生きながら火に焼かれて の商品レビュー
名誉殺人のことは知識として知っていたけど、実際そのような文化の中での生活、八方塞がりで、学校にも通えず、洗脳された生活を送る女性たちに胸が痛んだ。そして、生き延びたあとの生活。今までそこまで想像が及んでいなかった。PTSDと鬱、元に戻らない身体と思考。いま、愛する家族と暮らせてよ...
名誉殺人のことは知識として知っていたけど、実際そのような文化の中での生活、八方塞がりで、学校にも通えず、洗脳された生活を送る女性たちに胸が痛んだ。そして、生き延びたあとの生活。今までそこまで想像が及んでいなかった。PTSDと鬱、元に戻らない身体と思考。いま、愛する家族と暮らせてよかった。愛する息子とのわだかまりが少しずつ消えてよかった。生き延びても過酷な人生であることを直視させられた。
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何年も前、学生時代に読んだ本ですが壮絶すぎてはっきりと覚えています。学生時代にこのような事実があることを知れて良かった。そして、著者のように発信する勇気を持っている方を尊敬します。
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タイトルと装丁のインパクトに惹かれて読んでみたらすごい本だった。 酷い差別に驚きと嫌悪感を感じた。同時に自分がそこに生きていたらスアドのように逆らわず従うんだろうとも思った。 世界にはまだまだ女性への差別や暴力のある地域があることが悲しい。
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壮絶な話でしたが、とても興味深く夢中で読みました。少女時代の環境は周りの人を誰も信用出来ないというくらい酷かったのに、スアドさんがとても愛情深く子育てしていることが簡単には出来ないくらいの凄い事だなと思いました。この事実を告白した彼女の勇気にも尊敬します。多くの人に伝わりますよう...
壮絶な話でしたが、とても興味深く夢中で読みました。少女時代の環境は周りの人を誰も信用出来ないというくらい酷かったのに、スアドさんがとても愛情深く子育てしていることが簡単には出来ないくらいの凄い事だなと思いました。この事実を告白した彼女の勇気にも尊敬します。多くの人に伝わりますように。
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島国には独特の生態系が築かれるというけど、隔たれた僻地には独特の文化が築かれるのかもしれない。それにしたってひどい文化だと感じちゃったな。 でもそれが普通で育ってきた人たちにとっては、それが普通なんだよな。
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信じたくないほど辛い話でした。 女性という性で産まれてきただけで、人権が存在しない。ましてや女児であるだけで、産まれた瞬間母親に窒息死させられなきゃならないなんて… それが、当たり前の世界なんて… 2022年の今もきっと殺されている女性がいるんだと思います。 名誉殺人と...
信じたくないほど辛い話でした。 女性という性で産まれてきただけで、人権が存在しない。ましてや女児であるだけで、産まれた瞬間母親に窒息死させられなきゃならないなんて… それが、当たり前の世界なんて… 2022年の今もきっと殺されている女性がいるんだと思います。 名誉殺人という名のもとにおいて。 スアドさんのように、運良く海外に逃げられても家族が追ってきて殺される方も多いと本で知りました… スアドさんは命を懸け、この本を書いてくれましたがスアドさんが生きていることが知られたら、家族が追ってきて殺されるかもしれません。 この本は生涯記憶に残さなければならない事実を明確に、伝えてくれています。
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「名誉殺人」の経験を語る当事者が珍しいうえに、 何年も前から国際社会でも問題視されている名誉殺人がどうして未だに起きるのか、どうして外部が介入しづらいのか、当事者を救うプロセスまで踏み込んだ本。 出版にあたり過去の出来事を思い出す作業を行った著者の苦しみは計り知れないなと思う。 ...
「名誉殺人」の経験を語る当事者が珍しいうえに、 何年も前から国際社会でも問題視されている名誉殺人がどうして未だに起きるのか、どうして外部が介入しづらいのか、当事者を救うプロセスまで踏み込んだ本。 出版にあたり過去の出来事を思い出す作業を行った著者の苦しみは計り知れないなと思う。 作中に「出現」という女性と子供の保護団体が出てくる。調べたら仏語サイトが出てきて、こうした保護団体が著者をどん底から救ったのは間違いないので本を読むだけでなく、心ばかりの支援でも今から始めようと思う。 個人的には、ただでさえ外部から理解し難い「文化的」価値観のオンパレードを原書から分かりやすい表現且つ柔らかい文体で訳された松本百合子さんの翻訳がとても好きになった。
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この本は類似の「奴隷にされた少女 メンデ」より、つらく悲しいです。 メンデには温かい家族がいたが、スアドは実の家族に殺されかけます、名誉の殺人の名のもとに。 作品を発表した事が命懸けである事はメンデと変わりないですが、スアドは今でも本名をかえ、身元を隠して生きています。イスラム社...
この本は類似の「奴隷にされた少女 メンデ」より、つらく悲しいです。 メンデには温かい家族がいたが、スアドは実の家族に殺されかけます、名誉の殺人の名のもとに。 作品を発表した事が命懸けである事はメンデと変わりないですが、スアドは今でも本名をかえ、身元を隠して生きています。イスラム社会とは、、?最近のアフガニスタン戦争で政権交代し再び女性が不遇な扱いを受けると聞き、また思い起こされた作品です。 作品の文章構成が大人で知的な印象を受けた記憶。
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一部イスラム教圏で伝統的な習慣として残る名誉の殺人の生存者の自叙伝。 想像のつかない世界の話であり、語り口も非常にテンポが良いため一気に読み進められる。 筆者の出身を考えると仕方がないが、解釈にやや視野の狭さは感じ、共感できず焦ったくなる部分もあるが、知見を深めるeducat...
一部イスラム教圏で伝統的な習慣として残る名誉の殺人の生存者の自叙伝。 想像のつかない世界の話であり、語り口も非常にテンポが良いため一気に読み進められる。 筆者の出身を考えると仕方がないが、解釈にやや視野の狭さは感じ、共感できず焦ったくなる部分もあるが、知見を深めるeducationalな本であった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルどおり、生きながら火に焼かれて生き延びた女性の実話。 場所はヨルダン川西岸地域。 著者スアド(仮名)は17歳のときに初めて恋をし、その相手の子どもを身ごもってしまったために、家族から「名誉を汚した」罰として火あぶりにされた。 彼女が生まれた村では、女性は牛や羊以下の存在。学校へ行くなんてもってのほか。 1人で敷地の外から出ることも出来なければ、砂糖粒を1つでもこぼせば父親から皮の鞭で何度も叩かれる。 「家畜より役に立たない」女の子は2,3人ならいてもいいけどそれ以上は要らない。 だから、生まれてすぐ母親自らが窒息死させる。 女性の命は非常に軽い。 家族の名誉を傷つけた彼女は殺されて当然。 しかも、その行為は「殺人」ではなく「名誉」であり、実行犯は「英雄」扱いされる。 村では当たり前の行為で、誰も疑わない。 ヨルダンだけではなく、イラン・イラク・パキスタン・インドでもこの慣習は残っているそう。 これがイスラムの教えとする主張と、イスラムとはイコールではないという主張があって、本当のことはわからないけど、どちらにしても、外国のNGOがどんなに働いても、村の慣習を変えるのは難しいのが現状。 なぜそんなに女性の地位が低いのか?? 女性が虐げられる理由など全く見当たらないし、むしろ、妊娠・出産という女性にしか出来ない生命の神秘をもっともっと尊ぶべきではないのか。女性を蔑む男性は誰のおかげでこの世に生を受けたと思っているのか。全く理解できない。 もっと世界の女性の人権問題に関心を持たなければいけないと強く思う。
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