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わたしたちが孤児だったころ ハヤカワepi文庫
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わたしたちが孤児だったころ ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロ(著者), 入江真佐子(訳者)

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わたしたちが孤児だったころ ハヤカワepi文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2006/03/31
JAN 9784151200342

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わたしたちが孤児だったころ

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商品レビュー

3.8

133件のお客様レビュー

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2010/05/28

この著者は文章を書く…

この著者は文章を書くのがとても巧妙。すらすらと読めるのに、味わい深く、心に刻まれる場面場面。そして、先の気になるストーリー展開。会社の行き帰りに電車で読み出したら、会社に行くのも家に帰るのもちょっと待った!と思う程、続きが気になってぎりぎりまで本を片手に持ち歩き、各所で開いては閉...

この著者は文章を書くのがとても巧妙。すらすらと読めるのに、味わい深く、心に刻まれる場面場面。そして、先の気になるストーリー展開。会社の行き帰りに電車で読み出したら、会社に行くのも家に帰るのもちょっと待った!と思う程、続きが気になってぎりぎりまで本を片手に持ち歩き、各所で開いては閉じを繰り替えした。

文庫OFF

2026/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イシグロカズオの信頼できない語り手モノは面白いな、と思う。主人公が信じ込んでいる、両親失踪事件の真相が、上海で調査を進めるに連れてぜんぜん思っていたのと違うことが分かっていく。 主人公の語りと、回想によって話があっちこっちに飛ぶ構成がちょっと分かりにくい。これが文学上の手法としての「意識の流れ」ってやつなんだろうな…(イシグロカズオのノーベル賞インタビューで、失われた時を求めてに影響を受けてるって話してたからそういうのを感じる) 舞台になってるのが、第二次世界大戦前後の上海、というのも好きだった。 というか、チャプター4くらいの上海回想編にたどり着くまでが面白く感じられなくて、頑張って耐えて読んだ(イシグロ作品はだいたい、途中まで耐えて読まないと面白いと感じられない傾向がある気がする。日の名残りも二日目夜からが面白くなったし。遠い山並みの〜も最後の最後になってようやく面白いと思えたし) 孤児たち(サラ、クリストファー、ジェニー)が、「あなたはそのままで良いんだよ」と受け入れてもらえる場所を探して足掻く話でもあり、愛を求める普遍的な欲求の話なのかなと思った。 ただ、サラの性格がイマイチ好きになれなかったり、クリストファーが両親を探しに日本軍と中国軍が戦う前線に飛び込んで行く時のくだりで人間性が終わってるというか、発狂してるんですか?って感じのムーブをかましたりとかしてて、読んでてキャラクターに対してストレスを感じるところもしばしば…。 サラの、どうせ結婚するなら何か人類にとって価値がある人として、その人を支えたい、っていうのは、「日の名残り」の執事の美学にもちょっと似通じるところがある。 けどだからと言って、社交界で出会う、自分が「価値がない」と判断した人を露骨に下に見て、状況が変わったと思ったら手のひらクルッと返して擦り寄るところは読んでてイラつくというか…まあこんな人っているよね…。 クリストファーはイギリスで名を挙げた探偵のはずなのに、日本軍と中国軍の戦う前線にある労働者居住区に、何十年も前に行方不明になった両親が生きて幽閉されてると信じて突っ走っていくところ、そんな判断能力で探偵ができるか??と疑いつつ読んでたけど、その辺りの不協和音がなにか伏線になってるわけではなかった。両親が幽閉されてる場所を見つけたんだから、協力して当然って態度でクリストファーが中国軍の将校に迫ったり、軍の防備に使う兵士を自分に貸せと当然のように要求したり、将校の案内で前線の最先端に連れてってもらうことを当然のように要求したり、断られたら相手の能力が低いとなじったりナショナリティを馬鹿にしたりしだすの…怖…。 幼少期の親友アキラを、偶然出会った日本兵と取り違えて、アジア系の顔判断できてないところを露呈させたりしてるのにも、クリストファーの無自覚(または時代柄当然のように内在させている?)なレイシズムを感じる。 クリストファーをそういう人間として描くことに何か意味があったのかもしれないんだけど上手く読み解けず。 クリストファーは上海のイギリス人たちを軽蔑してたけど、クリストファー自身もそういう人達と所詮は同じ、ってことだったのかな。

Posted by ブクログ

2026/02/06

 上海租界で少年時代を過ごしたイギリス人クリストファー。その地には隣家の日本人少年アキラとの楽しい思い出もある。しかし、父親の失踪、それに次ぐ母親の誘拐という事件を経て孤児となり、イギリスの叔母のもとに引き取られることとなる。この少年が、長じて優れた探偵として名を馳せるようになり...

 上海租界で少年時代を過ごしたイギリス人クリストファー。その地には隣家の日本人少年アキラとの楽しい思い出もある。しかし、父親の失踪、それに次ぐ母親の誘拐という事件を経て孤児となり、イギリスの叔母のもとに引き取られることとなる。この少年が、長じて優れた探偵として名を馳せるようになり、満を持して上海に舞い戻り、消えた両親の謎の解明に挑む。  真実を知りたい、という気持ちで読んでいけるミステリー小説のような推進力がありながら、そこで描かれる世界に立ち込める闇は深い。ってその世界とは私たちの住むこの世界である。途中途中、ウィキペディアなどで世界史のおさらいをしながら読み進めた(アヘン戦争、上海租界、日中戦争、国共内戦⋯)。出来事自体は昔のものだが、同じ暴力の構造は今もここにある。  そして、大きな物語を背景にしながらも心のひだの奥にあるものを決して取りこぼさない透徹の視界が、私のカズオ・イシグロ作品の好きなところだ。彼には見えているけれど、すべて書きはしない、という筆の運びにまたしびれる。 ▼連想した他の本 ・王谷晶『ババヤガの夜』 うんざりする暴力(※本書にはバイオレンスシーンはなくて、あくまで私の勝手な読み方による連想です)。ラスボスの本音へのうんざり感。あー、うんざりうんざり。 そのうんざりから、彼女はおりられたのだ、と私は思っている。 ・ギリガン『人間の声で』 (最近こればっかりだが)無視された“女”の声。 それから重要なことは、この物語が“クリストファーの声でしか語られていない”ということ。サラの声を、一度は聞いたクリストファーだったが、聞こえなくなったまま終わっているのだ。私たちはサラの声を聞いたほうがいい、と私は思う。 ・平井杏子『カズオ・イシグロの長崎』 これは著者/作品に対する解釈本なので“連想した本”としては安易過ぎるが、ノスタルジー、子ども時代の記憶、外国、といった軸で彼の作品を捉えていたこの本の解釈は特にこの作品にドンピシャだったのかもしれない。 ▼好きだったセリフ(うろ覚え!) 「トロフィーのようなものが欲しかったけど今は別のものがほしい。私が何をしたかとかどうであるかということと関係なくそこにあって、そこに戻ってこれるもの、例えばいつもそこにある空のような。」 「私には、子ども時代が外国のようには思えないのです。ずっとそこにいて、ようやく今旅立とうとしているところです。」 ▼タイトルについて  わたしたちって、誰と誰だろうか。誰もがそうではないかもしれないけど、意外と私やあなたやあの人もそうかもしれない。拡大解釈し過ぎか。過去形なのは、救いと私は感じた。

Posted by ブクログ