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新編 東洋的な見方 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1997/04/18 |
JAN | 9784003332320 |
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新編 東洋的な見方
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商品レビュー
3.9
20件のお客様レビュー
本書のエッセイでは西…
本書のエッセイでは西洋文明に対する批判と東洋思想の中にそれを乗り越えるものがあるとする鈴木大拙の主張が解りやすく述べられています。この主張には疑問を感じますが東洋思想入門としては良いかも知れません。
文庫OFF
メモ→https://x.com/nobushiromasaki/status/1841252557362258193
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本屋で目に付き深く考えずに購入しました。本書は鈴木大拙氏が最晩年に書いたエッセイ集ということで、短い論考がたくさん集まっていますが、最晩年に書かれたこともあって、著者の思想の集大成とも言える本でした。そして非常に示唆に富む興味深い本でした。禅だけではなく老子、孔子なども参照しなが...
本屋で目に付き深く考えずに購入しました。本書は鈴木大拙氏が最晩年に書いたエッセイ集ということで、短い論考がたくさん集まっていますが、最晩年に書かれたこともあって、著者の思想の集大成とも言える本でした。そして非常に示唆に富む興味深い本でした。禅だけではなく老子、孔子なども参照しながら、さらにキリスト教や欧米の詩人、作家などにも言及しつつ、「東洋的な見方」とは何かについて論じています。 本書でたびたび登場する最も重要な主張は、「東洋は分別される前の未分の状態に関心が高いのに対して、西洋は分別すること、分別された後のことに関心が高い」というものでしょう。私はこの言葉を読んで、人間における受精卵とそれが分化した内胚葉(消化器系)、外肺葉(神経系、感覚器)、中胚葉(筋肉、骨、血液)のイメージを持ちました。前者が「未分」の状態で、後者が「分別」された状態だからです。あるいは物理学の量子でたとえると、「量子重ね合わせ」の状態が「未分」で、0か1かに確定した状態が「分別」された状態とも言える気がしました。 そして西洋が得意な「分別」は、対立や紛争を引き起こす元であると同時に、科学を発展させてきた存在でもあるわけです。そして著者曰く、未分と分別どちらか一つだけではダメだというわけです。つまり、分別だけだと、どこまでも細分化していったところで解決できず、最後は精神病に陥る(これが西洋起源の近代社会の病気の源)。逆に東洋のように未分のままだけだと論理も合理性もない感情論的な議論に陥るからです。つまり理想は「分別しつつ分別するな」ということになります。逆に言えば、未分であることを体解しつつ分別するならよい、ということで、禅および仏教全般に話が及ぶわけです。 仏教には無と有、自力と他力、色と空など一見すると分別したかのような概念が登場しますが、般若心経でも繰り返し述べられているように、実は二分されていない絶対的な(未分の)無や空があるというわけです。色と空という二分を超越した絶対的な「空」で、著者はこの空の定義を「ゼロ=無限大」と呼びます。これは弁証法によるジンテーゼ=統合とも違います。そもそも分別されていない未分の状態を指しているからです。私自身は、この「ゼロ=無限大」を理解するにあたっては、著者が本書で解説する「如今鑑覚(にょこんかんがく)」という言葉が役に立ちました。この言葉は、「いま=ここ」という瞬間が無限の可能性を秘めていること、つまり空だが無限の可能性を秘めているというわけです。 そして著者は、西洋的な分別一辺倒の世界に明るい未来はない、そこに東洋的な思想を注入していくことで、よりより未来が開けていく、それに日本人は貢献していってほしいと願いを込めておられました。本書の中には難しいエッセイも含まれていますが、かなりやさしく書かれているものも多数ありますので、多くの日本人の目に触れてほしい本だと思いました。
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