地上の楽園 の商品レビュー
一気に読み終えた。 2人の在日コリアン男性を軸に、北朝鮮への帰還事業、その後の物語。 物語の序盤から現れるとある本や、その雰囲気は、旧ソ連に招かれた著名な作家たちのその後を思い起こさせ、日本人2人目のノーベル文学賞を受賞した作家がTVを見、「私には帰るべき北朝鮮がない」と涙した...
一気に読み終えた。 2人の在日コリアン男性を軸に、北朝鮮への帰還事業、その後の物語。 物語の序盤から現れるとある本や、その雰囲気は、旧ソ連に招かれた著名な作家たちのその後を思い起こさせ、日本人2人目のノーベル文学賞を受賞した作家がTVを見、「私には帰るべき北朝鮮がない」と涙したエピソードなどが脳裏に浮かんできた。 この数十年、政治家は話にならないとしても、いわゆるマスコミや進歩的文化人は一体、何をしてきたのだろう。何を無視し続けて来たのだろう。 拉致問題と帰還事業が密接に関わっている、作中のこの言葉が印象に残る。 当時と今、何か変わったのだろうか。 何も変わっていないのではないか、と唖然とする。 義憤と虚無が読後に残った。
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『地上の楽園』はまやかしだった 差別が戦争を生み、戦争がまた新たな差別を生む 人はそんな歴史を何千年も繰り返してきた そしてその悪循環を止められないのは、人間の持つ弱さなのか だが、人類は「学ぶ」ことで、その弱さを乗り越え、強さを手に入れることができる 今度こそそれを信じたい...
『地上の楽園』はまやかしだった 差別が戦争を生み、戦争がまた新たな差別を生む 人はそんな歴史を何千年も繰り返してきた そしてその悪循環を止められないのは、人間の持つ弱さなのか だが、人類は「学ぶ」ことで、その弱さを乗り越え、強さを手に入れることができる 今度こそそれを信じたい 信じて「学ぶ」ことを始めよう そして本当の『地上の楽園』を作り上げよう 月村了衛さんのそんな想いを感じた物語でした 必読の一冊 読んで学べ!( ゚д゚ )クワッ!!
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1959年の大阪で、朝鮮学校の中等部を卒業した仁学は大学の受験資格を得るために公立高校へ進学したが、虐めや暴力、そして差別のなかで唯一の味方であった山崎先生から一冊の本を勧められる。 『38度線の北』を読み終えた仁学は、「地上の楽園」と称される北朝鮮への帰国運動に力を入れるように...
1959年の大阪で、朝鮮学校の中等部を卒業した仁学は大学の受験資格を得るために公立高校へ進学したが、虐めや暴力、そして差別のなかで唯一の味方であった山崎先生から一冊の本を勧められる。 『38度線の北』を読み終えた仁学は、「地上の楽園」と称される北朝鮮への帰国運動に力を入れるようになる。 幼馴染の勇太が、ヤクザの抗争に巻き込まれたことで、勇太に「帰国」を勧める。 仁学が北朝鮮への帰国を勧めてからのその後を第一部に勇太が北朝鮮で経験したことを第二部として描かれている。 地上の楽園はまやかしだった。 十万人近くを地獄へ送る壮大な罠だった。 なのに、今日に至るも、責任を取るどころか、誰も謝罪すらしていない。 あったことすら忘れているのか… 誰も言わなければなかったことになってしまうのか… 自分の生まれる前のことだから知らないでは済まされないのでは…という気持ちになった。 隠蔽されることばかりだと何が真実かがわからなくなる。 他人事だと思わず勉強しなければならないと思った。
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2025/09/25予約9 星5では足らない。 北朝鮮帰還事業、こういうことだったのか。不勉強でわからないことが多すぎて調べながら読み、第一部で孔仁学のつき進む方向がそっちじゃないのに頭がよく正義感に溢れた若者だったからか、そそのかされうまく使われてしまう。今読んでいる私たちは間違いがわかるが、当時は知識って本からあるいは信頼する人から得るもので、偏ってることがわからない。リアルタイムの情報も無く信じて北朝鮮に帰還(帰国)するなんて。第二部はとにかく辛い。金賢姫の手記を読んだ時の驚きがよみがえった。家族をみんな失ったのに脱北し生き続けた玄勇太、私の語彙力ではすごい、以上の事が言えないのがもどかしい。第三部で勇太は仁学を探し出す。そして新潟で別れた高の娘と共に真実を伝えるため書籍を日韓で刊行しようとする。 科学の発展は人の諍いを生んでしまった、確かにそれも思う。ネットだけでない真実を知らなければならないと強く思う。巻末の参考資料、読めるものは読んでみよう。 小説という形で歴史を知るきっかけを与えてくれて感謝です。 今年一番の本かも、おすすめです。
