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地上の楽園 の商品レビュー

4.8

17件のお客様レビュー

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2025/11/06

長編だが、ラストまで一気。朝鮮に帰国する人々、デマを信じて乗船した先には地上の楽園が待っている。また、真実だと信じた少年の後悔。実話⁈

Posted byブクログ

2025/11/06

ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。 第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもペ...

ニュースで知っているつもりだったが、「地上の楽園」という幻の看板に騙され、送った側と送られた側の人間を小説を通して、その登場人物と共に楽園どころか生き地獄だったことを体感して、実際には何もわかっていないことを痛感した。 第二部で描かれた次々と人が…目を覆いたくなるような、でもページを捲る手が止まらない社会派だけでないエンタメ小説としての面白さにもグングン引き込まれた。 何よりも恐ろしいのは、 「流れに逆らうものを寄ってたかって叩こうとするのが日本人の国民性」 「拉致問題も帰国運動も根はひとつ…」 「薄々察知しながら、無視し続けた」 という政治家でありマスコミであり我々国民であるということだ。 「歴史を理解することが不可欠。学ばないものに未来は決して訪れない。」 ラストで生き残った者たちの責任と使命、そして「希望」こそが本書であると思う。

Posted byブクログ

2025/11/06

月村了衛「地上の楽園」中央公論新社読了。在日朝鮮人の孔仁学は公立高校で差別を受けていた。少年は生来学ぶことが好きだった。成長するにつれ、頭の中のおもちゃは道具に、道具は武器に変化。知識は武器なのだ。そんな中、北の帰国運動が起き祖国へ帰る会合に参加する。物語は地獄の扉だった。驚愕‼...

月村了衛「地上の楽園」中央公論新社読了。在日朝鮮人の孔仁学は公立高校で差別を受けていた。少年は生来学ぶことが好きだった。成長するにつれ、頭の中のおもちゃは道具に、道具は武器に変化。知識は武器なのだ。そんな中、北の帰国運動が起き祖国へ帰る会合に参加する。物語は地獄の扉だった。驚愕‼️差別で地獄と思った日本は天国で祖国は毎日が限界で、毎日が精一杯だった。季節が巡り鉱山の村の生活にも慣れた。ということはなかった。日本に帰れる望みはない。そこは最悪の階級社会であり差別社会。そして人類史上最悪の事件を誰も責任を取ってない。今一度、昔のことを思い出して欲しい。無間地獄とは。結末は「そうきたか」でした。 #月村了衛 #地上の楽園 #中央公論新社 #個人的今年ナンバーワン 未来へ希望を繋ぐ それは1959年の大阪から物語は始まる。475ページの長編大作

Posted byブクログ

2025/11/09

分厚いのを1日で読んだ。色々な感想は誰かが密告するかもしれないからここには書かない。 小泉進次郎は読んだほうがいい。クリステルさんに読んでもらって教えてもらいなさいな。日本政府も悪いなー。

Posted byブクログ

2025/11/02

これは力作。 北朝鮮の帰国運動について知らない部分も多かったので自分の勉強不足を恥ずかしく思った。 地上の楽園と信じて帰国した人々が、どれだけ過酷な生活を強いられたのか。 私はたまたま生まれたのが日本だったけど、北朝鮮で生まれていたらどんな人生を送っていたんだろうと考えると怖くて...

これは力作。 北朝鮮の帰国運動について知らない部分も多かったので自分の勉強不足を恥ずかしく思った。 地上の楽園と信じて帰国した人々が、どれだけ過酷な生活を強いられたのか。 私はたまたま生まれたのが日本だったけど、北朝鮮で生まれていたらどんな人生を送っていたんだろうと考えると怖くてたまらない。

Posted byブクログ

2025/10/31

 北朝鮮への帰国事業に係る虚偽と暗黒を描いた力作であり、実在の政治家やジャーナリストも登場する。3部構成で、終章は主人公達の今後への希望が描かれているが、若干白々しい。

Posted byブクログ

2025/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今なら誰も信じはしないだろう。1959年の北朝鮮が「地上の楽園」だなんて。 けれど、当時日本において激しい差別を受け続けていた在日朝鮮人たちにとって戦争からの復興を遂げ、だれもが平等に幸福に暮らせる「楽園」となった北朝鮮への帰還は夢のような事業だったのだ。 好きな仕事に就け、食べたいものを食べ、温かい部屋でゆっくりと休める暮らし。そんな楽園への帰還を多くの人が望んだ。 けれど、その実情は日本での貧しい暮らしがどれほど幸せであったかを思い知らされるほどの地獄だった。 彼らがどれほど過酷な暮らしを強いられてきたか。 学校で習う歴史で、あるいは流れるニュースで知ってはいる北朝鮮で現状、けれど、それはあくまで「聞いたことがある」というレベルの明日になれば忘れてしまう多くのニュースの中の一つでしかなかった。 読みながら「なぜ」という言葉しか浮かばない。なぜこんなにゆがんだ国が成立しているのか。 なぜ多くの人がこんなにも貧しい暮らしを強いられるのか。なぜ…なぜ… 月村了衛の描く地獄にも、その答えは見つからない。いまも続くかの国の悲惨な現状をどうしたらいいのか、その道も見えない。 けれどそこで何が行われていたのか、いまも何が続いているのかをフィクションという形であったとしても伝え続けなければならないのだろう。 過去を未来につなぐ、その先にしか「希望」は見つからないのだから。

Posted byブクログ