- 中古
- 書籍
- 書籍
月とかがり火
定価 ¥2,564
550円 定価より2,014円(78%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白水社/ |
発売年月日 | 1992/10/20 |
JAN | 9784560043073 |
- 書籍
- 書籍
月とかがり火
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
月とかがり火
¥550
在庫なし
商品レビュー
3
2件のお客様レビュー
【09.1.10/図書館】 あえてBGMが必要のない映画のよう。 浮かぶ情景が、みな静かで、どこか哀しい。 おそらく「父祖地としての故郷」では無い故に、故郷を出て行くことの出来た(彼は「逃げた」と言うが、勿論一面ではそうなんだろう)主人公と、そこに根を張るが故に、そこに留まり続...
【09.1.10/図書館】 あえてBGMが必要のない映画のよう。 浮かぶ情景が、みな静かで、どこか哀しい。 おそらく「父祖地としての故郷」では無い故に、故郷を出て行くことの出来た(彼は「逃げた」と言うが、勿論一面ではそうなんだろう)主人公と、そこに根を張るが故に、そこに留まり続けることしか出来なかった人間とでは、「故郷」に対する思いも、現実も、全く違った物なのだろうよね。 時代背景への、私の知識が曖昧すぎて、時々こんがらがってしまったのが、「己の否」として残念なので、ちょっとそこいら辺を調べてから、再度パヴェーゼの本を読み進めたいと思います。
Posted by
故郷とはいったいなんだろう? 生まれたところか、それとも家族がいるところ? その二つとも存在しない主人公にとって故郷は何であったのか? そんなことを考えさせる作品でした。 私生児として生まれ、わずかながらも養育費がもらえるということで カネッリ近くの小さな村の養父に引き取られるが...
故郷とはいったいなんだろう? 生まれたところか、それとも家族がいるところ? その二つとも存在しない主人公にとって故郷は何であったのか? そんなことを考えさせる作品でした。 私生児として生まれ、わずかながらも養育費がもらえるということで カネッリ近くの小さな村の養父に引き取られるが、働けるようになるとその家族とも離れた主人公。 彼はどこで生まれたのかもわからず、見せ掛けの家族とも早くに別れ、 雇われた農場で働き、兵になり、その後ジェノヴァからアメリカへ渡り、 ある程度の財産を作り村に戻ってくる。 しかし彼の見覚えた人はほとんど残っておらず、 昔から親しくしていたクラリネット吹きのヌートだけが彼と昔話ができる相手だった。 知り合いがほとんどいない村に帰ってきても、 主人公は故郷を感じることができない。それでも帰ってきてしまう彼の思い、 昔の自分を投影してるように感じる足の不自由な少年、 美人になると思われてた金持ちの娘の最期、 アメリカで生活の回想、 主人公の思いのままに物語も進み、読み手は自然に主人公と同じ旅をすることになる。 ネオレアリズモ文学と言われてるように、ファシズム〜その後にいたる時代の重さが 気負いなく淡々と描かれているのが、却って辛い。 自分達が生きることに執着するあまり引き起こす事態は、 かなり生々しいし、重いけれど、感情的な表現をほとんど使わずそれを描いてるのが凄い。 ネオレアリズモは映画で見るのは辛いんだけど、 彼の小説は不思議と読み進めてしまう。
Posted by