生きながら火に焼かれて

スアド(著者), 松本百合子(訳者)

• 販売会社／発売会社: ソニーマガジンズ/
• 発売年月日: 2004/04/20
• JAN: 9784789722612

商品レビュー

2025/01/31

名誉殺人のことは知識として知っていたけど、実際そのような文化の中での生活、八方塞がりで、学校にも通えず、洗脳された生活を送る女性たちに胸が痛んだ。そして、生き延びたあとの生活。今までそこまで想像が及んでいなかった。PTSDと鬱、元に戻らない身体と思考。いま、愛する家族と暮らせてよかった。愛する息子とのわだかまりが少しずつ消えてよかった。生き延びても過酷な人生であることを直視させられた。
追記、オリエンタリズムという観点で本書を評価するイスラム教とジェンダーを専門とする教授がいた。いかにイスラム教が怖いかという点が強調され、(実際にフランスでブルカ法？が成立したのはこの本の影響があったそう)宗教的に違和感を感じる点が多々あるそうだ。例えば、嬰児殺しがイスラム教では大変なタブーであるそうだが、この本では何度も登場する。宗教的に敬虔であるならば、そうならないはずでは？とのこと。また、本書の背景としておそらくトランスヨルダンの田舎で、当時はイスラエルと戦争中だったとのこと。このあたりの歴史的事実が彼女の経験にどのような影響を与えたのだろうか？

2024/09/12

何年も前、学生時代に読んだ本ですが壮絶すぎてはっきりと覚えています。学生時代にこのような事実があることを知れて良かった。そして、著者のように発信する勇気を持っている方を尊敬します。

2023/05/12

タイトルと装丁のインパクトに惹かれて読んでみたらすごい本だった。
酷い差別に驚きと嫌悪感を感じた。同時に自分がそこに生きていたらスアドのように逆らわず従うんだろうとも思った。
世界にはまだまだ女性への差別や暴力のある地域があることが悲しい。