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残響 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | 内容:コ-リング. 残響 |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2001/11/25 |
JAN | 9784122039278 |
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残響
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商品レビュー
3.8
17件のお客様レビュー
人と人との間には、時…
人と人との間には、時間の隔たりや空間の隔たりがあり、人はその隔たりを超えて交歓可能なのだろうか。作中人物たちはずっとそういうことを考えている。彼らは、静かだが極めて複雑な人という存在が発する「音」によって、互いに響きあっている。読みながらおのずと考えさせられる一作。
文庫OFF
繋がりそうで繋がらない群像劇の中篇が二作。 この世の摂理に触れるようなイノセントでシャープな視線は本作は見られず、非常に女性的で感覚的だった。 そもそも背表紙の文句から肌に合わないものを感じた。
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『季節の記憶』がほとんどの人が人生において必ず経験する一般的・普遍的な体験についての思案だとしたら、『残響』はその時その場所で誰々という一人の人間の身に起きた完全に個人的な体験についての思案だという印象を受けた。そういう意味でその二つの作品は相補的な関係だと言えるように思う。どち...
『季節の記憶』がほとんどの人が人生において必ず経験する一般的・普遍的な体験についての思案だとしたら、『残響』はその時その場所で誰々という一人の人間の身に起きた完全に個人的な体験についての思案だという印象を受けた。そういう意味でその二つの作品は相補的な関係だと言えるように思う。どちらの作品からも、作者は地動説的なものの見方を持っていて、自分中心ではなく宇宙の一部品として自分を捉えていることがうかがえる。俯瞰的でどちらかといえば冷たい見方だとも言え、そのため文章の温度は低く、共感に強く訴えることもほとんどない。しかし、そういうプラスの感情にたよらないものの見方でも、住んでいる世界の素晴らしさを見出すことはできるのだということを、人や物や生き物を介した人間関係の連鎖・交錯・共存を描くことでこの作品は表現しているのではないかと思った。私は共感に頼りがちな感情タイプの人間だが、こういう理知的・物質的な考え方に対する憧れもあり、とても感心する思いで読んだ。異なる視点を与えてくれる力作なんじゃないかなあ。
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