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シドニー! の商品レビュー

4.2

29件のお客様レビュー

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2021/07/21

東京五輪開幕2日前に読了。 すったもんだのすえに始まる「投下資本と巨大メディアシステムの作り上げた」五輪の実物を、少しでも村上春樹さんのような見方で見れたらと思う。

Posted byブクログ

2020/03/08

409頁のたっぷりのオリンピックレポートで、オーストラリアの国のあり方、風俗、歴史のアクセスもありとても面白かった。村上春樹のメガネを通せば何でも面白いものになる。多分に懐疑的に時に皮肉屋でたまに自虐で、背景はユーモアというタッチは読んでるうちにこちらが感化されてしまう。そんなエ...

409頁のたっぷりのオリンピックレポートで、オーストラリアの国のあり方、風俗、歴史のアクセスもありとても面白かった。村上春樹のメガネを通せば何でも面白いものになる。多分に懐疑的に時に皮肉屋でたまに自虐で、背景はユーモアというタッチは読んでるうちにこちらが感化されてしまう。そんなエッセイは彼を置いてないなと思う。 オリンピックについても懐疑的で、開会式などは批判的で途中で帰ってしまう。オリンピックの商業主義、権威主義、行き過ぎたナショナリズムは彼の嫌うところであろうと容易に想像できる。それでもマラソン、野球の彼の二大興味の対象のスポーツがあり、その描写は熱く的確だ。さらにサッカーやハンドボールまで、視点のしっかりした描写は新しい種目でも深く描写できている。

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2020/05/24

シドニーオリンピックに関わる選手へのインタビューや現地の様子を、日記風にまとめたエッセイ。アスリートへの理解や愛情、雄大なオーストラリアの空気を感じられる爽やかな本。小説家としての村上春樹氏も良いが、旅(もちろんオーストラリア)のお供に読み、私はこの本がとても気に入った。

Posted byブクログ

2017/08/20

 10数年ぶりに再読。シドニーの後、アテネ、北京、ロンドン、リオとオリンピックは続いているけど、村上春樹が商業主義的で、とことん「退屈」と感じたそれは、たぶん変わっていないんだろう。なにしろ、17年前の話ではなく、リオのオリンピックについて、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考え...

 10数年ぶりに再読。シドニーの後、アテネ、北京、ロンドン、リオとオリンピックは続いているけど、村上春樹が商業主義的で、とことん「退屈」と感じたそれは、たぶん変わっていないんだろう。なにしろ、17年前の話ではなく、リオのオリンピックについて、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことを書いた・・・と言っても、たぶんそうだなーと思えるくらい、古びていない。オーストラリア、シドニーに関して書いた部分を除いて。 オリンピックそのものが変わっていないということと、村上春樹がその本質的な部分を描いている、ということなんだろう。 ただ、日本マラソン界の衰退だけが、今となっては悲しい。

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2015/01/13

オーストラリアという国はそもそも英国から送られた流刑囚によって開拓された。最初には772人の囚人が乗っていた。もともと故国を追放された、余計者と彼らを管理するための体制側の超ソリッドな人によって社会の基礎が作られた。労働はきつく、反抗への処罰はまこに冷酷だった。そういう点では新し...

オーストラリアという国はそもそも英国から送られた流刑囚によって開拓された。最初には772人の囚人が乗っていた。もともと故国を追放された、余計者と彼らを管理するための体制側の超ソリッドな人によって社会の基礎が作られた。労働はきつく、反抗への処罰はまこに冷酷だった。そういう点では新しい土地と新しい可能性と新しい自由を求めて、多くの人が自らの意思で新天地にわたってきたアメリカとは全然成り立ちが違う。

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2014/09/17

世間では、小説家としての村上春樹しか知らない人が多いと思うが、この人は定期的に取材記録文学作品を発表している。で、2000年、村上春樹inシドニーオリンピック。マラソンで高橋尚子、柔道で田村亮子が金メダルを獲得したことで有名な大会だ。 いきなり村上氏は「オリンピックは退屈なもの...

