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ふたりの証拠 ハヤカワ・ノヴェルズ
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
| 発売年月日 | 1991/11/15 |
| JAN | 9784152077295 |
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ふたりの証拠
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商品レビュー
4.5
37件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
必要以上の状況説明のなさ、感情や思考の移ろいの記述がないところなどは『悪童日記』と同じだが、登場人物に名前が与えられていたり、主人公が物事や人に執着する様などは前作とのスタイルの違いとして感じられた。 それによって、一心同体の二人が別れて一人としてのアイデンティティが立ち上がり、自活して他者と関わる状況において、人としての成長、もしくはフェーズの移り変わりを自然と感じさせられた。 相変わらず、知らない人のプライベートな日記を覗き見ているような後ろめたさと気味の悪い感覚、繰り返し訪れる設定への疑い、大幅な時間の欠落後の、伏線回収の予感など、ミステリーの色合いが増している。 同時に興味深いのが、今回私が2作を通して初めて泣いてしまったことだ。血のつながらない不具の子の喪失に、彼は初めてわかりやすい形で絶望する。また、周囲の人物が、彼を気にかけて、寄り添い、なんとか力になろうとする、大部分において搾取しあうことで成り立っていた幼少期の人間関係とあきらかに違う流れがある。 徹底してリアルを感じるのはなぜか。分析が無意味に思うほど不条理に唐突に物事は起こり、通り過ぎる。時間も人の命も無常に通り過ぎていく。平気だと思っていても、知らぬ間に傷と罰は濃度を少しずつ上げていく。 だけど、どうしてこんなにも愛しさを覚えるのだろう。
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だいぶ前に読んだ。 色んな小説を読んだ今となっては、思いや感想など全然変わるかもしれないが、当時の私にとっては、 最高の1番の一冊になった。 衝撃的で、スラスラ読めて読み終わるまで寝れないほど。 3部作の中では悪童日記が1番最高だった。 2人の成長が書かれているから、次へ読みたく...
だいぶ前に読んだ。 色んな小説を読んだ今となっては、思いや感想など全然変わるかもしれないが、当時の私にとっては、 最高の1番の一冊になった。 衝撃的で、スラスラ読めて読み終わるまで寝れないほど。 3部作の中では悪童日記が1番最高だった。 2人の成長が書かれているから、次へ読みたくなる
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「悪童日記」の続編。 前作「悪童日記」にて、双子は最終的に一人は国境を超え、一人は祖母の家に戻るが、今回の話は祖母の家に戻った方の双子、「リュカ」の話である。 この本で二人に別れてから初めて双子が個別の名前で呼ばれるので、前作の双子は別れるまでずっと二人でひとつだったのだろう。 事実しか書かない決まりは引き継がれているのか、相変わらず淡々と激動の人生が語られ、分量は多くはないのに読み応えがある。 最後の方に、この作品は事実を書いた日記ではなく、リュカが自分の望むように記入した創作であるということが判明し、「書いたこと」と「事実」は異なる、という前回に通じるテーマが存在しているように思う。 個人的に刺さったのは、リュカの話ではなく、リュカに家を売った本屋の話であった。 本屋のおじさんは、前々から小説を書きたいと思っていたが生活に追われていつの間にかその夢を忘れていた。 しかし、姉に会い、不健康を指摘され、姉の家で暮らしながら生活を改善し、小説を書けばいいと勧められたため、リュカに書店と家を売るのである。 しばらくして、リュカは本屋が姉を殺したと伝えられ、姉を殺した後に本屋が書いた文章を読む。 そこには、なぜ姉を殺すに至ったかの顛末が書いてあった。 本屋は、姉が小説の進捗を確認するのがストレスで、小説については既存の文章を書き写すことで誤魔化し(姉は本を読まないためバレなかった)、禁止されていた酒を飲んでいた。それが姉にバレ、詰問されたために我慢ならなくなり殺した。 本屋をクズ扱いするのは簡単である。実際姉は全く悪くないように思うし、本屋は悪い。 しかし、夢があったけど諦めていた、忘れていたという境遇の人が、実際夢だけを追い求めていいという夢のような境遇になったとき、夢のための努力ができない自分と向き合わなくてはならなくなったときの苦痛はさぞかし大きいものではないだろうか。 誰も悪くはなく、自分だけが悪いという状況で、自分は夢を追えなくなった、自分が夢だと思っていたものは夢ではなかった、言い訳だったと直視するのはとてもつらいだろう。だから本屋は酒に逃げ、姉から逃げるために姉を殺した。 さらに怖いのが、リュカに姉について話した時の本屋は姉のことが大好きである、尊敬していると語っていた。そんな姉と暮らすのは心からの望みであると。 しかし、本屋が書いた文章では、実は前から姉が嫌いだったと姉への憎しみが書き込まれていた。 本屋がリュカに嘘をついていたというより、状況の変化によって姉への感情が変化したのだろう。 本屋の中では、姉が大好きだという感情も、姉が憎いという感情も、その時においては事実だった。 感情という曖昧なものは記入しないという前作悪童日記の決まりの正しさを証明するかのように、本屋の姉に対する感情は両極端に描かれている。 肉親に対しても、容易く感情が変化する人間の強さが描かれていると思った。 この話は、最後にクラウスが双子の兄弟を訪ねてきたが、クラウスの入国許可が切れているので送り返される、しかもノートは「クラウス」のもので、全て同じ筆跡で記入された創作のようだ、という事務的な記述で幕を下ろす。 リュカの創作ではなかったのか? この謎は、最後の作品「第三の嘘」で解明されるようだ。
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