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悪魔とプリン嬢
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川書店 |
| 発売年月日 | 2002/09/30 |
| JAN | 9784048972024 |
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悪魔とプリン嬢
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商品レビュー
3.8
14件のお客様レビュー
(ジュリエッタ・グィチアルディ) 「神は一日でアダムをお造りになりましたよ」 (ベートーヴェン) 「その成れの果てが、君と私なのだからね、お嬢さん」 (p11「ピアニストを台所に入れるな」より 森 雅裕『ベートーヴェンな憂鬱症』所収) なれの果てとはいえ、ヨブの扱いは、あんまり...
(ジュリエッタ・グィチアルディ) 「神は一日でアダムをお造りになりましたよ」 (ベートーヴェン) 「その成れの果てが、君と私なのだからね、お嬢さん」 (p11「ピアニストを台所に入れるな」より 森 雅裕『ベートーヴェンな憂鬱症』所収) なれの果てとはいえ、ヨブの扱いは、あんまりだ。 これが、旧約聖書を読んだ私の、喉に刺さった骨だった。 神を畏れ、悪を避けてきたヨブは、 たまたま神が名を挙げたために、「人がいついかなる時でも 信仰を持ち続けられるか否か」を試す対象に選ばれてしまう。 財産も家族も、健康さえも奪われたヨブは、健気にもこの試練に耐え続けるが、「何もないのに神が試練を与えるわけがない。」という友人の一言にキレてしまい、ついにこう言う。 「私が話しかけたいのは全能者なのだ。私は神に向かって申し立てたい。」 で、これに対する神は、まともに答えていない。それどころか、 頭から叱りつけているようにしか思えない。 まあ、まともに答えられないのも、当然と言えば当然だ。 たまたまサンプルに選びました、なんて言える わけがない。 そもそも神は、なぜ賭けを、きっぱりとはねつけなかったのか。 自らの一部から作られた人間の心を、信じていなかったと いう事か、それとも信じられなかったのは、人間の原型で ある方か? はねつけなかった賭けのツケが、人間にまわされ、故に人は善と悪の間を常に行き来する存在となってしまった、との説は、こじつけだろうか。 神だってやったのだ。なれの果てが同じ事をやったからと 言って、誰が責められよう。 かくて、神の成れのはての一人によって、 「眠ったまま死にゆくような」と形容される 山間の平和な田舎町ヴィスコスは、 アトランダムに、あるサンプルに選ばれる。 「条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」という 考えにとりつかれた男が、酒場で働くプリン嬢に提案する。 「7日間のうちに人が一人殺されれば黄金をあげよう。」 しかしプリン嬢が悶々とこの申し出を言い出せないままに、 残り時間は3日になる。 狼伝説、聖者伝説の残る村自体は、メルヘンやファンタジーに登場 する舞台装置なのに、そこに住まう人々の考え方は、とても現実主義的だ。 「罪を犯した事のない者だけが、この女に石を投げることができる」と いう言葉があるが、いずれも石を投げる事ができない人達ばかり。 ひとかけらの悪心も持っていないように見えた老婆すら、亡き夫と 別の女性に対する嫉妬を拭えない。 だから、メルヘンやファンタジーならば、 お定まりである人間性の信頼や正義が、問題解決のお題目に なろうはずがない。 寓話というには、あまりに現代的な、この物語は、 とても面白い。人に紹介したい。けれどそこで、はたと困った。 果たしてこれを人に勧める時、私は 人間を信じている側として勧めるのか、それとも 人間を信じてない側として勧めるのか? そうしてうんうん迷っている間に、7日間が過ぎてしまった。 もしかしたら私も、知らぬうちにある賭けに負けたのではないか。 そう気づいた時から、私は、後ろを向くのが恐くてたまらない。
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「条件さえ整えば地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」 田舎町ヴィスコスを訪れた旅人が、バーで働くプリン嬢にある計画を打ち明ける。1週間以内に町の誰かひとりの死と引き換えに、住人全員が生活をなすだけの金の地金を与える。そしてそれを住人に伝えるのはプリン嬢の役目だと言うのだった...
「条件さえ整えば地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」 田舎町ヴィスコスを訪れた旅人が、バーで働くプリン嬢にある計画を打ち明ける。1週間以内に町の誰かひとりの死と引き換えに、住人全員が生活をなすだけの金の地金を与える。そしてそれを住人に伝えるのはプリン嬢の役目だと言うのだった。 善と悪の葛藤。悪魔の誘惑、天使の加護。娘と旅人の心理戦であり、町の住人全員の心理戦であり、自分と自分の心理戦である。そこに宗教に身を投じてきた神父の想いや、夫を亡くした後町を見守ってきた老婆の想いや、権力にしがみつく町長の想いなどが絡み合います。 テーマは単純明快。だからこそひとりひとりの想いが重くのしかかってきます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
人の本質は善であろうか?それとも悪であろうか?平易な文章で書かれており理解しやすく、読者に対して鋭く突き付けられてくる骨が喉元に刺さり最後まで飽きずに読ませてしまう。静かで、落ち着いた作品でありながら力強さが感じられる。 善良な市民が暮らしている田舎町。それは遙か遠くの外国でありながら、日本の風景にも近似した、まさしく「ありがちな町」。そんな町に一人の男が、殺人という悪を行うことができたならば町にとって過大すぎる金を与えようと賭けを持ち出す。 不幸にも男の手伝いをすることになったプリン嬢は自分が殺されるのか、それとも金を盗み出して逃げる伸びるのか善と悪の岐路に立たされる。 ラストがハッピーエンドに思えるのは、作者の生来的な性格によるものだろうか。 個人的には善と悪の結論がはっきりとしていない。そう思わせられるもので納得ができない部分もあるが、十分なカタルシスが得られたことも間違いない。
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