世間では、小説家としての村上春樹しか知らない人が多いと思うが、この人は定期的に取材記録文学作品を発表している。で、2000年、村上春樹inシドニーオリンピック。マラソンで高橋尚子、柔道で田村亮子が金メダルを獲得したことで有名な大会だ。 いきなり村上氏は「オリンピックは退屈なものだ」と発言。開会式もつまらなくて途中退席。日本選手が活躍するだろう柔道、水泳は全く観戦せず。しかも開催中に往復2000kmの車移動。途中、パソコンが盗まれたことやスピード違反で捕まったこと、オーストラリアの歴史エッセイを挟む。なんでもアリだ。スポーツジャーナリストではない巨匠だから許される発言と行動。しかし、それで村上文学が完成しているんだからしょうがない。読んでいておもしろいんだから、OKなのだ。 本書の主人公はもちろん村上春樹だが、重要な脇役に女子400メートル走のキャシー・フリーマン。彼女はアボリジニーの血を引いていることで、現役オリンピック代表でありながら聖火最終ランナーに抜擢される。その抜擢をめぐってアボリジニーと白人の間で意見が沸騰する。その混乱の中で、競技に集中しようとする孤独なフリーマンの心情に村上氏の興味は注がれる。

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2013/08/26

五輪開催中のシドニーで毎日、書いた観戦日記。しかし、著者が最も関心をもったのは高橋尚子ではない、まして柔道は全く登場しない。著者の関心はそこに立てなかった有森裕子と完走出来なかった犬伏という二人の悔しさ、地元アポリジニの金メダリスト・キャシー・フリーマンの複雑な思い。そしてマイナ...

五輪開催中のシドニーで毎日、書いた観戦日記。しかし、著者が最も関心をもったのは高橋尚子ではない、まして柔道は全く登場しない。著者の関心はそこに立てなかった有森裕子と完走出来なかった犬伏という二人の悔しさ、地元アポリジニの金メダリスト・キャシー・フリーマンの複雑な思い。そしてマイナーな競技、ハンドボール、ホッケー、トライアスロンなどに集中する。そして五輪と言う国家主義、商業主義の巨大祭典への醒めた目での批判が特に開会式に感じつつ、つい見る必然性のないマイナー・スポーツのしかも異国同士の順位決定戦を見てしまうそのパラドックスの面白さ。オーストラリア大陸の広さ、そこに棲息する動物たちの生態についての記述が雰囲気を盛り上げ、面白い。

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2013/07/20

先週、マラソンの小出義雄さんや、陸上の為末大さんの講演を聴いたときにシドニーオリンピックの話題が出てきたのでこの本を思い出しました。春樹氏が現地に行き、1日30枚と決めて書いたそうです。スポーツ以外の話題が多いようですがどんなお話なのか楽しみ。

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2013/07/11

シドニー・オリンピックに関する文章。トラベル・ライティング(オリンピックバージョン)、ってかんじ。わたしは正直言ってあまりスポーツに関心の無い人間なのですが、もう面白くてたまらなくて貪るように読んでしまいました。なんでこんなに、何を書いても魅力的なんだろう。「Number」に頼ま...

シドニー・オリンピックに関する文章。トラベル・ライティング(オリンピックバージョン)、ってかんじ。わたしは正直言ってあまりスポーツに関心の無い人間なのですが、もう面白くてたまらなくて貪るように読んでしまいました。なんでこんなに、何を書いても魅力的なんだろう。「Number」に頼まれて、とか、そんな仕事をしていた時期もあったんだなあ、今の春樹はおそらく、こういう仕事はしないんじゃないかなあと思うので、ありがとう文藝春秋。村上春樹は非常に幅広くその魅力を振りまけるひと。だから、彼のあらゆる側面を伺える本があるというのは本当に有り難い。ユーモラスで、たのしくって、さくっと読めるんだけど、信じられないくらい真理に切り込んだ部分もあって、そういう作風というのは、創作をしていないふつうのひとであるわたしにとって、生きる態度そのものの指針です。村上春樹の持つ、この距離感とバランス感覚。ご本人にとってはとても厳しい、大変なことだと思いますが、ため息が出るくらい素晴らしい。ここまで最高の感覚を持っている人を、わたしは他に知らない。彼の作品に初めて出会った13歳のころから、わたしは一貫して村上春樹の世界に魅せられてきたし、そんな風に思える作家を持ててわたしは本当に幸せだと思う。幸福感を噛み締めながら読みました。

Posted byブクログ

2013/04/26

シドニーオリンピック日誌。 と言っても日本勢の応援とかじゃなく、コアラを見に行ったり、やたら長い道路を走ったり、知らない国の競技を見たり、そしてオリンピックというマスメディアについて文句を言ったり(愚痴っぽいような)。 オリンピックサイコー!という人は読まないほうがいいかもしれな...

シドニーオリンピック日誌。 と言っても日本勢の応援とかじゃなく、コアラを見に行ったり、やたら長い道路を走ったり、知らない国の競技を見たり、そしてオリンピックというマスメディアについて文句を言ったり(愚痴っぽいような)。 オリンピックサイコー!という人は読まないほうがいいかもしれない。でも、見聞は広めることはできます。 オリンピックに興味があんまりないので、コアラとかワラビーとかのネタのほうが好きでした(笑

Posted byブクログ