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砕かれた四月
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社/ |
| 発売年月日 | 1995/06/30 |
| JAN | 9784560045787 |
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砕かれた四月
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同じカダレの『誰がドルンチナを連れ戻したか』と対になった作品として発表された小説。 『ドルンチナ』から時代は下り、恐らく20世紀初頭かその前後のアルバニア。 古くからの因習である「掟」「誓い」を『ドルンチナ』以上に真正面から取り上げている。 作品は様々な対比から描かれる。 主人...
同じカダレの『誰がドルンチナを連れ戻したか』と対になった作品として発表された小説。 『ドルンチナ』から時代は下り、恐らく20世紀初頭かその前後のアルバニア。 古くからの因習である「掟」「誓い」を『ドルンチナ』以上に真正面から取り上げている。 作品は様々な対比から描かれる。 主人公の一人、ジョルグは、「掟」が生活の規範として隅々まで行動を縛っている高地地帯に住む若者である。彼は「掟」に従い、自分の兄を殺害した相手に復讐を果たさなければならない。(しかも、復讐方法一つとっても、銃で撃つ前に警告を発さねばならず、撃って殺したのであれば死体を仰向けにしたうえで死者が持っていた武器を頭の近くに立てかけなければならない・・・と、具体的方法についてまで細々と規定されていることが語られ、小説の乗っけから読者は「掟」が人々の上にのしかかる重みを感じることになる)ジョルグはその後、30日間は無事を保障されるがその後は相手の家族からの復讐の対象となる「掟」である。「掟」に縛られ代々続く復讐の連鎖に編み込まれ、彼は生きていながら「半分死んだ」存在へと変容する・・・。 もう一方の主人公は、都市部である低地地帯から新婚旅行で高地地帯を、いわば物見遊山で訪れた作家とその妻である。夫である作家は高地地帯の因習をネタに書籍をものしているようで、自分の中で理想化し、美化した「掟」に縛られた山地地方を、妻に見せてドヤ顔したいがために新婚旅行先に選んだようだ。いわばこれから新しい生活を始めようという「生」の側の住人でもある。 都市部と山地、近代的な社会と伝統的な因習が残る社会、死に向かう人と生に向かう人、「掟」に悩む人と「掟」を賛美する人・・・ こういった互いに対比されるはずの世界が、山地で交錯したその一瞬から、その歩むべきであった宿命、運命が不思議に歪んでいく・・・。 『ドルンチナ』では、アルバニア人の心性に根付く「掟」「誓い」を重視する価値観こそがアルバニアをアルバニアたらしめると称賛しているかのように読めた。 一方、本書では、古来からの「掟」は重苦しく・近代文明を否定する非生産的なものであるだけでなく、時代が下るにつれ形骸化してしまっていると批判するようでもあり、また、近代社会が容易に手を出して良いものではないと警告しているようでもある。 迂闊に「掟」が支配する世界に足を踏み入れた作家夫婦はその重苦しさに絡めとられ、不意に近代に触れてしまったジョルグは「掟」の支配する世界からの脱却を夢に見てしまった。 『ドルンチナ』でも、最終盤のストレス隊長の演説は、近代的な社会(裁判等)と「掟」は相容れないものとして表明しているものとも読めることを考えると、本書を貫く価値観もまた一貫しているとも言えるかもしれない。 アルバニアという国がもつ難しさ・・・この国はどのように・どこに向かっていけばいいのか・・・、それが著者が問い続けたいことだったのだろうかと考えながら読み終えた。
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夢宮殿を読んで以来、イスマイル・カダレが好きだ。彼の国アルバニアについての情報が日本ではあまり見かけられないこともあって、エキゾチックな趣もあれば、独裁主義時代を生き抜いた旧共産圏の作家の書き物として、ある種の哲学性もある。砕かれた四月は、復讐という掟に縛られて生きる一人の青年の...
夢宮殿を読んで以来、イスマイル・カダレが好きだ。彼の国アルバニアについての情報が日本ではあまり見かけられないこともあって、エキゾチックな趣もあれば、独裁主義時代を生き抜いた旧共産圏の作家の書き物として、ある種の哲学性もある。砕かれた四月は、復讐という掟に縛られて生きる一人の青年の物語。相変わらず独特の儚さ。ノーベル文学賞なんて意味のない肩書だと思うけど、未だに彼が列に並ばないのは不思議で仕方がない。
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映画「ビハインド・ザ・サン」の原作本。20世紀初頭のヨーロッパ、アルバニアを舞台とし、その掟に支配される高地の生活はまるで中世のよう。掟により「生の許しを受けた死者」となった男と、一度だけ目を合わせただけの女性との魂の響きあい。読後、深いため息をつき目を閉じ、はるかアルバニアの高...
映画「ビハインド・ザ・サン」の原作本。20世紀初頭のヨーロッパ、アルバニアを舞台とし、その掟に支配される高地の生活はまるで中世のよう。掟により「生の許しを受けた死者」となった男と、一度だけ目を合わせただけの女性との魂の響きあい。読後、深いため息をつき目を閉じ、はるかアルバニアの高地の風景をしばし俯瞰してみる。
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