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在日朝鮮人と北朝鮮帰還者の苦労と差別が リアルに書かれていて心に刺さった。 それだけでなくどうすればギクシャクした両国の関係を改善できるのか具体的な案もあり勉強になりました。
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北朝鮮への帰国に尽力した(してしまった)者と帰国した者、それぞれの地獄を描いた作品 どこまでが史実でどこまでがフィクションか分からないが、圧倒的な臨場感があった こういう世界は体験したくはないが、読書を通じて少しでも知れてよかった
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読み続けるのが非常に辛い小説だった。 自民党の小泉純也議員をはじめとして、マスコミまでが挙って北朝鮮を地上の楽園と賞賛するのだが、現代の知識でこの小説を読む読者にはあまりの欺瞞に憤然としてしまう。 在日朝鮮人を国策として官民で推し進め、朝鮮総連も自国に棄民として在日朝鮮人を送り込...
読み続けるのが非常に辛い小説だった。 自民党の小泉純也議員をはじめとして、マスコミまでが挙って北朝鮮を地上の楽園と賞賛するのだが、現代の知識でこの小説を読む読者にはあまりの欺瞞に憤然としてしまう。 在日朝鮮人を国策として官民で推し進め、朝鮮総連も自国に棄民として在日朝鮮人を送り込む。 以前は民間放送で北朝鮮と言わず、北朝鮮・朝鮮民主主義共和国。 と言い直していたのを思い出すのも、この小説によって喚起された。 地上の楽園とはあまりに皮肉で恐ろしい表現であった。 辛い小説だが読まなければならない一冊だった。
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高市政権になり、拉致被害者問題が微かにだが動き出す可能性を感じる昨今、その根っこにある北朝鮮帰還事業の欺瞞と闇を、そして騙されて北朝鮮に渡った在日朝鮮人および日本人妻たちの生き地獄という言葉では生温いほどの無間地獄を、忘れさられることを強く拒否するような強烈な言霊を容赦なく読者に...
高市政権になり、拉致被害者問題が微かにだが動き出す可能性を感じる昨今、その根っこにある北朝鮮帰還事業の欺瞞と闇を、そして騙されて北朝鮮に渡った在日朝鮮人および日本人妻たちの生き地獄という言葉では生温いほどの無間地獄を、忘れさられることを強く拒否するような強烈な言霊を容赦なく読者に投げつける、月村氏渾身の大傑作。同胞を裏切り続けて地獄に送る様は、ある意味ホロコーストよりたちが悪く、スターリンや文化大革命の大粛清に匹敵する悪行であり、人間がどこまで悪になれるのかの見本市のよう。その無間地獄の生き残りが、それでも見出す希望とは、歴史を風化させないための言霊を後世に残すことだった。本年の、そして月村氏の最高傑作の一冊であり、問題作。今年絶対読むべき一冊。
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長編だが、ラストまで一気。朝鮮に帰国する人々、デマを信じて乗船した先には地上の楽園が待っている。また、真実だと信じた少年の後悔。実話⁈
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ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。 第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもペ...
ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。 第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもページを捲る手が止まらない社会派だけでないエンタメ小説としての面白さにもグングン引き込まれた。 何よりも恐ろしいのは、 「流れに逆らうものを寄ってたかって叩こうとするのが日本人の国民性」 「拉致問題も帰国運動も根はひとつ…」 「薄々察知しながら、無視し続けた」 という政治家でありマスコミであり我々国民であるということだ。 「歴史を理解することが不可欠。学ばないものに未来は決して訪れない。」 ラストで生き残った者たちの責任と使命、そして「希望」こそが本書であると思う。
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