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冬の犬 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
内容紹介 | 内容:すべてのものに季節がある. 二度目の春. 冬の犬. 完璧なる調和. 鳥が太陽を運んでくるように. 幻影. 島. クリアランス |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2004/01/30 |
JAN | 9784105900373 |
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冬の犬
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冬の犬
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4.5
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冬の季節に、もう一度読もうと決めていた。凛としたマクラウドの文章に相応しい気がして。 もちろん穏やかな関東の冬晴れは、カナダの凍える寒さとは比ぶべくもないのだけれども。 “当時のことについては、はまるで昨日のことのように懐かしく思い出される。それでも自分がどのくらい当時のままの...
冬の季節に、もう一度読もうと決めていた。凛としたマクラウドの文章に相応しい気がして。 もちろん穏やかな関東の冬晴れは、カナダの凍える寒さとは比ぶべくもないのだけれども。 “当時のことについては、はまるで昨日のことのように懐かしく思い出される。それでも自分がどのくらい当時のままの声で話し、どれくらいそれ以降の大人になった声で話すのか、よくわからない。クリスマスは過去と現在の両方が混在する時間であり、この二つはだいたい不完全に混じりあっているからだ。その時点での「現在」に足を踏み入れながら、大抵の場合、後ろを振りかえっているのである。” 『すべのものに季節がある』の冒頭に記されたこの言葉は、クリスマスに限らずマクラウドの短編のすべてに当てはまるだろう。 子供時代の思い出が、祖父母が暮らし父母が受け継いだ土地のにおいと景色が、ゲール語の歌に残る大西洋を隔てた遠いスコットランドハイランドの記憶が、そのすべてがありありと目に浮かび、季節と共に繰り返し繰り返し続いていくように思えながらも、時代は移ろいそのときには二度と戻ることは叶わないことが同時にわかっているー深い喪失の痛みが胸に沁みてくる。 ケープ・ブレトン島を舞台に描かれるのは牧歌的な理想郷ではない。貧しく、過酷な労働の日々を誠実に生きる家族の暮らしだ。 マクラウドは最後の語り部として、遠く離れた愛する故郷と、そこに生きる人々を書き記しておきたかったのだろう。 『クリアランス』で、変わりゆく時代に抗うではなくとも“俺たちは、こんなことになるために生まれてきたんじゃない”と呟き、遠きスコットランドの地で出会った友の言葉を胸に決然と一歩を踏み出す老人に湧き上がる誇り。 『完璧なる調和』で、金のために伝統を曲げた歌でコンサートステージに出ようとする若い荒くれ者たちと向き合い、彼らの中にこそハイランダーの勇猛果敢な祖先の血が流れていると感じる、最後の歌い手の胸に浮かぶ思い。 そして不意に放たれる“あのさ、俺たち、わかってるから。わかってる。みんなちゃんとわかってるから”という、言葉。 一つの時代は幕を下ろすとも、つながっていくものも確かにあるのだ。
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カナダ東部のケープブレント島を舞台にした8編からなる短編集。またすごい本を読んでしまった。今より不便で、伝統や神話がもう少し身近だった時代のお話。動物はペットではなく、仲間であり食料でもあった。「完璧なる調和」の最後の場面でなぜか泣きそうになってしまう。「俺たち、わかってるから。...
カナダ東部のケープブレント島を舞台にした8編からなる短編集。またすごい本を読んでしまった。今より不便で、伝統や神話がもう少し身近だった時代のお話。動物はペットではなく、仲間であり食料でもあった。「完璧なる調和」の最後の場面でなぜか泣きそうになってしまう。「俺たち、わかってるから。わかってる。みんなちゃんとわかってるから」生活のために伝統が薄れていってしまうことがあっても、誇りはそこで輝き続けるのだ。
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カバーの絵が私を惹きつけて離さない。読む前も、読んだ後も。 雪の林の中にたたずむヒトと大きな犬 カナダ、北米大陸の北東のスミのスミのスミッコの島の物語 登場するのは、ヒト、犬、牛、馬、羊、林、島、波、雪、流氷、歌……。 収録された短編八話は独立しており連作ではない。 なのに、...
カバーの絵が私を惹きつけて離さない。読む前も、読んだ後も。 雪の林の中にたたずむヒトと大きな犬 カナダ、北米大陸の北東のスミのスミのスミッコの島の物語 登場するのは、ヒト、犬、牛、馬、羊、林、島、波、雪、流氷、歌……。 収録された短編八話は独立しており連作ではない。 なのに、どれも同じものを感じ、なぜかどれも不思議な魅力でひきこまれてしまう。 スコットランドとの歴史的民族的背景が、この物語たちの性格付けに影響している……と何だか偉そうな私は、読み終わって調べてからの「後付け」。 読んでいる最中より読み終わった後に漂う余韻、これは何だろう。 書かれたことば一つ一つが「強い」から? ……じゃなくて「生きている」? うーん、違うなぁ……そこに「ある」ということ? ただものではない感じは伝わったけど……。 たぶん、再読する。それも頭からではなく、突然に、気に入った個所からの……。
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