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ヴェネツィアの宿 文春文庫
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ヴェネツィアの宿 文春文庫

須賀敦子(著者)

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ヴェネツィアの宿 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1998/08/10
JAN 9784167577025

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ヴェネツィアの宿

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商品レビュー

4.1

58件のお客様レビュー

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2024/12/14

少女期や留学時代のことを振り返ったエッセイ集。 須賀敦子の本はおそらくこれで4冊目だと思う。 読み重ねていくと、だんだん深く沁みてくる文章。 戦直後のミッションスクールの寄宿学校の様子などは、何かもう、どこの世界の話だろうと思えてくる。 英語劇のために「Lord」という言葉が「...

少女期や留学時代のことを振り返ったエッセイ集。 須賀敦子の本はおそらくこれで4冊目だと思う。 読み重ねていくと、だんだん深く沁みてくる文章。 戦直後のミッションスクールの寄宿学校の様子などは、何かもう、どこの世界の話だろうと思えてくる。 英語劇のために「Lord」という言葉が「正しく」発音できるまで執拗に練習を強いる修道女がいるかと思えば、アメリカから来たシスター・ダナムは「レクリエーション」の時間に野球を導入し、「ケイトノアタマー(woolen headの直訳)」と叫びながら、生徒よりも嬉々としてグラウンドを駆け回る。 小公女の世界のようでもあり、井上ひさしの育った孤児院のようでもあり…。 留学時代、学生寮で出会った韓国の留学生のキムさんや、ドイツから中学教師の職をなげうって来たカティアなどのエピソードも、それぞれに心に残る。 若いころ周囲の反対を押し切って筆者の母を娶ったはずなのに、いつのまにか家を出て他の女性と暮らしている父親のことも、この本にはたくさん出てくる。 愛憎半ばするだろうに、亡くなったあととなってはさまざまに思い出されるようだ。 「旅のむこう」は、不仲になっていた両親と、イタリアで結婚生活に入った後一時帰国していた筆者が国内旅行をした思い出を描いている。 読み進めて、昔大学入試の問題集に出ていた文章だと気づいた。 どんな家庭なのか、その後どうなるのかと思いながら読んだので記憶に残っていたのだろう。 頼りないようなお母さんが、時に筆者の背中を押しつつ、娘が遠くに行ってしまうのを寂しく思っている様子がほろりとする。 こんな終わり方だったんだ、と知ることができてよかった。 見ぬ世の人々のたたずまいの美しさが伝わってくるような気がした一冊だった。

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2024/12/07

ミッション系の学校での寄宿生活のことやヨーロッパ留学、父や母のことが綴られる。物悲しく痛々しさを感じたが「うかうかと人生をついやす」ことなく旺盛に生きたことや、著者が昭和4年生まれということにも驚かされた。心地よく心が研ぎ澄まされる文章。

Posted by ブクログ

2024/08/15

『ヴェネツィアの宿』読了。 昨年の古本市で購入した本です。深いところから湧き上がる美しく透明感のある言葉の数々に度々溺れていました。イタリア文学者である著者のエッセイ集で時系列はバラバラであるが戦中・戦後の日本、フランス、イタリアを舞台に描かれておりました。 実際のところ戦後の混...

『ヴェネツィアの宿』読了。 昨年の古本市で購入した本です。深いところから湧き上がる美しく透明感のある言葉の数々に度々溺れていました。イタリア文学者である著者のエッセイ集で時系列はバラバラであるが戦中・戦後の日本、フランス、イタリアを舞台に描かれておりました。 実際のところ戦後の混乱ですごく大変な思いや苦労をされた時代に生きてきた方だと思う。この著書では須賀敦子さんと著者の記憶の中で登場する彼らはそんなことすら微塵も感じない関係性を築いており、美しい言葉に昇華しているような印象を受けました。心の蟠りが溶けていくよう、汚い言葉で罵るのではなく、その時代を懸命に生きてきた人を讃えているような。どうすることもできない事に対し苛立つのではなく、残されたものとして許し許されるように生きているような。俯瞰し、追体験しているような内容でした。 うちの祖父母と同じ時代を生きた方なので、こんな感じだったのかなと想像してしまう。 今日は終戦記念日ですがお祖母ちゃんの誕生日です。91歳。その辺にいるお祖母ちゃんと違い、お祖母ちゃんっぽくなくあまり好きになれなかった。祖母は大学進学をしたくても女だからという理由で叶わず、資格取得しバリキャリで働き結婚出産がその当時では遅すぎると言われた年齢でしたが、まだ生きている。 好きになりたかったが、なれなかった。が正しい表現かもしれない。うちの祖母が歩いてきた人生は変わっていて普通ではなかった。祖母は分かっていたのかその孫である私が辿る人生も普通ではないと示唆しているようなところがあった。それでもいい。嫌なことされたこともあったが好きになってもいいと読んでいるうちにそう思ってしまった。事実を捻じ曲げ美化していくのは好きではないけど。美化というよりも許すことになるのか?(またずぶずぶと深みハマる…)まーいいや。 いつの時代において唯一無二の人生が転がっている。ひとりの女性が生きた戦後の国際色強めな人生を垣間見れて面白かったです。 2024.8.15(1回目)

Posted by ブクログ