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時の旅人 岩波少年文庫531
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2000/11/17 |
JAN | 9784001145311 |
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時の旅人
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商品レビュー
4.1
51件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『農場に暮らして』を読んだ後なので、舞台がアトリーの故郷であるダービシャーであり、描写がとてもよく合致しているのがわかる。 物語は、ロンドンに近いチェルシーに暮らすペネロピーは、療養のため、姉のアリソン、兄のイアンと共にサッカーズ農場の親戚のところで暮らすことになる。農場はとても古くからあって、古風なものが引き出しから出てきたり、もう使われない昔の調理道具が台所の奥にしまわれていたりする。そこは300年前、荘園の領主、バビントンの屋敷だった・・・。 メアリー・スチュアート王女の悲劇と、バビントン家の当主、アンソニーとの関わりが、解き明かされる。 物語は古風ではあるが、農場と荘園の描写や、自然の豊かさは細やかに描かれ、アトリーらしい。タイムスリップものは突然という設定が多いが、ここでは慎重に伏線が張られ、注意深く過去に滑り込んでいて、その仕掛けは自然で見事なものだった。 行こうと思わなくても出会うし、行きたいと思っても行くことができるとは限らない、ペネロピーにとって、まるで夢か幻のような体験なのだが、幾度となく過去と未来を行き交ううちに、どちらも現実のようなリアリティを感じるようになる。(読み手もそうなっていくところがすごい)歴史の事実は容赦無く、物語が進むにつれ、ペネロピーの悲しみが増していく。 ペネロピーは絶体絶命のピンチにも陥るし、儚げなロマンスもある。メアリー王女をめぐる画策もスリリングで、物語はラストに向けて、なかなかの盛り上がりを見せるのだ。 そして、静かなラストを迎える。
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『トムは真夜中の庭で』のお姉さん版の印象。 登場人物が神様に、自分の希望と神様の思し召しが違う場合、それを正しく乗り換える勇気をくれという祈りが印象に残った。
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現在東京宝塚劇場で上演中の月組「Eternal Voice」の背景をより知りたいと思って、読んだ一冊。 芝居自体は19世紀後半のイギリスが舞台だけれど、1587年2月8日にエリザベス1世によって処刑されたメアリー・スチュアートがキーになっていて、メアリー・スチュアートについてざっ...
現在東京宝塚劇場で上演中の月組「Eternal Voice」の背景をより知りたいと思って、読んだ一冊。 芝居自体は19世紀後半のイギリスが舞台だけれど、1587年2月8日にエリザベス1世によって処刑されたメアリー・スチュアートがキーになっていて、メアリー・スチュアートについてざっくりとした知識しかなかったので、メアリー・スチュアート存命時の時代背景や、芝居中に出てくる「バビントン一族」や「アンソニー・バビントン」とは何者か、知りたくなったのだ。 この小説自体は、19世紀末にロンドンに生まれた、バビントン家に仕えていた一族の末裔である体の弱い女の子が、かつてバビントン家の住んでいた田舎(ダービー付近)の屋敷(彼女の一族が引継ぎ、現在は大伯母たちが住んでいる)に療養に行き、アンソニー・バビントンが幽閉されていたメアリー・スチュアートを脱出させようと画策している約300年前の時代にタイムスリップを繰り返す話で、少年・少女向けの小説らしいのだけれど、大人の私が読んでもとても面白かった。イングランドの田舎の暮らしぶりや自然の描写も素敵で、気持ちが良かった。 正直、メアリー・スチュアート処刑に至る背景についてはそれほど深い知識は得られなかったものの、ヨーロッパのように古くから使い続けられている家や物に囲まれていれば確かに、古い時代をより身近に感じるだろうと思ったし、お話の中にもそして月組の芝居にも出てくるように、『モノや場所は記憶をとどめる』ということもあるかもしれないと思った。
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