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遅刻の誕生 近代日本における時間意識の形成
定価 ¥4,180
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 三元社/ |
発売年月日 | 2001/08/25 |
JAN | 9784883030835 |
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遅刻の誕生
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商品レビュー
3.4
10件のお客様レビュー
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日本人は時間に正確だと言われる。よく例に上がるのが、電車のスケジュール。 よほどのことがない限り時間通りに来る。 そんな日本は昔からそうだったのか、イヤそうではなかった。 文部科学省、経団連の人たちにとっては知りたくもないだろうが、時間にルーズだった「ラテ...
日本人は時間に正確だと言われる。よく例に上がるのが、電車のスケジュール。 よほどのことがない限り時間通りに来る。 そんな日本は昔からそうだったのか、イヤそうではなかった。 文部科学省、経団連の人たちにとっては知りたくもないだろうが、時間にルーズだった「ラテン系」の時代がむしろ当たり前だった。 幕末に「不都合な」記録が残っている。 1857年から2年間、長崎海軍伝習所に滞在して、西洋式の操縦技術と科学技術を日本人に教えたウィレム・カッテンディーケは、『滞在日記抄』に「日本人の性癖」という一節を書いている。 「日本人の悠長さといったら呆れるくらいだ」とチクリ。 さらに「日本人は無茶に丁寧で、謙譲ではあるが、色々の点で失望させられ、この分では自分の望みの半分も成し遂げられないで、此処(このところ)を去ってしまうのじゃないかとさえ思う」と、おそらくため息交じりで書いていたのが想像できる。 カッテンディーケが今の日本の姿を見たら、「目がビッグ~♪」になって頭の中がフリーズするだろう。 そうなってしまうのにも理由があった。 明治5年まで、日本人は「不定時法」で時間を測り暮らしていた。 不定時法とは、昼と夜の時間をそれぞれ等分して時間を測る方法で、時間の進み方に合わせて1日の時間を一様に等分した。 時間の長さが季節によって変わるので、時間に対する概念が今と違うのも無理はない。 時間に正確になった要因として上げているのが鉄道網の整備により、時間でスケジュールを管理する必要があり、利用者も時間を意識しなくてはいけなくなった。 鉄道運行も試行錯誤の末、軌道に乗っていった。 運行する側も利用者も時間に対する感覚をアップデートしないといけなかったので、大変だったのは想像できる。 以前、他の本を読んでいたときに著者がこの本を引用していて気になった。 運良く神保町の古本まつりで見かけて「いつ買うか、今でしょ」ということで即購入。 遅刻をテーマにして300ページ以上の本が書けるのはすごいなあ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第1章辺りは、日本人は時間を守る民族、勤勉で働き者という神話を明治期のお雇い外国人たちの発言、幕末の日本の記録などから崩しまくり、読んでとてもおもしろい。江戸時代、勤勉に働かせられていたのはあくまで農民であって、職人たちは午前中しか働かなかったり、明治に来日したオランダ人たちが困ったのは日本人労働者が時間にルーズ過ぎることだった。近代教育制度の裏の目的は、よい工場労働者を育成するため、命令に従順であり、時間を守り、反復作業を嫌がらなくすることであると言われるが、現在の日本人の国民性と言われるものの多くが、単に明治期に西洋人たちの協力で導入された近代義務教育によるものだったことがわかる。第2章ぐらいから、だんだん専門的な内容になっていき、読み通すのはかなりきつくなってくる。
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