変な地図 の商品レビュー

雨穴(著者)

2025/11/22

帯にも「マップ・ミステリー」「異形の王道小説」とあるように、今回はホラー要素は控えめで、青春ミステリの雰囲気を感じるような爽やかな小説だった。
面白かったのだけれど、ホラーと思って読み始めたからちょっと肩透かしを感じてしまった。

2025/11/22

著者特有の「じわじわ不穏になる世界」を地図という切り口で見せてくる一冊でした。

ぱっと見は軽い読み物のようなのに、読み進めるほど「これは本当に地図なのか？」という違和感が積み重なり、気づけば背筋が冷えている。

けれど、その不気味さが突き抜けて狂気に振り切れるわけではなく、どこか淡々とした距離感があるため、強烈な恐怖ではなく“奇妙さを楽しむ”タイプの作品に感じた。

全体を通してみると、いくつかのアイデアがもっと掘り下げられていたらさらに面白くなったのでは、という惜しさも残った。
設定の面白さは抜群なのに、その先の深みに触れきれない部分があった印象。

2025/11/22

あとがきの雨穴さんの一言が
今までの関係を物語っている…
その一言を読めただけで
買って良かった一冊。

2025/11/20

前作を読んでからしばらく経ったてたからこんなに会話ベースだったか？と思うくらい地の文がなかった。が、シリーズを読み返してもともとそんなに地の文が多くなかったのでそんなもんかと思った。
だからこそ読みやすいんだけど。
どんでん返し感は他の作品方があった気がしたが、それでもやっぱりストーリーの積み上げ方や好きのない回収や読後感は、似たような書籍を読んでも雨穴さんが1番上手だと感じた。

2025/11/20

主役を栗原に代えたってのが小説として非常に良くなったと思う。面白かった。
これまでは主役が雨穴＝毎年おせちをまともに食べれないオモコロに執着する覆面の異常事象が人間世界の社会派ミステリに干渉してくるっていう異常さが際立っていて、それはそれで面白かったんだけど、面白さはこの前提条件ありきだったんだよな。
今回はそれを全部オミットしていて、今まで単なる謎解き装置だった栗原のパーソナリティにもがっつり深掘りしていて、それがストーリーともよくマッチしてすごく良かった。雨穴を知らない人が今作を読んでも、今作は楽しく読めると思う。
ミステリとしてはだいぶ薄いなとは思うけど、代わりに小説としてとても楽しかった。

2025/11/19

とても面白かったです。
栗原さんがいつもより鮮明に描かれている感じ。
読んでいて物語に引き込まれていく感覚が好きでした。
自分じゃこんな推理絶対できないから最後に色々繋がってどんどん明かされていくのが楽しい。
最後に栗原さんが祖母らしい(？)自殺の理由の答えまで落とし込んでいるところが素敵。
にわかだからわからないけど次回作もあるのかしら。楽しみです。

2025/11/19

発売日に買ったのにずっとポケモンやってて昨日読了！
変な家、絵、家2と全部読んできてるからそら地図も読むっしょってなもんで読んだけど、今作は良い意味でまぁまぁ良かった！

ただ、まぁ思ったこともあって…
まず、面白くなるまでが長い。「もう半分くらい過ぎたけど、これいつおもろなるん？」って思いながら読んでたら終盤辺りからちゃんと色々回収されて面白くなっていった感じ。

あと、いくつかの地図が方角が逆さになって表示されているのこれは何で？急に下方向に北が向く地図が載っててマジで頭ん中意味わからんなったし、それが何か効果的的に働いてるわけでもないしマジで意図がわからん。

あと「それは無理やて」ポイントもあって
「人を抱えた主人は線路で転んでひざついて怪我したから線路に血がついてるかも！」
ここまではええ。強いて言うならば、なんや50代くらいの年代の主人が半ズボン履いてたんか。とは思うけども、それはまぁええ。履いてる場合もあるやろ。
だけど、「だから、電車に乗って、カメラを暗視モードにして線路を写していれば血痕が見つかるかもしれない。そしてそれを見せれば調べさせてくれるかも…！」
いやいやいやいや…。トンネルの中やで？しかも電車の中からそんなん写せる？無理やて。暗視モードやとしても半ズボン履いてたとしてもそんなん無理やて。いけると思わんて。

あと、もう一つ。
「第二非常口を開けられなくするために大里の髪をちぎって鍵穴に詰めた」
いや、どうやんねん。髪の毛ちぎるってなんやねん。抜くならまだええわ。ちぎるて。
しかも髪の毛をちぎれたとして、それを鍵穴に詰めるって出来る？相当鍵穴がガバガバじゃないと詰めれんくない？しかも鍵が開かなくなるほどの量の髪の毛を詰めんの？いや、それは無理やて。トンネルの中の非常口の鍵見たことないけど、あの絵の感じやと無理やて。

と、まぁいくつかネガティブに感じたりはしたけど、ちゃんと面白くなって終わってくれたから良かったかな。あの怪物が描いてある変な地図の意味もちゃんと回収されたのはすごいと思った！確かに怪物っぽいのパッと見左下のやつくらいじゃね？とか思ってたけど、そういうことやったんやねー。
多分ここが見事やったからこそこの本が面白いって感じれたんやろなって思う。ここグダグダやったら評価だだ下がりやったやろな。

変なシリーズは絵、地図、家2、家の順で好きかな。
それにしても変なシリーズの挿絵が入りまくるのわかりやすくていいね。

2025/11/19

図が多用されているのが新鮮。それがとても効果的で話が理解しやすかった。ちょくちょく出てくる「栗原メモ」が、一緒に謎解きしてるような気分で楽しめた。

2025/11/18

いつも冷静で完璧な栗原さんの過去。
人を思うからこその不器用さが、変な家や変な絵では見えなかった人間らしさを感じました。

昔ならではの風習やしきたり、そんな中でも知る事を楽しみ、知識を付けることに魅入られた人の生き方が明かされていく爽快感、テンポの良さから一日で読んでしまいました。

絵や地図もあるため、読書が少し苦手な方でも読みやすく楽しめると思います。

2025/11/18

変な家に比べると、ミステリ感がなくなった。どうしてだろうと読者を考えさせるところが少なかった。
次作に期待。