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誘惑者 講談社文芸文庫
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誘惑者 講談社文芸文庫

高橋たか子(著者)

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誘惑者 講談社文芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1995/11/13
JAN 9784061963443

誘惑者

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商品レビュー

3.9

11件のお客様レビュー

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2010/05/28

三原山火口へ自殺志願…

三原山火口へ自殺志願の友人に付きそい、一人で下山してきた女子大生。常人には不可解と思われるそんな行動をした人物の心理とは・・・。昭和初期に実際にあった事件をヒントに書かれた小説です。冷たいともいえるほど淡々とした描写を読んでいると、ちょっとしたホラーよりも恐いぞ~!と思えてきませ...

三原山火口へ自殺志願の友人に付きそい、一人で下山してきた女子大生。常人には不可解と思われるそんな行動をした人物の心理とは・・・。昭和初期に実際にあった事件をヒントに書かれた小説です。冷たいともいえるほど淡々とした描写を読んでいると、ちょっとしたホラーよりも恐いぞ~!と思えてきませた。なぜか不快な恐怖ではなく、魅かれてしまうような静かな恐さ・・・。好きな小説です。

文庫OFF

2010/05/28

友人を次々と火山口へ…

友人を次々と火山口への飛び込み自殺に誘う主人公。その不可解な心理が、淡々とした筆致で描かれ、逆に説得力を帯びています。

文庫OFF

2023/12/25

京都大学で心理学を専攻する女子学生の鳥居哲代が、砂川宮子、織田薫という二人の友人たちに相次いで同行し、彼女たちが三原山の火口に身を投げて自殺するのを見届けることになった経緯をえがいた作品です。 郷里の母親から、結婚を強引に勧められていたことに苦悩した宮子は、自殺を決意したと哲代...

京都大学で心理学を専攻する女子学生の鳥居哲代が、砂川宮子、織田薫という二人の友人たちに相次いで同行し、彼女たちが三原山の火口に身を投げて自殺するのを見届けることになった経緯をえがいた作品です。 郷里の母親から、結婚を強引に勧められていたことに苦悩した宮子は、自殺を決意したと哲代に明かします。哲代は、彼女とともに伊豆大島を訪れ、三原山の火口をめざします。しかし死へと旅立っていく直前に、宮子は彼女をなにもかも受け入れる哲代に「誘惑」されて、死んでいくことになったと告白します。 さらに、つねに哲代と宮子の両者に対して独占欲を示していた薫も、宮子の歩んだ道を正確にたどることによって、これまで何度か試みながらも果たさないでいた自殺へと向かいます。またしてもその同行者となった哲代は、悪魔学に傾倒する松澤龍介から、三原山の火口に身を投げることが緩慢なガス中毒を意味することを教えられていたものの、そのことを薫に告げることができないまま、薫の死出の旅を後押しすることになります。 哲代は二人の親友を自殺へと「誘惑」する者でありながら、彼女自身には自分が二人にとってそうした役割を果たしていたことへの自覚はありません。それにもかかわらず、自分自身の心のうちに存在する、光のとどかない暗部を観察しようとする哲代の身振りが、二人の友人を死へみちびくことになったようにも思われます。

Posted by ブクログ

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