嘘つきジェンガ の商品レビュー
嘘と不安の連作短編集。 この先、どうなってしまうのか。未来の見えない不安とかすかな恐怖に負けて、流されて嘘をついてしまう人々。そして、未来の見えない不安とかすかな恐怖に負けて、流されて嘘にすがってしまう人々。 騙す方も騙される方も、私たちはどちらにもなり得る。それに気づいた時、不...
嘘と不安の連作短編集。 この先、どうなってしまうのか。未来の見えない不安とかすかな恐怖に負けて、流されて嘘をついてしまう人々。そして、未来の見えない不安とかすかな恐怖に負けて、流されて嘘にすがってしまう人々。 騙す方も騙される方も、私たちはどちらにもなり得る。それに気づいた時、不安が物語から跳ね返ってくる。 不安定で脆弱な嘘。それでも積み重ねるしかない。「やめたらいいのに」と、何度も思った。でも、そう思うのは、読者の目だから?自分自身が渦中の人となった時に、嘘の危うさに気づけるだろうか。
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えと、積ん読が有るのに書店に行ったら、新刊文庫本がずらり(笑)何冊かまた買っちゃったあ。あちゃ〜(笑)でも我慢できない。 そんな私も詐欺に引っ掛かるのかな。 詐欺にまつわる3人のお話。 3人とも優しいがゆえ、まっすぐなゆえ、知らず知らずに詐欺に荷担するまたは、嘘をつく。 202...
えと、積ん読が有るのに書店に行ったら、新刊文庫本がずらり(笑)何冊かまた買っちゃったあ。あちゃ〜(笑)でも我慢できない。 そんな私も詐欺に引っ掛かるのかな。 詐欺にまつわる3人のお話。 3人とも優しいがゆえ、まっすぐなゆえ、知らず知らずに詐欺に荷担するまたは、嘘をつく。 2020ロマンス詐欺 最初は自分がさみしいからと言う理由と、コロナ禍でバイトが出来ないと言うところから、詐欺グループに引っ掛かり。。。こんな風に若者は引っ掛かるのかなと思った。このお話はロマンス詐欺を持ちかけた相手を助けようとする。途中ドキドキしたが、すごくよい終わり方でホッとした。 5年目の受験詐欺 許せないね〜母の子を思う気持ちに寄り添うふりをして、引っ掛かける。 ずっと裏口入学だと思いながら過ごしてきた5年はそうでは無くて。旦那さんの吐く「愚か」は辛すぎたが、とうの子供は優しい。 そんな子供に助けられる母親。これまた最後はホッとする。 あの人のサロン詐欺 この短編については、のめり込むがゆえ、なりきり詐欺をしてしまう。嘘を重ねる主人公にずっとモヤモヤする。 途中、チヨダコーキの名が出てきてニヤリとするけど(笑) このお話も最後はホッとする。 いやいや辻村さん。やっぱり面白いわ。 一気だもん(笑)
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皆必死に生きる人間だった。自分のため、誰かのために嘘をつく。騙されていたとしても、それでも守りたい何かがある。罪悪感を持ったり、自分を正当化したりしながら、必死に生きている。綺麗なことばかりではないからこそ、本物の人間らしさがある。三者それぞれが何らかの詐欺に関わっているけれど、最後にはそれぞれの真っ直ぐさが感じられる物語だった。
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詐欺に関わる三篇。 辻村深月作品はダークで読むのにパワーがいるイメージだったが、「登場人物たちのその後が気になる、早く安心させて!」という気持ちで一気読みした。 詐欺を働く側の人物も、まったくの悪人ではなかったり、描かれる孤独もまったくの孤独ではなかったり、全体的にほんのり温かさがある。 また詐欺を行ったり詐欺にあったりしたことで失うものより得るものが大きくなりそうなラストが優しい。 犯罪ものは、なんとなく登場人物(特に犯人が主人公の場合)が【頭の切れる乱暴なやつ】とか【どこか憎めない小狡いやつ】【巻き込まれた悲壮感漂うやつ】【仕返しに燃えるやつ】だと既視感あるが、この作品は違った。
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【気づいた時には、もう戻れなくなっていた】ロマンス詐欺、受験詐欺、サロン詐欺……。騙す者と騙される者の切実な葛藤と後悔。積みあげたが崩れたとき、見えてくるものとは。
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