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4.3
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ルネサンスと宗教改革はいずれも近代社会を生んだ精神的母体とされるが、トレルチは前者より後者の影響を圧倒的とみる。トレルチによればルネサンスの人間類型とは、ブルクハルトが『 イタリア・ルネサンスの文化(中公文庫) 』で描き出した「個人」であるより、レオナルド・ダ・ヴィンチが典型的な...
ルネサンスと宗教改革はいずれも近代社会を生んだ精神的母体とされるが、トレルチは前者より後者の影響を圧倒的とみる。トレルチによればルネサンスの人間類型とは、ブルクハルトが『 イタリア・ルネサンスの文化(中公文庫) 』で描き出した「個人」であるより、レオナルド・ダ・ヴィンチが典型的なように「万能人」乃至「教養人」であるという。それは自由人であり、その本性上「非職業的」であるがゆえに、庇護者としての王侯貴族・大商人との結びつきを断ち切れず、精神的には革新的であったにもかかわらず、社会的には保守的性格を帯びざるを得なかったという。この点、プロテスタントの「世俗内禁欲」が「職業」という現実社会の基盤を持っていたことと対照的であり、新時代を切り開く動因として宗教改革が持ち得た社会的なインパクトをルネサンスは持ち得なかったというのだ。 トレルチの学説は彼の友人でもあるウェーバーの影響を受けており、普遍史的観点から近代社会の成立を解明するという学問的動機に導かれていた。ウェーバーは生のあらゆる領域における合理化という近代の文化的意義を一面では高く評価するが、それがもたらす生の没意味化という負の側面を自覚してもいた。この点はトレルチも同じで、二人とも歴史の「発展」に対してアンヴィヴァレントな態度を示している。本書でもトレルチはブルクハルトが近代精神へのルネサンスの影響を過大評価していると指摘するが、他方でブルクハルトが歴史の「発展」を疑い、ペシミスティックな歴史観を述べた『 世界史的考察 (ちくま学芸文庫) 』を高く評価している。トレルチ自身の近代への複雑な距離感が垣間見えて興味深い。
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そういや最近、「ルネッサーンス!!」のオッサン見んけどどうしてんのかな。芸人の世界は厳しいで。こうやって読書できるんはホンマ幸せなことやで。と噛み締めながら読んだ本。私アホですけど分かりやすかったです。訳者がええんやろね。
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神学から宗教学への軌跡を表すような、トレルチの代表的論文。全体が180ページほどで、3つの論文によって構成されているのだが、文字の小ささも合わさって、なかなか読み進めるのに苦労した。とりあえず読み終えた感じではあるが、流してしまった部分も多い。 ルネサンスと宗教改革の、歴史におけ...
神学から宗教学への軌跡を表すような、トレルチの代表的論文。全体が180ページほどで、3つの論文によって構成されているのだが、文字の小ささも合わさって、なかなか読み進めるのに苦労した。とりあえず読み終えた感じではあるが、流してしまった部分も多い。 ルネサンスと宗教改革の、歴史における人間への影響を、再考する機会になった。 13/7/9
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