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自由と経済開発
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本経済新聞社 |
発売年月日 | 2000/06/15 |
JAN | 9784532148294 |
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商品レビュー
4
9件のお客様レビュー
ー 私たちが生きるこの恐るべき世界はー少なくとも表面上はーあまねく全能の慈悲心の支配が及んでいる世界のようには見えない。(神の)情け深い世界秩序が、どのようにして過酷な悲惨、執拗な飢え、欠乏と絶望の暮らしに苦しむこれほど多くの人を含み得るのか。なぜ毎年何百万人もの子供が食料、医療...
ー 私たちが生きるこの恐るべき世界はー少なくとも表面上はーあまねく全能の慈悲心の支配が及んでいる世界のようには見えない。(神の)情け深い世界秩序が、どのようにして過酷な悲惨、執拗な飢え、欠乏と絶望の暮らしに苦しむこれほど多くの人を含み得るのか。なぜ毎年何百万人もの子供が食料、医療、社会的保護の欠如のために死ななければならないのか。これらを理解することは困難である。 もちろんこれは新しい問題ではない。神学者たちはこのテーマを論議してきた。神は人間が問題に自分で対処することを望んでいるのだ、という主張は知的にもかなり支持されてきた。私は宗教を持たない人間として、この論争の神学的価値を評価する立場にない。しかし、人間には生きる世界を自分たちで発展させ、変える責任があるのだという主張の持つ力を認めることはできる。人がこの基本的な関係を受け入れるのに信心の有無を問われる必要はない。一緒に―広い意味で―生きている人間として、身の回りに目にする恐ろしい出来事は、本質的にわれわれ皆の問題であるという思いから逃れることはできない。それらはだれかほかの人の責任でもあるかどうかはともかく、われわれの責任なのである。 ー 経済成長、経済開発の数字的な側面に惑わされず、人が人間的な自由、つまり選択肢があり自分の幸福の観点により選択できる可能性、を享受できる度合いをみていくべきだ、と主張する論考。 20年以上前の作品。教育と基本的な医療の重要性とか、政治制度の違いによる飢饉の発生頻度とか、今でも解決していない重要な論点が語られている。 世界は確実に良くなってきているけれど、教育や医療、基本的な人権の尊重、生き方を選択出来る自由など、まだまだ行き届いてない事実は無視できない。 続けて『正義のアイデア』を読もう。この世に蔓延る不正義、理性的ではないものとどう対峙すべきか、今こそじっくり考える時期だと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
これまでのセンの著作本以上に、民主主義・公開討論の重要性に光が当たっている本。 ポイントは、上記(これらは、手段として重要なだけでなく、それ自体が本質的に重要)に加え、経済開発だけが重要なわけではなく、それも含めた自由の多様化が重要なのだということ、agency:人が主体的、能動的に行動する力を強化できることの重要性、理性的に人々が自己・社会を変えていくことができるということ、何が重要であるかに視点を定めその領域についての情報の収集・付与に力を注ぐことの大切さ、 というところですかねー。 WB向け講義をまとめ直した本である模様。
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個人的に、真新しさは感じられなかった。 ただ、頭ではもやもやとわかっていることも、いざ文章にするのは難しいもの。その頭のもやもやを書き上げてくれている。 さまざまな要素が含まれているので、多少ねじ伏せた感はあるものの、さすが学者といえる。
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