斗南先生・南島譚 講談社文芸文庫

中島敦(著者)

• 内容紹介: 内容:斗南先生.過去帳 かめれおん日記.狼疾記.古譚 狐憑.木乃伊.山月記.文字禍.南島譚 幸福.夫婦.#31ae#.環礁. 著書目録:p308
• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 1997/03/12
• JAN: 9784061975606

商品レビュー

2018/05/02

「斗南先生」は漢学者の叔父を学生の主人公の目で描いたもの。「過去帳」は作家になる以前の自虐的、自省的な作品。チョッとグダグダした自分語りもあるが、あまり読み辛さはない。作者は自分に対する懐疑を強く持っていたことを再認識した。

「古譚」は、山月記を含む４短編。大学１年の頃に読んでいるので、３０数年振りの再読。最初の作家(?)の悲劇は作家であることに対する疑問かなと若い時は思ったが、どうだろう。

「南島譚」「環礁」は南洋で見聞きしたことを収録したもの。作家にとって南洋とは、何だったんだろう。作家自身も西洋文明の目から、東洋文明の目から、日本人の眼鏡で、実は何も見ていないのでは、と自問している。
それでも端正で、美しい文章に魅了される箇所もいくつかあった。

2006/10/11

「山月記」で有名な作者が、亡くなった漢学者である伯父について書いた短編小説のほか、戦中のパラオの風俗を描いた作品など、ちょっと違った中島敦の作品集でした

2005/11/29

中島敦の作品の中から、「古譚」をまとまった形で収録されている文庫本が欲しくて購入。
「南島譚」の「幸福」「夫婦」も、「古譚」のような物語的な感じで読めると思います。