斗南先生・南島譚 の商品レビュー
「斗南先生」は漢学者の叔父を学生の主人公の目で描いたもの。「過去帳」は作家になる以前の自虐的、自省的な作品。チョッとグダグダした自分語りもあるが、あまり読み辛さはない。作者は自分に対する懐疑を強く持っていたことを再認識した。 「古譚」は、山月記を含む4短編。大学1年の頃に読んで...
「斗南先生」は漢学者の叔父を学生の主人公の目で描いたもの。「過去帳」は作家になる以前の自虐的、自省的な作品。チョッとグダグダした自分語りもあるが、あまり読み辛さはない。作者は自分に対する懐疑を強く持っていたことを再認識した。 「古譚」は、山月記を含む4短編。大学1年の頃に読んでいるので、30数年振りの再読。最初の作家(?)の悲劇は作家であることに対する疑問かなと若い時は思ったが、どうだろう。 「南島譚」「環礁」は南洋で見聞きしたことを収録したもの。作家にとって南洋とは、何だったんだろう。作家自身も西洋文明の目から、東洋文明の目から、日本人の眼鏡で、実は何も見ていないのでは、と自問している。 それでも端正で、美しい文章に魅了される箇所もいくつかあった。
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「山月記」で有名な作者が、亡くなった漢学者である伯父について書いた短編小説のほか、戦中のパラオの風俗を描いた作品など、ちょっと違った中島敦の作品集でした
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中島敦の作品の中から、「古譚」をまとまった形で収録されている文庫本が欲しくて購入。 「南島譚」の「幸福」「夫婦」も、「古譚」のような物語的な感じで読めると思います。
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