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動物と人間の世界認識 イリュージョンなしに世界は見えない
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 2003/12/10 |
JAN | 9784480860682 |
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動物と人間の世界認識
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昆虫たちは彼らの見ている世界を真実と思っているだろう。われわれ人間はわれわれの見ている世界を真実だと思っている。これは昆虫と人間が、それぞれのイリュージョンによって認知しているということだ。われわれに客観的というものは存在しないし、われわれの認知する世界のどれが真実であるか、と問うことは意味がない。ではいったいわれわれは何をしているのだと問われたら、それは何かを探り考えて、新しいイリュージョンを得ることを楽しんでいる、ということに尽きる。
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「世界を構築し、その世界の中で生きていくということは、そのような知覚的な枠のもとに構築される環世界、その中で生き、その環世界を見、それに対応しながら動くということであって、それがすなわち生きているということである。そして彼ら(モンシロチョウ)は、何万年、何十万年もそうやって生きて...
「世界を構築し、その世界の中で生きていくということは、そのような知覚的な枠のもとに構築される環世界、その中で生き、その環世界を見、それに対応しながら動くということであって、それがすなわち生きているということである。そして彼ら(モンシロチョウ)は、何万年、何十万年もそうやって生きてきた。人間はまた全然別の環世界をつくって、その中でずっと生きてきた。環境というもとは、そのような非常にたくさんの世界が重なりあったものだということになる。それぞれの動物主体は、自分たちの世界を構築しないでは生きていけないのである。」
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Tue, 10 Jul 2007 ヤコブ・フォン・ユクスキュルという1930年代くらいの生物学者が 生物記号論というものを考えました. 生物学の一つの方向性として,「生物にとっての世界」というものを考えようという話です. 博物的な生物学といわれれば,そうなんですが, 現代の分子...
Tue, 10 Jul 2007 ヤコブ・フォン・ユクスキュルという1930年代くらいの生物学者が 生物記号論というものを考えました. 生物学の一つの方向性として,「生物にとっての世界」というものを考えようという話です. 博物的な生物学といわれれば,そうなんですが, 現代の分子生物学の「解体」の立場とは,大分ちがう進み方ですね. ダニにとっての世界とはどんなか? 猫にとっての世界とはどんなか? 意外と,面白い発見があって,楽しいのです. 生態学と共通したものをもっているんですが,ものの見方は人間の現象学などとも 通じるセンスがあり,動物の認識を考えることで,人間の認識についても相対的な視点で 再評価しようという意味もあったのだとおもいます. こういう見方をすると,ほんとに,生物にとっての世界の中で 物理的には近接した領域に住んでいても,「まるで関係ない」種同士が直交した世界の中で いきていくという,生態学の一つの姿が見えてくるし,進化の中の多様性を理解する上でも なんとなく豊かな視点に気付かせてくれる気がします. 本著者の日高氏はユクスキュルの 生物から見た世界 (岩波文庫) を訳出された方で, その人が,自著でもいろいろ書いておられるのを知り,ちょっと読んでみました. まあ,「生物から見た世界」の焼き直しといったところですが, 後半にかけては,ユクスキュルの環世界概念を,勝手に<文化依存の物の見方>とか 「人によって視点て違うよね~」という,非常にザクッとした話におとしこんでしまっていて, なんか,議論のエキサイティングさが醒めてしまう観がありました.
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