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コンクリート・アイランド
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 太田出版 |
発売年月日 | 2003/09/12 |
JAN | 9784872337723 |
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コンクリート・アイランド
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原著は1973年。 1970年代に発表された長編《テクノロジー三部作》の 一つだが、他二作『クラッシュ』『ハイ‐ライズ』とは 手触りの異なる奇妙な小説。 作者自身の交通事故の体験が反映されているという。 建築家ロバート・メイトランド(35歳)は ロンドン中心部のウェストウェイ・...
原著は1973年。 1970年代に発表された長編《テクノロジー三部作》の 一つだが、他二作『クラッシュ』『ハイ‐ライズ』とは 手触りの異なる奇妙な小説。 作者自身の交通事故の体験が反映されているという。 建築家ロバート・メイトランド(35歳)は ロンドン中心部のウェストウェイ・インターチェンジ 高速出口車線を運転していて制限速度をオーバー。 愛車ジャガーの左前輪が破裂し、彼は車もろとも吹っ飛ばされ、 防護壁を突き抜けて築堤の裾に転落した。 そこは雑草まみれの、あたかも川の中州のような、 道路網の中の三角形の小島に似た場所だった。 ケガの痛みに苦悶しながら 脱出のために試行錯誤するロバートだったが――。 SFというよりは異常事態の中での出会いと別れを描いた 不条理幻想文学の趣き。 時代からして携帯電話がなかったのは致し方ないが、 ロバートの車に 自動車電話(英国では1959年に手動交換式のサービスが開始された由) があれば、すぐに救援を求めることが出来、 大事に至らないはずだった……という “テクノロジー”の問題に即、気が回ってしまって、 素直に物語を愉しめなかった。 電話はあったが事故の衝撃で故障して使えなかった というエクスキューズがあれば説得力が増したかも。 問題は、家族・仕事の関係者・愛人らが、 こぞってロバートの不在を怪しみ、 心配して警察に捜索願を出せば、 短時日で解決したかもしれない事件であるにもかかわらず、 何故か誰も思い切ったアクションを起こした形跡がなく、 事態が放置されたこと。 彼自身も「自分がいなくても皆の日常が回っている証拠だ」と 諦めに似た感懐を抱く。 そこで連想したのが(こちらの方が後発だが) 一人の人間が不本意ながら 世の中の動きから取り零され、名前を失った誰でもない者に 変容していく、ポール・オースターの初期作品 『シティ・オブ・グラス[ガラスの街]』(1985年)。 社会から切り離されて 孤絶するかもしれない恐怖に囚われた経験のある読者だけが 真にこの作品の怖さを理解できるのかもしれない。 ところで、本文冒頭で 「1973年4月22日の午後3時少し過ぎ」と、 事件発生日時を明示しているが、 主人公が仕事を早く切り上げ、 学校が引けた一人息子を迎えに行くというのだけれども、 1973年4月22日は日曜日ではないか。 彼は第8章で「4月24日……土曜日だ!」と 心の中で叫んでいるので、22日は木曜だった計算。 作者の誤認か、いや、 承知でわざとズラしたのではないかと勘繰りたくなる。 だとすれば、 これは最初から「そんなことあるワケないやん」と 鼻歌でも歌いながら書かれたファンタジーだったのだろうか……。
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事故を起こした男が高速道路に囲まれた「島」からの脱出を目指す。SF作家の小説だが内容はSFではなく舞台は現代。70年代に発表された小説。 どこか暗喩的な男の境遇は安部公房の「砂の女」を彷彿とさせる。ただ、それに比べて哲学的な味が薄い。著者の言いたいことは分かるのだが、ストーリ...
事故を起こした男が高速道路に囲まれた「島」からの脱出を目指す。SF作家の小説だが内容はSFではなく舞台は現代。70年代に発表された小説。 どこか暗喩的な男の境遇は安部公房の「砂の女」を彷彿とさせる。ただ、それに比べて哲学的な味が薄い。著者の言いたいことは分かるのだが、ストーリーとうまく溶け込んでいないので説得力に欠ける。また、文章から情景が想像しにくい。訳文のせいかもしれないが、文学的に書こうとして空回っているし(例えば比喩表現)、工学系のよく分からない用語が突如出てくる(SF作家の癖なのだろうか)。それにストーリーの前半部分が冗長すぎる。むしろ、他の二人に遭遇してからの後半部分をもっと詳しく読んでみたかった。そうでないなら、同じ設定で短編にしたら面白いと思う。 本文より30Pくらいある解説(ニューウェーブSFなどについて)の方が興味深かった。
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立体交差高速道路の巡間に落ちた男の話。周りをコンクリートの断崖で阻まれた文明の隙間とも思われる一地帯。謎の浮浪者。思い出すのは妻の浮気の事ばかり。J.G.バラードの長編で初めて読みとおせた作品。高架線のフェンスで囲まれた草茫々な一区画を見る度に嫌な気分になる
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