- 中古
- 店舗受取可
- 書籍
- 書籍
- 1203-03-00
シドニー! Sydney!
定価 ¥1,780
220円 定価より1,560円(87%)おトク
獲得ポイント2P
残り1点 ご注文はお早めに
発送時期 1~5日以内に発送
店舗受取サービス対応商品【送料無料】
店舗受取なら1点でも送料無料!
店着予定:1/5(月)~1/10(土)
店舗到着予定:1/5(月)~1/10(土)
店舗受取目安:1/5(月)~1/10(土)
店舗到着予定
1/5(月)~1/10
店舗受取サービス対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
店舗到着予定
1/5(月)~1/10(土)
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
| 発売年月日 | 2001/01/20 |
| JAN | 9784163569406 |

店舗受取サービス
対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる
店舗到着予定
1/5(月)~1/10(土)
- 書籍
- 書籍
シドニー!
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
シドニー!
¥220
残り1点
ご注文はお早めに
商品レビュー
4.1
31件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分が村上春樹を読むようになったのは、2007年10月に上梓された『走ることを語るときに僕が語ること』を読んで以降だ。いや、正直に言うと、『ノルウェーの森』が話題になったとき(1987年)、大学の生協に平積みされていた赤と緑の上下巻を買って読んではいる。が、まったく理解できず、刺さりもせず、「こりゃ駄目だ」と思ってから幾星霜。 なので、2001年の本書は、まったくもって、その存在すら知らない一冊だった。 知人が、冒頭の有森裕子のアトランタ五輪の走りを記した短編を読んでみて、と薦めてくれて手に取ってみたもの。 昔の、嫁さんのウルトラレース参加の様子をレースレポ風に短い話にしたのを読んでもらったので、その校正、推敲の参考になれば、ということだ。 たしかにレース中の心情、ライバルとのかけひき、コース状況などは、本人にもしっかり取材したからだろう、克明に描かれていて読み応えはあった。参考にさせてもらおう。 ただ、村上春樹をもってしても、文中の主体のブレ、主観と客観の不統一を、やらかすのだと驚きもした。 有森裕子の走りを、著者が客観的に描写していると思って読んでいたら、突然、有森裕子の視点、心情が飛び込んでくるのだ。 「こうなったらあの先頭ランナーのことは忘れるしかない。彼女はそう思う。相手が先の方で疲れて落ちてくるものならもちろんそれでオーケー、落ちないでそのままトップを突っ走るのなら、それも仕方ない。私にできるのは、べつのところで自分のレースを組み立てていくことだけだ。」 前半は、有森を見つめる著者が書いているが、最後の一文は、有森の独白だ。一瞬、あれ? 春樹もこのレース参加してた? 有森のレース戦略と、別のところで自分のレースの話? と、とまどった。 あの先頭ランナーというのは、ファツマ・ロバ。アトランタ五輪で彗星のごとく ―という表現はあまりにも陳腐だが― 登場して優勝をかっさらっていたエチオピアの選手だ。その登場、その後の活躍は、よく覚えている。ボストンでは、ことのほか強かったのが印象深い。 そのロバについて、以下のクダリもある。 「ロバは実績の知れない無名のランナーだ。私たちのクラブのメンバーではない。」 「ロバの存在は忘れよう、と彼女は思った。そして忘れた。」 前者は、当時のトップランナーたちを代表した有森の心情だ。そして後者は、それを見ていた著者の目線からの表現だ。 うーん、これ、村上春樹が書くから許されるんだろうなあ。素人が、こんな文章を残したら、あっという間に指摘、糾弾されてしまうよ(苦笑) まぁ、そんなこんなで、冒頭のショートストーリーはともかくとして、中身は雑誌『ナンバー』の取材を兼ねたお気楽なシドニー五輪観戦記だ。朝目覚めて、朝食の前だか後だか、ホテルの周辺を小一時間走って、原稿を書いては競技を観戦する日々が綴られる。なんとも羨ましい。 随所に、村上春樹らしい、関係代名詞で後から繋ぐような形容、思わぬ比喩(寒い日を、魔女の心のように冷たい日曜日、とは、私は書けないなあ)、遠慮がちな言い訳をさらりとひと言つけ加えるなど、あぁ、あるあると、久しぶりに読むと懐かしさも覚える。 シドニー日誌と題した部分、その一部がおそらく『ナンバー』に掲載されたのだろう。 大会が終わってひと月後、ニューヨークで記した雑感の部分、以下は、おそらく本書のみだと思う。 「正直に打ち明けてしまえば、僕は最初から最後まで、このオリンピックという装置に共感を抱くことはできなかった。あまりに巨大すぎるし、あまりにも権威主義的だった。多くの意志はあまりに効率的であり、あまりに多くの勝利が各種のアディクション(中毒性)によって歪められていた。」 さんざんアゴアシ付でご接待を受けてオリンピックをレポしておきながら、最後の〆がこれではね。でも、作家として正しい、”アディクション(中毒性)によって歪められて”いない感性を持っているぞ、と言っておきたいのだろう。 「結局のところ、僕らは投下資本と巨大メディア・システムの作り上げた「不思議の国」に住んでいるのだ。」 と、理解しつつ、受けた仕事をきっちりこなす。プロだな(笑)
Posted by 
「一人ひとりの人間が世界をどう切り取っていくか、それは正しいとか正しくないとかいった次元の問題ではない」
Posted by 
東京五輪開幕2日前に読了。 すったもんだのすえに始まる「投下資本と巨大メディアシステムの作り上げた」五輪の実物を、少しでも村上春樹さんのような見方で見れたらと思う。
Posted by 