火車

宮部みゆき【著】

• 販売会社／発売会社: 双葉社
• 発売年月日: 1992/07/15
• JAN: 9784575231175

商品レビュー

2009/12/16

お見事！

[yama]

一切の痕跡を残さず、失踪した女性の謎。そこには、多重債務という闇が潜んでいた……。ミステリー史上に残る傑作です。謎解きは勿論のこと、描かれる人の業の切なさと怖さが……お見事、です。

2025/10/11

長編物でした。2時間ドラマを小説にしたような感じ。一見本筋とは関係ない話(犬の話とか、換気扇の掃除の話とか)が、いつ本筋に絡んでくるのか、楽しみというか、構えながら読み進めていきました。

今でこそこの話のような借金の取り立てはないんでしょうが、ちょっとした事がきっかけで、首が回らなくなるのは、今の時代も同じかと。
いや、この時代には無かったS NSやらの承認欲求満たすためなんかが理由で分不相当な買い物で借金…って話は昔より多いのでは？とか思ったり。

ラストは結論出さない終わり方でしたが、あれだけ大変な目に遭ったのだから、逆に主人公達の推測は全部外れてて欲しい…と思ったのは私だけでしょうか？
なんせ、証言だけで、決定的な物的証拠は何一つ出てきてないのですから。

2025/01/16

　かなり昔、友人が宮部みゆきさんの本を読んでいていつか自分も読んでみたいと思っていた作者。長編でした。オーディブルで耳読。１倍速で15時間程だったように思う。今まで自分が読んできていない著者なので文章の表現や例えに違和感を感じる部分もあったが、最後まで読み切ることができた。私的には耳読より、紙の読書の方が本の世界に入り込みやすいのでもっと評価は高くなっていたかもしれない。
　美しい外見を持ち、清い心を持っているように見えるきょうこの過去。巻き込まれたとしかいえない過去なのにどうやっても出口がない。きょうこが直接、人を殺めている描写はかかれていなかったように思うが、容姿関係なく、まっ平にこのきょうこを見ると前夫が言い放った言葉「まるで鬼女だよ。」が真実のきょうこの姿であると思う。