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葬送 第1部(下) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2005/07/28 |
JAN | 9784101290348 |
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商品レビュー
4
24件のお客様レビュー
「葬送 第一部(下)」平野啓一郎著、新潮文庫、2005.08.01 365p ¥540 C0193 (2023.07.19読了)(2010.10.02購入) ジョルジュ・サンドとその娘、息子、養女、の愛憎劇がこれでもかとばかりに繰り広げられて、ドラクロワやショパンは、ちょっと脇...
「葬送 第一部(下)」平野啓一郎著、新潮文庫、2005.08.01 365p ¥540 C0193 (2023.07.19読了)(2010.10.02購入) ジョルジュ・サンドとその娘、息子、養女、の愛憎劇がこれでもかとばかりに繰り広げられて、ドラクロワやショパンは、ちょっと脇に追いやられている感じです。 別の本で、ある程度は知っている話ではありますが、凄まじいですね。 第二部がまだ残っています。 【目次】(なし) 第一部(下) 十二~三十三 ☆関連図書(既読) 「ショパンとサンド 新版」小沼ますみ著、音楽之友社、2010.05.10 「ショパン奇蹟の一瞬」高樹のぶ子著、PHP研究所、2010.05.10 「愛の妖精」ジョルジュ・サンド著、岩波文庫、1936.09.05 「ショパン」遠山一行著、新潮文庫、1988.07.25 「ドラクロワ」富永惣一著、新潮美術文庫、1975.01.25 「葬送 第一部(上)」平野啓一郎著、新潮文庫、2005.08.01 「ウェブ人間論」梅田望夫・平野啓一郎著、新潮新書、2006.12.20 「三島由紀夫『金閣寺』」平野啓一郎著、NHK出版、2021.05.01 (「BOOK」データベースより)amazon 彫刻家クレザンジェは、ソランジュに求婚し、その母サンドはこれを了承した。病床にあったショパンは、ドラクロワとともに深い危惧を抱く。その彫刻家の軽佻・利己・浪費といった性行を知っていたからだ。事実、彼は二十万フランもの不動産を持参金という名目で略取しようとしていた。そして…。荘重な文体が織りなす人間の愛憎、芸術的思念、そして哲学的思索。感動の第一部完結編。
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親子喧嘩に巻き込まれた感じになったショパン。 体調も悪いだろうにかわいそう。 サンド夫人の言い分もわからないこともないけど、どうしてもショパンの肩を持ってしまう。 どこの世界にも狡猾な詐欺師がいる。今後の展開で、もっと悪いことが起こりませんように。 ドラクロワは、9年の歳月を経て...
親子喧嘩に巻き込まれた感じになったショパン。 体調も悪いだろうにかわいそう。 サンド夫人の言い分もわからないこともないけど、どうしてもショパンの肩を持ってしまう。 どこの世界にも狡猾な詐欺師がいる。今後の展開で、もっと悪いことが起こりませんように。 ドラクロワは、9年の歳月を経てついに図書館の天井画が完成!通常観覧はしてないみたいみたいだけど、死ぬまでに一度見てみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ソランジュとクレザンジェの結婚からサンド夫人との決別に至るまでテンポよく物語が進んでいく。 クレザンジェの策略成功のために奔走する様は彼の感情の浮き沈みも相まって面白かった。 この下巻で気がついたのは以下の3点。 ①ソランジュの許嫁であったプレオーについて、サンド夫人がその「潔さと未練との入り交じった」「誤字だらけの文章を綴って」きた彼を「娘婿に迎えるのはいかにももの足らぬ青年だった」と断じているシーン。フランス人が(日本人でもそうかもしれないが)言語を大切にし、その扱い方によって人を見てその人となりを判断しているということを表した部分だと思った。上流階級に属し、さらに自身が作家であるサンド夫人からすればプレオーの所作は耐えられないものがあったように感じる。 ②ショパンの孤独。自分不在のノアンで結婚が決まり、式まで終えた状態でパリへ帰京したサンド夫人一家に対してサンド夫人の愛人である自分が今回の結婚に対する賛否をいかに表明すべきかと悩む中で深い孤独を味わっている。本音を言えば反対であるが、今まで一番にかわいがってきたソランジュが自ら決めた結婚を受け入れなければ家族とはいえないし、ましてや本来は家族でもない人間なのだから口出しすべきではないということも脳裏に過り葛藤する。家族と部外者の狭間のグレーな関係性であるショパンの板挟まれ具合が辛い。 ③フォルジェ男爵夫人がドラクロワと自分との違いを思うシーン。「これから先の人生」は「まるでただ失うためだけにあるかのようだ」「結局何も残らない」「自分自身ですらやがてはあの永遠の世界へと失われていってしまう」というように、喪失へと向かう人生への不安を吐露しているが、ドラクロワには「芸術があ」り、「自分自身を黄金に煌めく額縁の中に蓄えてゆくことができる」と感じている。 それに対してドラクロワは自らの芸術作品に対して「画家の命を貪ることによってのみ自らの命を獲、彼から奪った時間によってのみ永遠を練り固めながら、決して画家とは運命をともにせぬ何者かであった」と感じている。フォルジェ男爵夫人が失うことへの恐怖を感じているように、ドラクロワも得体の知れぬ存在によって突き動かされ奪われていると感じている。作品を生み出して世に残していると思われていたドラクロワ自身も何者かに収奪されているという点が面白かった。第二部上巻での「天才と趣味」に関するカントの話にもつながる部分であり、この物語の重要な課題であると思った。
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