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蜂の群れに人間を見た男 坂上昭一の世界
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会/ |
発売年月日 | 2001/12/26 |
JAN | 9784140806562 |
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蜂の群れに人間を見た男
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蜂の群れに人間を見た男
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ミツバチの巣を一体と見れば一匹の蜂は人間にとって細胞の働きをするものと考えられる あるいは一匹の蜂を人間社会の一人の人間と見なして、巣を社会と見ることも可能だろう このどちらで考えようと人間社会の見方を変えなければならなくなりそうだ 細胞ととらえれば秩序立っていながら臨機...
ミツバチの巣を一体と見れば一匹の蜂は人間にとって細胞の働きをするものと考えられる あるいは一匹の蜂を人間社会の一人の人間と見なして、巣を社会と見ることも可能だろう このどちらで考えようと人間社会の見方を変えなければならなくなりそうだ 細胞ととらえれば秩序立っていながら臨機応変な一個の組織を創造できる しかしその一個は別の一個とスクラムを組んだり、一緒にフォークダンスを踊ることにない孤独な存在だ 人間も外圧による意に反するストレスによって病気になったり社会からはみ出して孤独になる 巣を集団社会と見なしたときには人間社会が発展していくための参考になるのだろうか、それともすでに体験済みの形態なのだろうか ミツバチの集団は縦割り社会でなく並列社会における分業で一匹ずつの納得があってのことのように見える 対等性とゆとりがあってしかもゆるやかな秩序がある それに対して人間集団は中央集権的縦割り社会における力ずくの分業を推し進めている したがって強いもの勝ちの不公平で差別された関係にある乱れたたまり場でしかない こうしてみるとミツバチを見習うか少なくとも参考にすべき点がありそうに思える しかし現在の乱れは更に進歩するための過渡期的のもので、これが底をついた後精神性の高い自由を伴った共生社会を生み出してくれるのかもしれない 人間社会を贔屓目に見るならば蜂に後れを取っているとは思いたくないし、この一見劣った状態が進化のバネになる経験であって、次の発展を期待できるものと考えたい 生物を細胞の次元で見るなら、自分の遺伝子を広く伝えることが目的のように見える けれども生物を連鎖された生命と考えるとその目的は、遺伝子の存続でなく精神性つまり真理の具体的発展のではないかと思えてくる 有限と無限の矛盾を抱える相対世界ならばこその摩擦を利用して、具体例を体験することで精神性を姿形として描き出すゲームを楽しんでいるように思う 主人公の坂上さんは現代の南方熊楠といわれる人で、英・独・仏・ポルトガル・日本語と五ヵ国語に堪能で論文も書かれているらしい 彼の研究によると生存曲線が人間と非常に近いらしい 文明文化の程度が低いほど早死にする確率が高い 死の危険が幼い時期に集中している その点人間の先進国の寿命は長く、取り分け出生時の死亡率が低い 女王以外のミツバチの一生は40日と言われている しかしその生存グラフは人間のものと似ているのだという つまり赤ん坊の死亡率が低い 人は技術でミツバチはそのシステムで、外圧に対する安定した環境を開発したらしい また更に彼の研究は蜂を素材として扱わずに対象として向き合うことの観察によって進められたようだ ハミルトンという学者が唱えた「血縁選択説」なる新説によってノーベル賞をとったらしい それによると種全体の保存のために個体は行動すると考えられて来たが、世代を超えて複製されていくのは種でなく遺伝子だという 働き蜂はメスでありながら卵を産まずに母である女王が生んだ弟や妹の世話をするのは何故か?その答えは同じ遺伝子を共有している兄弟を優先する方が二分の一になってしむ自分の子供よりも高い率で残せるからだと説明する 遺伝子の複製率に着眼しなえれば適応進化を理解できないことを主張した この考え方によってミツバチなどの社会をつくる昆虫のカースト文化を説明づけた これを坂上さんはミツバチで具体的に説明している 近親相姦を除けば、親子の血縁度は二分の一になる 親を同じにする兄弟姉妹も二分の一である 安易に四分の一に減らすより二分の一の兄弟を多く作ることの方が有効だという 高等な蜂のメスは受精卵から産まれ、オスは未受精卵から産まれ半分の染色体しか持たないのだそうだ すると息子と父親の関係は存在しなくなり、娘と母は二分の一で娘と父はすべてを受け継ぎ四分の三となる しかしこのまま欲張りすぎていると途絶えてしまう そこで環境が行詰ったところで、新しい女王を作って分封(二所帯に巣別れ)することになる ここで気になるのは、女王が生涯一度きりの性交の際10匹に近いオスと交わりことと 遺伝子の組み合わせの多様化についての矛盾である 更に多様化こそが変化と進化を生み出すのに大事なことでなかったかという疑問が残った
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