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わたしたちが孤児だったころ ハヤカワepi文庫
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わたしたちが孤児だったころ ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロ(著者), 入江真佐子(訳者)

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わたしたちが孤児だったころ ハヤカワepi文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2006/03/31
JAN 9784151200342

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わたしたちが孤児だったころ

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商品レビュー

3.8

135件のお客様レビュー

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2010/05/28

この著者は文章を書く…

この著者は文章を書くのがとても巧妙。すらすらと読めるのに、味わい深く、心に刻まれる場面場面。そして、先の気になるストーリー展開。会社の行き帰りに電車で読み出したら、会社に行くのも家に帰るのもちょっと待った!と思う程、続きが気になってぎりぎりまで本を片手に持ち歩き、各所で開いては閉...

この著者は文章を書くのがとても巧妙。すらすらと読めるのに、味わい深く、心に刻まれる場面場面。そして、先の気になるストーリー展開。会社の行き帰りに電車で読み出したら、会社に行くのも家に帰るのもちょっと待った!と思う程、続きが気になってぎりぎりまで本を片手に持ち歩き、各所で開いては閉じを繰り替えした。

文庫OFF

2026/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

孤児という、一見ネガティブな題名から、これまで手に取っては来なかったけれど、ロンドンの社交界の逸話から、上海租界での子ども時代の鮮やかな思い出、友情などひかれる内容でついつい先を急いでしまう。そして、父母を捜し回る上海での戦場の場面もまた印象深い。彼のどの時代の話もそれぞれに意味深く歴史に名を残す作家さんなのだと改めて納得できた。

Posted by ブクログ

2026/02/24

『私たちが孤児だったころ』は、探偵小説の形式をまといながら、実際には“記憶”と“喪失”をめぐる静かな内面劇として立ち上がる作品だ。 物語を読み進めるほど、主人公クリストファー・バンクスが追い求めているのは事件の真相ではなく、幼いころに失われた世界そのものなのだと気づく。 記憶の...

『私たちが孤児だったころ』は、探偵小説の形式をまといながら、実際には“記憶”と“喪失”をめぐる静かな内面劇として立ち上がる作品だ。 物語を読み進めるほど、主人公クリストファー・バンクスが追い求めているのは事件の真相ではなく、幼いころに失われた世界そのものなのだと気づく。 記憶の“ずれ”が生む静かな痛み クリストファーは名探偵として語られるが、彼の回想はどこか曖昧で、幼少期の上海は理想化され、現実と記憶の境界はにじんでいる。 この“にじみ”が物語の核心であり、読者は彼の語りをそのまま信じることができない。 家族の影が、沈黙の中で形を変える クリストファーが両親の失踪を追う動機は、探偵としての使命感だろうか、むしろ幼い自分が抱えた喪失の穴を埋めたいという切実な願いに近いのではないか。 しかし彼はその本音を語らず、淡々と“調査”を続ける。会話の隙間や、ふとした沈黙に、それが滲み出てくる。 上海という舞台の“遠さ” 物語後半、クリストファーは再び上海を訪れるが、そこにあるのは彼が求めていた“故郷”ではない、それは戦争に揺れる現実の都市だ。 彼の記憶の中の上海と、目の前の上海の落差、「変わってしまった故郷」の感覚、懐かしさと喪失感が同時に押し寄せ、静かな痛みを残す。 『私たちが孤児だったころ』は、ミステリーの形だが、実際には“記憶の物語”だ。 語られない感情、曖昧な回想、変わりゆく故郷――こうした要素が重なり、イシグロが好きだという小津安二郎の映画が持つ余白の美学に通じる。 派手な謎解きを期待する読者には向かないかもしれないが、静かに心を揺らす物語を求める人には、深い余韻を残すだろう。

Posted by ブクログ