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氷島の漁夫 岩波文庫
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氷島の漁夫 岩波文庫

ピエール・ロティ(著者), 吉氷清(訳者)

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氷島の漁夫 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 2002/06/17
JAN 9784003254615

氷島の漁夫

¥220

商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2025/05/03

岩波文庫って表紙にあらすじ書いてるから、そこまず読むと思うんだけど、あれ?結末が書かれている⁈ ということでこの本はストーリー以上に楽しむものがあるのだろうと思いながら読み進めた。 アイスランド系漁夫のヤンと、その妻になるゴードと、海の物語。 前半は2人の出会いから結婚するまで...

岩波文庫って表紙にあらすじ書いてるから、そこまず読むと思うんだけど、あれ?結末が書かれている⁈ ということでこの本はストーリー以上に楽しむものがあるのだろうと思いながら読み進めた。 アイスランド系漁夫のヤンと、その妻になるゴードと、海の物語。 前半は2人の出会いから結婚するまでのもどかしい期間。庶民の生活や大海原の描写がメインで入ってくる。 この作家さんは、印象派の絵画を思わせる文章が特徴らしい。なるほど確かに自然の描写と、人間も自然の一部と捉えるような文章が続く。会話が少ないのでテンポよく読める感じではないけど、読み応えがあった。 後半は打って変わって、甘々ロマンスパートを挟んで、最初に知ってしまった結末に向かう。 絵画のことは詳しくないけれど、やっぱり自然の描写が素晴らしいね。すごくイメージしやすかった。 王道の古典。

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2025/01/28

氷島とは文字通りアイスランドのことで、フランスの北洋漁業基地に住むアイスランド系漁師の物語。なんだか厳しく冷たく薄暗い話かなと思って読んだら全然違ってた。純朴でイケメン漁師と大らかで美しい女性の物語。なにしろ海の描写が素晴らしい。一面の霧に包まれた海の描写や、凪いだ海面の下を無数...

氷島とは文字通りアイスランドのことで、フランスの北洋漁業基地に住むアイスランド系漁師の物語。なんだか厳しく冷たく薄暗い話かなと思って読んだら全然違ってた。純朴でイケメン漁師と大らかで美しい女性の物語。なにしろ海の描写が素晴らしい。一面の霧に包まれた海の描写や、凪いだ海面の下を無数の鱈の群れが過ぎていく光景など、どれも実際に見た者でしか描写し得ない光景が素晴らしい文章で綴られます。これは原文もいいのでしょうが訳文が素晴らしいからなのでしょう。でも優しさに満ち溢れている文章であるとはいえ決して甘々ではありません。厳しい現実をもった愛なのでしょうねぇ。胸に沁みます。これから何度も読み返すことになるのだと思います。傑作!

Posted by ブクログ

2022/12/01

 1886年作。  ピエール・ロチ/ロティ/ロッチの名は、永井荷風の書いたものの中でも目にしたし、確か他の明治-大正期頃の日本の作家の文章の中でも見かけた。  ゾラ以降の「自然主義派」とは異なる系譜の作家として、当時注目を浴びていたようだ。ウィキペディアの記事を読むと、日本では結...

 1886年作。  ピエール・ロチ/ロティ/ロッチの名は、永井荷風の書いたものの中でも目にしたし、確か他の明治-大正期頃の日本の作家の文章の中でも見かけた。  ゾラ以降の「自然主義派」とは異なる系譜の作家として、当時注目を浴びていたようだ。ウィキペディアの記事を読むと、日本では結構いろいろ翻訳されてきたようだが、現在新刊本として入手できる作品はごく少ない。本書も、中古で購入した。  どうも風景描写を得意とした作家らしく、読んでいると特に海の描写が克明である。が、かなり頻繁に海も風も擬人化表現につきまとわれる。擬人化によって、恐らく、<特定の意味あるもの>として風景は<自己>の同一化の磁場へと取り込まれ、わが主体の大きなロマンティシズム、際だった情感を伴った文学-体が実現されるのだろう。  本作ではようやく結び付いてアツアツな新婚さんになった男女が、海によって引き裂かれるという悲恋物語で、その構造や情感はシンプルなものである。まずもって「ロマン主義」の範疇に入ると言えそうだ。  フランスから帰国したてで文壇で仏現代文学の潮流を紹介する役目を求められたらしい荷風も、「仏蘭西現代の作家」という1909(明治42)年の小文でロチをそのような作家として書いている。 <ピエールロッチは海軍の士官であって、世界各国に漫遊した旅行の感想をば、三十巻余の小説に現した。・・・(中略)・・・ロッチは写実家であるけれども、モーパッサンが試みたような、曝露された真実の無惨なるに堪え得ない処から、作中の人物をも人間としてよりは寧ろ、美しい自然の一部分としてのみ描いて居る事がある。ロッチはゾラの如く観察して解剖する人ではなく、深く感じた其のままを描く人である。>(岩波書店『荷風全集』第6巻P.317)  その後、この作家は本国ではどんな評価に落ち着いたのだろうか。文学史上はさほど重要な存在とされていないように思うけれども。

Posted by ブクログ