本当に最高。 これだけでも本当に素敵なのにあのラスト!!ラストが最高すぎる。水に浸けられた精の染み込んだバスタオルと美しくかわいらしい赤子をそんなふうに対比させる!?異性愛と同性愛をバスタオルと赤子の比喩で語ることによって主人公の中にある自意識を強烈に表現するその感性が本当に本当に大天才だなと思った。この直前に墨田と過ごすかけがえのない時間により生まれ直すことができたとさえ思っていた主人公の存在も相まって本当に大天才すぎる。 初めて福島次郎氏の文章を読んだのですが、情景描写が本当にすごい。脳内に自然と映像が流れてくるほどに滑らかな文章でありながら、美しさや性的に惹かれている部分への描写は非常にねっとりとしていて重みがずっしりとある。終盤の墨田との小旅行の場面なんて全てが輝いて楽しいのだということが文章からキラキラと読み手に飛んでくるようだった。感情や情景を描く最高の作家だと思った。 続いて「蝶のかたみ」 冒頭の大きな感情と光景にガツンと導入されてからは、情感も特にないサバサバとした語り口で物語が綴られていく。バスタオルと違って感情が主体の恋愛小説ではなかったので、へぇーと思いながら文章を読み進めていった。昭和から平成にかけて記されていく主人公と主人公の弟との交流をふーんと思って読み進めていったが、終盤の弟の部屋の描写でまた頭をガツンとやられる。読みやすく端正な文章だと思って読んでいたけれど、情念がこもる場面の描写が段違いにすさまじい。清濁、美醜を生々しく描くその力が最強すぎる。夢とその脆さ、栄光と虚飾、美しい雛壇がゴミ屋敷の一角に配置されていること、それを見て弟は幸福に浸っていたこと…この部屋のシーンが本当に最高だった。 そしてラスト。着るのだろうなと思っていたらやっぱり着るのだ。弟の生き方や人生を否定し受容できず、寄り添おうとしてもどこかで一線を引いてきた弟という存在を、ようやく受け入れられたのだろうと思った。弟のように生きたいとは思ったことのないだろう兄が、弟の残した着物を着たいと思って着る。そこでやっと兄と弟が交差したように思った。 福島次郎最高です。ありがとうございました。

Posted by ブクログ

2020/01/03

年老いたゲイってホテルビーナス思い出すよな・・・ 同時収録の「バスタオル」、思った以上に同性愛小説しててびっくりした・・・

Posted by ブクログ

2015/10/02

バスタオル、ラスト、純愛〆でいいぢゃん!!なんでラストで自分の気持ちを認めないで、汚いものとするのさ!!時代なのかなぁ。。

Posted by ブクログ

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