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呉淞クリーク/野戦病院 中公文庫
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呉淞クリーク/野戦病院 中公文庫

日比野士朗(著者)

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呉淞クリーク/野戦病院 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/
発売年月日 2000/08/25
JAN 9784122036970

呉淞クリーク/野戦病院

¥440

商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

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2013/06/21

随筆的戦争体験記。 読んでよかった。 自分にはリアリティのない戦争も数十年前まで日常の中にとけこんでいたんだと改めて実感する。 淡々と、書かれている戦いの日々は 読んでいて情景が浮かんだ。 作者はきっと優しい人だと思う

Posted by ブクログ

2012/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私この本好きです。 何となく最初に手に取った瞬間から思いました。 日比野士朗…聞いたこともない名前の作家さんで,図書館にはその人の本はこの一冊しかありませんでした。 まず,よく知らない作家さんの場合,その人となりを知るべく著者プロフィールや解説を読みます。 旧制第八高等学校中退・・・まずそこで親近感を持ちました。八高は私の出身大学の前身で,教育史を学んでいた私は「八高」というキーワードに弱い。そして,「一高」出身の作家さんはゴロゴロいるものの,八高はあまり聞いたことがなかったのです。 解説は半藤一利さんが書いているんですが,この解説がやたらと切ない。「戦後は忘れられた作家」になってしまったとのこと。なんとも惜しい。「兵隊作家としてもてはやされた」ことに戦後は後ろめたさを感じたのでしょうか?(←私の勝手な想像です)戦争小説とは言っても,皇軍意識や軍事色は強くなく,寧ろ薄いくらいなので,本当に勿体ない・・・。 さて,前置が長くなってしまいましたがw この本は日中戦争の上海戦線での戦闘ルポとなっています。が,先に述べたように,皇軍意識も全然感じられず,(天皇と言う言葉も殆んど出て来ないのでは?)軍事色も強くないです。敵の姿も殆んど見えませんし,不条理な暴力もない。筆者は伍長なんですが,部下に罵声を浴びせかけることもない。まあどこまで描かれているか定かではありませんが。 どちらかというと繊細で,女性的な表現も多いです。 かと言って,大岡昇平のように,猛烈に内面をえぐっているわけでもありません。 どちらかというとどこか空虚で,ポッカリと穴が開いているような,停滞した空気の中の物語のよう。 この小説が発表されたのは戦時中なんですが・・・・よく戦時下にあってこの本が刊行されたなあ,とも思います。(反戦意識も特に感じられないんで問題はないかもしれませんが。) この小説が取り扱っているのは,日中戦争での上海戦線で,この上海戦線に参加したのが名古屋の第三師団と,四国の第十一師団,のち金沢の第九,仙台の第十三,東京の第百一師団。 作中に,日比野が新しく来た兵隊たちにどこから来たかを訪ねると,「〇〇!」と,日比野が長く住んだ地名を答えた・・・というシーンがありましたが,もしかしてこれって名古屋かな。と思いました。 そういえば亡き父方の祖父もこの頃,召集されて中国方面に派兵されたと聞きます。 母は,「中国に行ってるから,悪いことしてきたんだよ。」と言っていて,子ども心に悲しい思いをしたんですが・・・・・。 南京事件あたりとは派兵された時代がずれており,祖父は名古屋第六歩兵聯隊にいたようですから,もしかしたら上海に派兵されていたかもしれません。と思い立ちました。 もしかしたら・・・もしかしたら,日比野とどこかですれ違っていたかもしれません。なんていうドリームな事を考えました。 色々含めて,この本は好きです。面白かったです。絶版なのが残念。

Posted by ブクログ