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未亡人の一年(上) John Irving collection
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2000/06/30 |
JAN | 9784105191085 |
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未亡人の一年(上)
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商品レビュー
4.4
10件のお客様レビュー
※上下巻併せた感想 ▼10代の頃にジョン・アーヴィング「ホテル・ニューハンプシャー」「ガープの世界」「オーウェンのために祈りを」を読み、衝撃を受け、大変にオモシロかった。以来、30年ぶりくらいにアーヴィング体験。おそるそる。 ▼小説家/絵本作家の男性がいて、妻がいる。息子二人...
※上下巻併せた感想 ▼10代の頃にジョン・アーヴィング「ホテル・ニューハンプシャー」「ガープの世界」「オーウェンのために祈りを」を読み、衝撃を受け、大変にオモシロかった。以来、30年ぶりくらいにアーヴィング体験。おそるそる。 ▼小説家/絵本作家の男性がいて、妻がいる。息子二人を事故で失うというつらい体験をする。 その後、娘を持つが、夫婦仲はぎくしゃく。結局離婚、母は行方知れずに。 娘は大人になり小説家になる。母も初老以降に、なんとカナダで小説家になっていた。 娘は男運が悪かったり、殺人事件を目撃したり、編集者と結婚して子を授かるが未亡人になったり、色々あるが最後はまずまず幸せになり。 そしてとある日に、母と再会する。 ▼……と、言うお話なんですが。実に饒舌で豊穣なジョン・アーヴィングの世界は、大人になっても愉しめました。そして主要登場人物たちがほとんど職業作家だったりするあたりが、「知ってる職業について書く方が人物をちゃんと描けるんだからそれでいいでしょ!俺は職業を描きたいのではなくて人間を描きたいのである!」という作者の開き直りが聞こえてくる感じ。 ▼それから、けっこう頻繁に性的な行為が描かれます。ああ、そうだったなあ、と。なんだけど、大人になって読んでいると全然エロティックではありません。エロなことを描きたい訳では無くて、性的なことも含めた愛情や人間模様を描きたいんだなあ、と。人は性的なことで分かっていても過ちを犯したりすることが人生でままありますからね。 ▼そういう持ち味、唐突ですが、やっぱり村上春樹さんはジョン・アーヴィングの強烈な影響下にいるなあと思いました。そんなに似てるってわけでもないのですが、でも影響はあるなあ、と。 ▼ジョン・アーヴィングさんの作家デビューは「熊を放つ」(1968)だそうですが、これは1986年に村上春樹さんによって初翻訳されて日本で出版されています。 アーヴィングさんが「ガープの世界」で一躍世界的な作家になったのが1978年。村上春樹さんが「風の歌を聴け」でデビューしたのが1979年。 ▼そんなことを考えるのも読書の愉しみです。 (ただ無論、村上春樹さんは他にも多くの本から影響や栄養を受けているでしょうし、それらを僕が読んだことが無かったり知らなかったりするから、気づいたことに”発見した感じ”を勝手に感じているだけなんですけれど(笑))
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血湧き肉躍る……わけではない。スリリングでもない。ただ登場する人たちが愛し合い、オトナの関係を結ぶ。そんな人間模様が延々と続くのだけど、なぜかアーヴィングの筆致はそんなダラダラした出来事の串刺しを読ませる。それは語りの中にわざとらしさやあざとさがなく、極めて誠実に登場する人たちの...
血湧き肉躍る……わけではない。スリリングでもない。ただ登場する人たちが愛し合い、オトナの関係を結ぶ。そんな人間模様が延々と続くのだけど、なぜかアーヴィングの筆致はそんなダラダラした出来事の串刺しを読ませる。それは語りの中にわざとらしさやあざとさがなく、極めて誠実に登場する人たちの人間性をその偉大さも卑小さも含めて丸ごと描こうとする、そんな真剣さから来るのかなと思う。だからこの作品も膨らみを帯びた人々が織り成すタペストリーのように、細部まで味わい深いものとして成り立っているように思う。ただ少し変態すぎかな?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不幸な人妻を見ると誘惑しないではいられない父と、交通事故で二人の息子を亡くしてから、息子達との思い出の世界だけに生きている母。そして家じゅうに飾られている二人の兄の写真。 4歳の少女ルースは、そんな家で3人のシッターに面倒をみてもらって暮らしている。 そこへ、作家である父の手伝いと称して17歳のエディが住み込みのアルバイトとしてやってきて…。 ルースが4歳の夏に、彼女の家は壊れた。 彼女が生まれたときからすでに歪ではあったのだけど。 亡くした二人の息子のかわりに新しい息子を欲しかった父と、二度とふたたび母親にはなりたくないと思っている母から生まれたルース。 第一章は、そのひと夏の出来事を、概ねエディの目を通して(三人称だけど)語られる。 人妻との時間が中心のテッドの手伝いなんて、ほとんどすることもなく、エディはひたすらマリアンに惹かれていく。 けれどエディは17歳ではあるが、周囲の人たちの気持ちを慮ることができる、不器用だけどいい青年で、ルースのことを傷つけないように細心の配慮をしていたはずなのだ。 ただ、4歳児というのは予想外のことをしでかしてくれるわけで。 第二章はそれから30に年後、エディは売れっ子とは言えないが、そこそこの作家となり、ルースは有名売れっ子作家となった。 エディはいまだにマリアンのことを忘れられず、ルースは結婚・出産に踏み出すことができないでいる。 マリアンが家族を捨てたことがこの先の物語にどういう影響を与えるのか。 どろどろした物語のはずだけど、ぐいぐい読ませるのはさすが。 今のところ誰が未亡人なのかわからないけど、多分ルースが母に捨てられた過去から立ち上がる話だと思う。 エディは相変わらず要領が悪く誠実な人。 彼が、どう係わってくるのかが楽しみ。
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