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月とかがり火
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チェーザレパヴェーゼ【著】, 米川良夫【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社/
発売年月日 1992/10/20
JAN 9784560043073

月とかがり火

¥2,564

商品レビュー

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2009/01/10

【09.1.10/図書館】 あえてBGMが必要のない映画のよう。 浮かぶ情景が、みな静かで、どこか哀しい。 おそらく「父祖地としての故郷」では無い故に、故郷を出て行くことの出来た(彼は「逃げた」と言うが、勿論一面ではそうなんだろう)主人公と、そこに根を張るが故に、そこに留まり続...

【09.1.10/図書館】 あえてBGMが必要のない映画のよう。 浮かぶ情景が、みな静かで、どこか哀しい。 おそらく「父祖地としての故郷」では無い故に、故郷を出て行くことの出来た(彼は「逃げた」と言うが、勿論一面ではそうなんだろう)主人公と、そこに根を張るが故に、そこに留まり続けることしか出来なかった人間とでは、「故郷」に対する思いも、現実も、全く違った物なのだろうよね。 時代背景への、私の知識が曖昧すぎて、時々こんがらがってしまったのが、「己の否」として残念なので、ちょっとそこいら辺を調べてから、再度パヴェーゼの本を読み進めたいと思います。

Posted by ブクログ

2008/10/31

故郷とはいったいなんだろう? 生まれたところか、それとも家族がいるところ? その二つとも存在しない主人公にとって故郷は何であったのか? そんなことを考えさせる作品でした。 私生児として生まれ、わずかながらも養育費がもらえるということで カネッリ近くの小さな村の養父に引き取られるが...

故郷とはいったいなんだろう? 生まれたところか、それとも家族がいるところ? その二つとも存在しない主人公にとって故郷は何であったのか? そんなことを考えさせる作品でした。 私生児として生まれ、わずかながらも養育費がもらえるということで カネッリ近くの小さな村の養父に引き取られるが、働けるようになるとその家族とも離れた主人公。 彼はどこで生まれたのかもわからず、見せ掛けの家族とも早くに別れ、 雇われた農場で働き、兵になり、その後ジェノヴァからアメリカへ渡り、 ある程度の財産を作り村に戻ってくる。 しかし彼の見覚えた人はほとんど残っておらず、 昔から親しくしていたクラリネット吹きのヌートだけが彼と昔話ができる相手だった。 知り合いがほとんどいない村に帰ってきても、 主人公は故郷を感じることができない。それでも帰ってきてしまう彼の思い、 昔の自分を投影してるように感じる足の不自由な少年、 美人になると思われてた金持ちの娘の最期、 アメリカで生活の回想、 主人公の思いのままに物語も進み、読み手は自然に主人公と同じ旅をすることになる。 ネオレアリズモ文学と言われてるように、ファシズム〜その後にいたる時代の重さが 気負いなく淡々と描かれているのが、却って辛い。 自分達が生きることに執着するあまり引き起こす事態は、 かなり生々しいし、重いけれど、感情的な表現をほとんど使わずそれを描いてるのが凄い。 ネオレアリズモは映画で見るのは辛いんだけど、 彼の小説は不思議と読み進めてしまう。

Posted by ブクログ

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