![敗北を抱きしめて 増補版(上) 第二次大戦後の日本人](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001273/0012731589LL.jpg)
- 中古
- 書籍
- 書籍
- 1216-01-13
敗北を抱きしめて 増補版(上) 第二次大戦後の日本人
![敗北を抱きしめて 増補版(上) 第二次大戦後の日本人](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001273/0012731589LL.jpg)
定価 ¥3,190
1,210円 定価より1,980円(62%)おトク
獲得ポイント11P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
![](https://content.bookoff.co.jp/assets/images/banner/campaign/limited/blank-750-120.png)
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2004/02/02 |
JAN | 9784000244206 |
- 書籍
- 書籍
敗北を抱きしめて 増補版(上)
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
敗北を抱きしめて 増補版(上)
¥1,210
在庫なし
商品レビュー
4.1
40件のお客様レビュー
「「経済敗戦」からの復興に必要な「明るい焼け跡」」2004/8/12 https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51292034.html
Posted by
日本の戦後は、あれだけの悲惨と混乱の最中にありながら、なぜ、無秩序と無縁であったのか?あれだけの激しい戦闘のあとに、なぜ、占領者に対する暴力がまったく発生しなかったのか?どのような事情によって、日本人はあの苦難を乗り越え、多様な創造性を発揮して「やり直す」ことができたのか?戦後日...
日本の戦後は、あれだけの悲惨と混乱の最中にありながら、なぜ、無秩序と無縁であったのか?あれだけの激しい戦闘のあとに、なぜ、占領者に対する暴力がまったく発生しなかったのか?どのような事情によって、日本人はあの苦難を乗り越え、多様な創造性を発揮して「やり直す」ことができたのか?戦後日本では、いったいどんな心理的、制度的、法的な変革、それも重要かつ永続的な変革が起こったのか?戦後初期の「アメリカ」は、今やイラク占領に苦しみながら、グローバルな「自由市場」の帝国を築こうとしている今のアメリカと、どこがどう違っているのか? こういったことを本書で述べているが、戦勝国の歴史書という側面が多分にあり、第三者的視点から書かれているとは決して思わなかった。太平洋戦争などを知るには、山岡荘八の小説太平洋戦争がやはり一番だと思った
Posted by
著者のスタンスはやや左寄りかと思ったが、左にありがちな独善的な説教臭がなく、戦後「何が起きたか」を淡々と丁寧に綴ってある。 吉田茂ら日本の指導層が抱いていた「日本人に民主主義が根付くはずがない」という信念は、必然的に統制された社会(「臣民」の権利は君主の恩寵であり、許容できる範...
著者のスタンスはやや左寄りかと思ったが、左にありがちな独善的な説教臭がなく、戦後「何が起きたか」を淡々と丁寧に綴ってある。 吉田茂ら日本の指導層が抱いていた「日本人に民主主義が根付くはずがない」という信念は、必然的に統制された社会(「臣民」の権利は君主の恩寵であり、許容できる範囲内での異議申し立ても可能)を志向する。(そして日本人もそれをよしとする) 軍備、経済、インフラ、資源を徹底的に破壊された敗戦は、それまで日本人の属性であると「信じ込まされ、宣伝されてきた」全体奉仕的な心性をあっけなく剥ぎ取り、拠り所を失くすと同時に重しから解放された、破壊された人生を嘆き、生きるためにエゴイズムを剥き出し、新しい支配者に諂い、それでも自らの力で立ち上がろうとする「市民」を作り出した。 日本について何の予備知識も持たなかったマッカーサーは、白紙状態に置かれた7千万の市民に民主主義を与える使命を帯びた植民地総督として君臨し、一国家の基本理念を個人の思い付きレベルで決めるという壮大な歴史的実験を開始した。 現実を見ず理念だけを追いかけるリベラルらしく、旧体制の経済的基盤だった財閥を解体したが代わりを用意しなかった経済政策は深刻なインフレと食糧不足を生み、理念よりも生存を優先せざるを得ない市民は、生存権のために「民主主義的」要求を掲げて立ち上がる。(この状況で暴徒化しなかったのは日本人の美点と言ってもよいのかもしれない) しかし、困窮する市民を組織化し、暴力に変えるのは共産党のお家芸であり、残念なことにそこにはコミンテルンからの「命令」が介在していた。日本人が真に日本人の意思で革命を志向していたのであれば、想像を絶する犠牲の上に「民主主義」国家が成立したのかもしれないが、現実は米国の実験に過ぎず、実験である以上、7千万の国民を有するソ連主導の民主主義擬き国家の成立など、可能性レベルでも許容されるはずがない。GHQのゼネスト中止「命令」は、日本が独立した国家ではなく、占領中の植民地にすぎないという現実を革命気分の夢想家に容赦なく突き付けた。 結果は、相変わらず米国の傀儡だが戦前と変わらない支配力を維持した財務省、そこかしこの労働組合に潜伏した活動家、確かに芽吹いた民主主義の信奉者、そして、自ら考えリスクを負って自主的に行動するほど民主主義でもなく、かといって個人を無にして信仰や国家に忠誠を誓うほど全体主義でもない、利己的でシニカルで無気力で熱狂的で優しい「普通の日本人」が残された。
Posted by