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マノン・レスコー 岩波文庫
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マノン・レスコー 岩波文庫

アベ・プレヴォ(著者), 河盛好蔵(訳者)

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マノン・レスコー 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 2007/04/01
JAN 9784003251911

マノン・レスコー

¥330

商品レビュー

3.4

21件のお客様レビュー

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2010/05/28

青年がマノンを葬ると…

青年がマノンを葬るとき、どれだけの苦しみが彼を苛んだだろう。またおめおめと生き永らえたことは彼にどれだけの苦悩を強いたのか。想像し難い。

文庫OFF

2025/03/16

娼婦という現実的な市民生活と、由緒のある家をでた聖職者を目指すものが、いわゆる“愛”という心の鎖でつながれる。 第三身分と第二身分という明確な差もあっただろう当時、この物語はどうなるのか読まれただろうか。 淫らな女性に振り回される不幸な男の物語としてか、それとも神の愛にも匹敵す...

娼婦という現実的な市民生活と、由緒のある家をでた聖職者を目指すものが、いわゆる“愛”という心の鎖でつながれる。 第三身分と第二身分という明確な差もあっただろう当時、この物語はどうなるのか読まれただろうか。 淫らな女性に振り回される不幸な男の物語としてか、それとも神の愛にも匹敵する清らかな男女の愛(心)を見出したか(またしても神は無口で残酷だが)。 それはわからない。 ただ、現実的な世界の中で、心の自由を求めようとする物語は、時代は変われどこれから先も紡がれていくんだろうと思う。

Posted by ブクログ

2024/12/15

古本市で岩波文庫赤版をまとめ買い。その中からのレビュー第1弾。 私は文学史を詳しく学んだわけではないが、マノン・レスコーが出版された18世紀より前は欧州の文学ではキリスト教の教義に沿った道徳的で禁欲的な人物像が目指されていたのではないか。また一方で日本の文学では、義理と人情との...

古本市で岩波文庫赤版をまとめ買い。その中からのレビュー第1弾。 私は文学史を詳しく学んだわけではないが、マノン・レスコーが出版された18世紀より前は欧州の文学ではキリスト教の教義に沿った道徳的で禁欲的な人物像が目指されていたのではないか。また一方で日本の文学では、義理と人情との葛藤や、それらに対する人々の心の機微が文学で描かれるようになった時期だと思う。どちらも現代の視点から見れば、当時の文学の命題とは、いわゆる「正しい人間像」を目指していたように思われる。 ところがそのような時代にプレヴォは「マノン・レスコー」を世に出した。現代に生きる私たちがこの本を読むにあたっては、まず時代背景を念頭に置かないとこの本のもつ真の面白さはつかめない。なぜかと言うと、この本で描かれるマノン・レスコーという女性も、シュヴァリエ・デ・グリューという男性も、当時の文学における登場人物の常識では捉えきれない人物像だからだ。つまり道徳的であると同時に欲望的という矛盾する人間性を併せ持ち、それこそが人間存在の真実の姿であるという、現在では当たり前の感のある人物描写を世界で最初に書き得た作家こそがプレヴォだと言えるのではないか。さらに言えば、プレヴォこそが初めて「正しくない人間像」の描写が人間真実の描写であり文学の本道であると明示し、フランス文学をはじめ文学の近代化への道筋を開いたということだ。 だからマノンやシュヴァリエについて、現代的な道徳を当てはめ、2人の行状の“粗探し”をするのだけは避けねばならない。一般的に私たちが小説を読む大きな理由は、現実世界では表し切れない人間存在の真実を、仮想世界である小説の中から読み取れるからである。勘のいい読者ならば、2人に関する描写から、まるで読者である自分の過去の心情をトレースしたのではと思えるような描写に出会えて、驚きを生じるだろう。 なお、世の男性読者はマノンに恋する感情が湧き上がらなくても別に問題はないし、このような女性はちょっと…と躊躇する男性のほうが実際は多いだろう。しかしあるとき“マノン的”な女性に出会ってしまう可能性はないと断言できるだろうか。想定外の恋に落ちたときにどう考えどう行動すればよいか。いくら現代社会が技術的に当時より発達したと言っても、マニュアルやネットをいくら探しても自分にぴったり合う解答なんてまず見つからないし、もし男性が恋に落ちたとして、いくらマニュアルがあってもそんなものなんか無視して猪突猛進し最悪の状況に陥るのはありふれた話だ。 私も“失敗したことのない人間なんて存在しない”というのは身に染みてわかっている。でも私を含めて世の多くの人は具体的な困難に突き当たると我を失い失敗をより深くしてしまうもの。だが数世紀の歴史の流れに耐えて今も読み継がれる本作を読むことで、多くの男性にとって(もちろん女性にとっても)、人類が生きる上で避けえないそれらの失敗に関してのサジェスチョンとなる何かを得られる、と私は考える。

Posted by ブクログ