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ふたりの証拠 ハヤカワ・ノヴェルズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
発売年月日 | 1991/11/15 |
JAN | 9784152077295 |
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ふたりの証拠
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商品レビュー
4.4
34件のお客様レビュー
『悪童日記』の続編。前作では「起こった事実のみを書く」という徹底したルールのもとに双子の「ぼくら」が書いた作文という形式だったが、今作ではその形式は排除され三人称視点で、今作で初めて双子の名前も明かされる。リュカとクラウス。 実父と関係を持って子どもを産み、リュカが母子ともに家...
『悪童日記』の続編。前作では「起こった事実のみを書く」という徹底したルールのもとに双子の「ぼくら」が書いた作文という形式だったが、今作ではその形式は排除され三人称視点で、今作で初めて双子の名前も明かされる。リュカとクラウス。 実父と関係を持って子どもを産み、リュカが母子ともに家に住まわせるヤスミーヌ 夫が処刑されて気が触れた図書館司書のクララ 男色でリュカを誠実に支える共産党幹部のペテールなど、名前や職業を持つ人々が存在感をしめす。前作よりも、血がかよっている。体温を感じる。 前作の主人公たちの冷酷さから一転、今作の主人公・リュカの不安定な人間性・繊細さ・不気味さが色濃く描かれる。リュカとは血の繋がりが無い息子・マティアスの心情もとても生々しく痛々しい。あまりに不安定な親子の悲痛な物語で読んでいて辛かった。しかし前作同様、ラストは衝撃的。
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「悪童日記」よりもこちらの方がまだ、登場人物に感情移入できて一気に読めた。 今回も最後の1ページで、えっどういうこと⁉︎って次を読まずにいられなくなるのは流石だと思った。
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アゴタのフランス語は彼女が後から習得したもので母語ではないから、このような無機的な文体になるのかと。 しかし「ブツ切れ」の記憶、戦争という顔のない恐怖、色彩を欠いた乾いた世界を表すのに、この文体をとる他になにが成功するのだろう。これは『悪童日記』から引き継がれた特徴。 『悪童...
アゴタのフランス語は彼女が後から習得したもので母語ではないから、このような無機的な文体になるのかと。 しかし「ブツ切れ」の記憶、戦争という顔のない恐怖、色彩を欠いた乾いた世界を表すのに、この文体をとる他になにが成功するのだろう。これは『悪童日記』から引き継がれた特徴。 『悪童日記』と違うのは、あれが双頭の一人による、世界についての独白といえるのに対し、『ふたりの証拠』では、二人であろうと一人であろうとだれも存在しておらず、もしくは存在するとしてもある影法師で、それが何人かの登場人物に付き纏って、それぞれの人物の性や苦悩を浮き彫りにするという点。 『悪童日記』の双子、その片割れであるリュカが主人公である『ふたりの証拠』。前者が「実在」、後者が「虚構」をの形をとることにより、戦争のリアリティを突きつける。 「書く」行為についての言及もそこかしこにある。書く=生の痕跡、と。 「何も書かなければ、人は無為に生きたことになる」。
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