物理学者ランダウ スターリン体制への叛逆

佐々木力(訳者), 山本義隆(訳者), 桑野隆(訳者)

• 内容紹介: 内容:総論解説:レフ・ダヴィドヴィチ・ランダウの科学思想とソヴェト政治 佐々木力著. 生の軌跡と学問:レフ・ダヴィドヴィチ・ランダウ(一九〇八-六八) E.M.リフシッツ著. 若き日のランダウ H.カシミール著. ランダウをめぐる若干の回想 ユーリイ・B.ルーメル著. 物理学に志す学生へのランダウの率直な助言 E.M.リフシッツ著. 研究は熱心にやればやるほどよい ランダウ述. 理論物理学のエンサイクロペディア M.I.カガーノフ著. 政治的抵抗の記録:レフ・ランダウの最高機密生活 ゲンナージイ・ゴレーリク著. レフ・ランダウ-獄中の一年. ランダウの戦後政治思想-一九四七-五七年. ランダウをめぐって 山本義隆著. 歴史を逆なでしたランダウ 桑野隆著
• 販売会社／発売会社: みすず書房
• 発売年月日: 2004/12/08
• JAN: 9784622071198

商品レビュー

2014/10/22

ランダウ･リフシッツ「場の古典論」をミーハーで購入して、１ページたりとも読んでいない私にとって、本書はランダウの人間像を知る良き１冊となった。前半は、ランダウの生い立ちから物理の専門的業績などの記述が多く、やはりすごい物理学者だったのだなあ、と漠然と思っていた。ボーア、ハイゼンベルク、シュレディンガー、ディラックなどが第一級の物理学者であり、アインシュタインは二分の一級であるなんていう一文を読むと、やはりミーハーの私はぞくぞくする。しかし、後半に入って様子がおかしいことに気付く。前半でも逮捕歴があるとの記述はあるが、いかほどのものかは不明である。ところが、後半ランダウ自身の証言事実を読むと、そこまでだったのかと驚かされる。時代がそうさせたのか、ランダウ自身の性格なのか。さらには、女性との関係については、さらっとしか記述がないが、なかなか問題が多かったようである。山本氏の訳者あとがきも興味深い。山本氏自身の著作は手を出さずじまいなのだが、一度しっかり読んでみたい。「場の古典論」も数式飛ばし読みでもしてみたくなって、書棚の奥から引っ張り出しておいた。自動車事故についての記述はほとんどなかったように思うが、実際にはどうだったのだろう。ただの事故だったのかどうか。図書館で偶然見つけて読んでみました。

2012/07/27

超自然現象について「恐ろしげな雪男よりも黒猫の影響を信じる方が、より根拠のあることだと思います。というのも猫は現実のものですから。」思わずワロタ。