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雲ながれゆく 新装版
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雲ながれゆく 新装版
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商品レビュー
3.9
16件のお客様レビュー
初めは、少し大人の世…
初めは、少し大人の世界から始まりますが、結構読みやすいと思います。最後まで、納得して読めました。
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若くして夫を亡くし子もないため、老舗の銘菓店を夫の弟夫婦にゆずり、彼らを指導し盛り立てようよとする未亡人お歌。しかしこの弟が箸にも棒にもかからないダメな奴。お歌の実家は名立たる料理屋で、後を継いでいる兄は、お歌に戻ってきて店を切り盛りしてほしいと切に願っている。 そんな中、お歌は...
若くして夫を亡くし子もないため、老舗の銘菓店を夫の弟夫婦にゆずり、彼らを指導し盛り立てようよとする未亡人お歌。しかしこの弟が箸にも棒にもかからないダメな奴。お歌の実家は名立たる料理屋で、後を継いでいる兄は、お歌に戻ってきて店を切り盛りしてほしいと切に願っている。 そんな中、お歌は雨宿りをしていた小屋に居合わせた源吾という年齢不詳で得体のしれない男にわけのわからぬ間に犯されて陶酔してしまう。怒りと同時にだんだんと源吾にひかれていくお歌。実は、この源吾は武芸、体術の達人で、お歌が巻き込まれる苦難を助けることに。ハラハラする展開に次々とページを繰ってしまう。 本作を読みながら、「旅路」という作品を思い出した。「旅路」ではかたき討ちの旅に出る未亡人の危機を救う謎のスーパー老人が出てくるのだが、本作の源吾と被る。池波正太郎が己が願望を彼らに投影しているのではと思ってしまう。
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池波作品は『脚本』の様なドラマ仕立てで小気味良く読みやすい。面白くて次々と読み継いでいくと、毎日の生活を送っている様な感覚になる。どうなるか判らない不安や心配、恐怖、喜び、悲しみが湧いてくる。そして何かを伝えられた様な読後感が残る。 池波正太郎さんは『寿命が有る:人の命』よりも...
池波作品は『脚本』の様なドラマ仕立てで小気味良く読みやすい。面白くて次々と読み継いでいくと、毎日の生活を送っている様な感覚になる。どうなるか判らない不安や心配、恐怖、喜び、悲しみが湧いてくる。そして何かを伝えられた様な読後感が残る。 池波正太郎さんは『寿命が有る:人の命』よりも大切な事として『何世代にも渡る人の営みを次世代へ繋ぐ事』と言われていたと読んだ事がある。 そうか、僕達が生きている理由は、日々の生活を送りながら、後進に繋ぎ、かつ社会をより良くする努力をする事なのか。 と、考えながら本作品の主人公『お歌』やその周りの人達の風景をイメージし、読了しました。
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