十六の話 中公文庫

司馬遼太郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論社
• 発売年月日: 1997/01/18
• JAN: 9784122027756

商品レビュー

2010/05/28

小学校の教科書のため…

[文庫ＯＦＦ]

小学校の教科書のために書いた「二十一世紀に生きる君たちへ」は本当に涙が溢れてきます。

2010/05/28

歴史作家として人気の…

[文庫ＯＦＦ]

歴史作家として人気の絶頂にある著者が気楽に語った最新文集。著者らしい歴史から学んだ知恵がさりげなく光る。そして何より面白い。

2024/10/01

本書の最後、「二十世紀末の闇と光」と題した井筒俊彦との対談の内容に圧倒される。

井筒俊彦は、司馬遼太郎から「20人くらいの天才が１人になっている」人と言わしめた、30か国語を操る正に語学の天才学者。

が、イスラムのムーサーとう学者が、井筒俊彦の部屋にある大量の本を見て、「本を背負って歩くのは学者じゃない。何かを本格的に勉強したいんなら、その学問の基礎テクストを全部頭に入れて、その上で自分の意見を縦横無尽に働かせるようでないと学者じゃない」と言ったとか。

要するに、本をたくさん持っているだけではだめだ。全て暗記して必要なときに必要な個所をすぐに取り出せるようにしておかないとダメだと言っているのだ。
ムーサーとはどんだけ凄い学者なのか。

しかし、このムーサーという学者、本当に凄くて、神学、哲学、法学、詩学、韻律学、文法学はもちろん、ほとんど主なテクストは全部頭に暗記しているようだ。
イスラムの学者はそれが普通のようだ。

学問という世界の凄さに唖然とした。